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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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結局、初期宇多田に溺れる

宇多田以外の余計な不純物ガー、添加物ガーと不満たらたらに思いながら、金が足らなくなって質の悪いクスリに手を出すかのように聞いていたら、そしていつの間にか何度も聴いている事実がある訳で、結局、初期宇多田に見られる不純物、添加物など意に介さぬようになり、気にならなくなり、そしてそもそもそんな事はどうでもよくなり、いつの間にか初期宇多田に関しても、不純物、添加物が過多であるにも関わらず、宇多田成分を存分に摂取してぐったり安息するようにして聴き込んでいる…周りでどんな音がなっていても宇多田以外聞こえないような…エクリチュールの多義性に対する、フォネー(声)の統制の全体主義的危険性などと云ったデリダ的問題提示も既にどうでもよくなっている…在野ではあるが全体主義研究者としての矜持は譲れない自分だから此の思想的危険性には他人から云われなくても十分知悉しているにも関わらず、である…確かに始めは、初期宇多田に見られる、とりわけロック調の楽曲には我慢ならぬ気概もあった…ろくにロックと云う音楽を自らのものとして体現した事のないスタジオ連中が、ロックってこんな感じ?と云った小器用な、結果的に嘲笑的な解釈で仕上げられたアレンジのわざとらしいけれんみには虫唾が走るものがあったが…其れさえも今や宇多田のフォネーの中毒的魔性の中では取るに足らぬ些事へと矮小化され…セカンドアルバムであるディスタンスは、宇多田作品の中で一番出来が悪いのは確かだと思えるが、其れさえも、今となっては宇多田を満喫するには十分な純度のように思えてしまう…can we keep a secret?の切迫感は、様々なガレージパンクが現代文明の終末のように洗練された形に聴こえてしまう佳曲…そして、やはりファーストアルバムであるファーストラブは、諸芸術における処女作の特異性の例にもれず、宇多田作品群の中でも格別のものであった…四十路も半ば近くとなり、十代の宇多田が歌うオートマティックやファーストラブにグッとこみ上げている自分…作品の出来としては、ディープリバーに匹敵する…往年に益々開花する、世界性を帯びて深甚なる声質の深み、遣る瀬無い内向性が確かな構築によって示され…申し分ない…しかし…宇多田以外の音楽に最早てんで満足できなくなってしまって…今までの音楽的経験の全てが宇多田に塗り替えられてしまっているのはどうなのだろう、と一抹の疑問も無い訳でもない…だからと云って宇多田以外の音楽をかけると…やはりどうにも物足りなく思ってしまう…ザッパにしろフーにしろ、聴けば其れなりに良いとは思うものの…かつてのような感動や夢中には至らない自分がいる…多分、既に論理や理論が破綻した閾に達しているのだろうが、其れでも、なぜ自分がこんなにも宇多田にヒリヒリしながらのめり込んでいるのか、宇多田の楽曲の存在と其れ自体による種的文明的滅亡性が自分をこんなにも惹きつけていると云う言い訳じみた論旨を自壊?次回、展開したい…何はともあれ今年の目標は宇多田以外を聴く事ではあるがどうなる事やら。

次回は1月29日です。

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天然の悪意に遭遇する

朝、道の左側を考えながら歩いていると真正面から、身長180cm以上の大肉大背の巨躯で、銀行員時代の脂の乗りきった小椋佳のような風貌で黒いスーツを着た50代くらいの会社員風の男が、道の左を歩くなボケ消えろ邪魔だクソが、と云った暴言をすれ違いざまに大声で吐き散らし浴びせられ…罵倒されて気付いたからどんな顔の人物かは不明…其の時は自分が云われたのかどうかよく分からないほど、事態を吞み込めていなかったが…日本だと左側通行が普通だから、何故左側を歩いていると罵倒されるのか、全く意味不明でもありつつ胸糞悪い経験であったが…其れから数週間後、いつも通り思索しながら左側を歩いていると、罵倒されるまで気づかずに唐突に真正面から(つまり男にとっては男にとっての正義である右側通行を遵守)再度大柄な会社員風男と遭遇してすれ違いざま罵倒されるという事件が起こり、此の時はさすがに自分が標的にされて云われている事が分かり…むかっ腹此の上ななく、次遭遇した時どうしてくれようか考えざるを得なかった。真意を問いただすにしても、普通ではない暴言野郎が相手なので、一戦交える覚悟が要る…失うものは何もないし、一戦やむなしでやるか、と思ったものの、失うものは何もないかと云うとそうでもなく、攻撃力が極めて微力の非力な文弱の自分であるから、あの体格から暴行されたら再起不能となる可能性が高い…其れでなくても最近は普通に生活しているだけでも身体の不調が回復する事なく其のまま痛みを積み重ねるような衰弱と老いの日々なので…くだらない狂犬のために一生寝たきりになるのは本意ではないので君子危うきに近寄らずで、保身のため、朝の通行ルートを変える事にする…其のようにして逃げの一手を取ると、途端に臆病風に襲われ、朝だと頻繁に遭遇する黒いスーツを着た男とすれ違う度にすわ暴力男かと身構えるような、恐怖と圧制の日々が始まる…あの時間にあの道を通れないというささやかな不自由が、自分の全ての自由を奪うかのような圧制感…こうやって無理が通れば道理が引っ込むのか…と、天然の悪意との遭遇に忸怩たる思いが募る。愚劣で無益どころか有害で卑しい所業を解消するためには、卑しい所業によって自分の生涯が台無しにされる可能性があるから、卑しい所業に自分の大切な生涯を賭けなければならないが其れは耐え難い、という此の困難な問題に対して、自分はまだ答えを見出していない。

次回は1月8日です。今年の最終回、ろくでもない話であったが、よいお年を~。

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初期宇多田に手を出す

さすがに飽きただの覚えきっただのと思いながら何だかんだで毎度新鮮な驚異と共に宇多田のアルバム群を聴き回しているが…其の一方で、当分宇多田の新譜は望めない、ライブ盤CDも入手不可能となれば、理性的に自制していた、ディープリバー以前の、初期宇多田三作品の事が俄然念頭に上り始め…しかし、以前、宇多田が作家性を全楽曲の全工程において存分に発揮し出したディープリバーより一つ前の、最多セールスを誇るらしい、セカンドアルバムのディスタンスを、慎重を期してレンタルで聴取した処、とても買ってまで聞くに堪えぬ不出来である事は確認済みであり…だからこそ、ディスタンス(2nd)、ファーストラブ(1st)、プレシャス(キュービックU名義の、日本デビュー前の英語作品)の初期三作には手を出さなかったのであった。しかし、事此処に至った以上、聞いたことが無い宇多田成分が少しでも含んでいる楽曲であれば多少の不出来は目を瞑る事にして、忸怩たる思いを抱えつつ、ポチッと注文してしまったのであった。先にプレシャスとファーストラブが到着…まずはファーストラブを聞いてみると…まず、肝心の宇多田成分の質についての感想は一先ず措くとして…やはり我慢ならないのはアレンジ関係の暗愚さ…全曲作詞作曲は宇多田だから宇多田成分に関する最低限の質は担保されているものの…楽器編成や音の配置などのアレンジ部分は此の当時は宇多田以外の月並みな職業ミュージシャンとやらが手掛けているようだから、こういう曲にはこんな感じのアレンジだろ、と云うような安直かつ貧相な通り一辺倒の糞つまらない凡庸なアレンジが施されており、既に宇多田成分の独創性の萌芽が粗削りながらも鋭く聴取されるだけに、小器用なだけで瞠目すべき才能の欠片もない凡人どもが宇多田の才能を無駄にかき消そうとする愚劣な状況が聞き取れたから、聴くだに胸糞悪い後味が拭えないのであった。聞き手が不注意ならば宇多田成分の真価を聴取しえなくなるほど凡庸な不純物や余計な添加物が初期三作品には多すぎて困る。だから、アップテンポの曲は音数が多いため自ずと不純物、添加物が目立つので聴くに堪えないが、音数が少ないために相対的に宇多田成分が多くなるバラード系は何とか味わえる事が分かった…しかもこの結論は、ディスタンスをレンタルで聴いた時に得たものと何にも変わらないと云う…其れでも、新たな宇多田成分が摂取できるのであれば腹立たしさまで誘う凡人アレンジを我慢してまでも聴いてしまう涙ぐましい中毒状況を最早自分ではどうにもできない…そして肝心の宇多田成分だが、如何せん幼過ぎる…往年の、中でもノンバイナリーを自認した頃からの奥行きと業と無機質で宇宙的で原理的な情念の深い声質には全く至らず…早熟ながら年端もいかない年齢故に致し方ないとは云え…少女趣味のない大人の男の小生が聴くには堪えないレベルであった…プレシャスの概要も同様である。こちらは全編宇多田の英語の発音が楽しめるが、其れでも、往年の情緒あるニュアンスに富んだ英語には至らぬ幼さは如何ともし難い…オーソドックスなR&Bの習作、試作品といった処だが、まだ二、三曲しか聞いていないので評価は此れから。話は変わるが、宇多田は次の新譜では、人間と其の関係性の圏域から逸脱して、他の生物や事物などを歌うべきだと期待する…

次回は12月18日です。

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宇多田のライブ盤のCDを欲す

さすがにもう宇多田の正規のアルバム、ディープリバーからバッドモードまでの全てを幾度となく聞き続けて飽きて来た…少し時間を置いて聞けばまた新たな発見や情念に出会えたのが、其れさえも厳しくなるほど…と云うよりも、ディープリバーからバッドモードまでの全アルバムを定期的に聴くサイクルをわざと遅くする事さえもきつくなるほど、要するに自分ではもうコントロールできない程中毒症状なのか…さすれば宇多田に求める事は当然、次の新アルバムを早くリリースしてほしいと云う事なのだが…此れは単なるファン心理と云うよりも、中毒患者の禁断症状に近い切迫した要求となっており…しかし一作ごとに驚異の完成度を目指し、其の時々の自分の人間的成果の全てが精緻にレコーディングされた作品において注がれるのだから安易に次回作を性急に求める事は抑制すべき…そうであるならば、ライブ盤があるから此れのCDを渇望しているのだが…ライブ盤はDVDしか発売していない模様でCDはなく…確かにライブである以上、宇多田のステージングや聴衆の熱気などの視覚像も含めて音楽として完成すると宇多田が考えているからDVDしか発売せず音のみ収録したCDは厳に慎むのであれば其の宇多田の考えは誠に正しく反論しようがなく寧ろ尊重すべきなのだろうが…たとえ間違っていようとも小生としては特に宇多田のステージングには其処まで興味がなく、兎に角其の音其の歌声を欲しているし、格別集中力を要する作業や車の運転の際にこそ精神的に突っ込んだ聴取が可能だから映像がないCDで十分と云う渇望が募るばかりで…DVDをCDプレイヤーにかけても音が出ないらしいし…ならばDVDを買って再生して映像は見ずに音だけ聴けばよいのだろうが、どうもライブのDVDにはインタビューやら楽屋の裏話などの余計なものも入っていて、其れだけでなくそうした余計なものを入れているのを口実にしてか価格が矢鱈高額であるのも中毒患者の足元を見られているようでDVD購入には踏み切れない心理もある…もう理屈はよい、宇多田のライブ盤のCD発売を求む、歌っている様子が映ったDVDは要らない、兎に角音だけ出るCDが欲しい、ライブ盤の。さもなくば新しいアルバムを早急にリリースして欲しい…そうでないとどうにかなりそうだ、などと直接宇多田のSNSなどに直訴すると不審者扱いされないだろうか、と煩悶している。 次回は11月27日です。

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小康状態…

身に迫る世界的危機が解決した訳でもなく寧ろ悪化の一途を辿る中、其れでも見かけ上の小康状態に刹那的な安逸をむさぼる休日…爽やかな秋晴れの空気にむせ返るような金木犀の香りに誘われて近所を散歩すると折よく神社で例大祭…ちょうど太鼓と横笛の演奏が始まった処に出くわし、しばし境内で足を止める…とは云え、地元の人が練習した賜物ではなく…どうやら、最早昔ながらの祭りを継続する活力の衰えた各地の祭りに雇われて笛や太鼓を演奏する業者のようで…改めて此の国に全的に散見される衰退の風を一抹に感じつつ…しかしそう云った個人の感慨と関係なく、秋晴れの青空に響く和太鼓の大音量の迫力にしばし魅せられて…気分が小康状態なのは、半年以上に及んだ歯医者通いを一旦切り上げたからで…此れも核心的病巣が解決を見た訳でもなく、玉虫色の、生煮えの、先延ばしの結論ではあったが…歯医者通い中は、毎週重大な決断を迫られ…神経に響くのか、歯茎は痛いのか、痛くないのか、痛いのなら歯茎の掃除の効果は見られるのか、我慢できる程度なのか、出来ないのか、等々、四六時中口腔の事を考えなければならない心労で日々の課題への集中力がげっそり削がれるのだが…取り敢えず三か月ほどは通いを保留する事の妥結と相成ったので、そうした煩瑣な判断決断に迫られる心労が無いから、其れだけでも日々のささやかな解放感はひとしおであった… 次回は11月6日です。

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秋晴れの能天気

しつこい湿度と共に台風一過、爽やかな秋晴れの休日の午前中、しばし自身を取り巻く諸問題を忘れて、トップガンの最新作を見に行く…プロパガンダ云々と云う堅苦しい事を抜きにすれば、昔のトップガンに比べて戦闘機シーンが盛り沢山で大満足のお約束、ハラハラドキドキの末にスカッと胸のすく思いの後にやはりトム・クルーズカッコよし。戦闘機乗りが時代遅れとなりつつある現在の状況を作中にも反映してか、作中の楽曲は古めかしく、トップガンたちが歌い踊るのは今風のダウナーなエモラップではなく往年の能天気なロックンロール、訓練中の戦闘機のドッグファイトを盛り上げるのに選ばれたWhoの曲は安易な懐古趣味に回収されない反復的斬新さが横溢するキースのドラムは戦闘機の爆音に負けず劣らずの大音響であり、大いに盛り上がり、楽しめた…

次回は10月16日です。

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自己検閲を超克した事後報告

前回の投稿内容…鋭敏な読解力の持ち主であれば、前後の脈絡において辻褄の合わない不自然な箇所がある事を見抜いておられると思われ…前回「そんな折に宇多田のone last kissをのめり込むようにして聴くと破滅的な勇気が訪れる危ういヒロイズムに誘うから油断はならず…武器を持たされるような高尚な役回りは与えられない使い捨ての軍属扱いだろうが…などと明るい光の中へ突入するようにして割り切ってしまう、所謂特攻隊員の莞爾とした笑顔が安部公房の「他人の顔」のように自分の顔に張り付く想念にも襲われ、「吹いていった風の後を追いかけた 眩しい午後」」と云う一節の、「軍属扱いだろうが…などと明るい光の中へ」の中の「…」が自己検閲で抹消した部分であり、此れが無いから前後の脈絡が不明であった。其処には何が書かれていたのか…数週間前の事ゆえ、実は執筆当時の心的熱気と共に、内容も忘れかけ、うっすらとしか思い出せないのだが…懸案の「…」の中身を思い起こすと…軍属扱いだろうが、仮に武器を持たされる事があったら、敵国自国の区別を問わず心身ともに体制側の役割を果たす戦場での指揮官的存在即ち職業軍人を真っ先に標的にしていっその事攻撃するしかない…と、窮屈に思い詰めたのであった…あまり銃の仕組みには詳しくないものの、安全装置を外し、撃鉄を起こす?自分の所作が(戦場で、リボルバー式の拳銃など役に立たないので支給されるとは思えぬが)、反芻される宇多田の歌に励まされながら、覚悟の決まった澄んだ明るい眼差しで微かに笑みを浮かべながら狙いを定める小生によって遅滞なく行われて決行せんとする妄想に反復的に取りつかれ…改めて、破滅的勇気を与えるが偏狭な緊張をほぐす笑いが足りない宇多田への没入を反省する、と云った具合であった…事此処に至っては、自分を殺す体制に従順であるよりも自分を殺す体制に歯向かう事に自分の命を使うべきだと…こうした記述を公開するのを思いとどまった理由は…自分の標的にされた人間にも自分と同じように其の人を大事に思う他者がいる事を想像する博愛精神による罪悪感もないとは云わないが、寧ろ、テロ予告ですらない妄想じみた潜在的な敵愾心の吐露なれど、将来的に国家権力に探知されて予防的に逮捕拘禁されるのを恐れた保身に走った気もするが…ただし…今になって思う事は…目先の職業軍人、恐らく上官となる正規の自衛隊員を真っ先に攻撃して自分も攻撃されて死ぬ、などと云うヒロイズムへの没入に対して、腑に落ちない思いの方が強かった事が、結局、自己検閲に至らしめた無意識の要因なのだろう…結論を云えば、面白くない、と云う心境に達し、面白くない事に命をかけるのは面白くないから、件の攻撃に走る事は控えよう…と云う自覚的結論に、時を経て達したのであった。危地死地において爆笑の一泡を吹かせる事こそが数奇風流と云うもの…事物ごとに固有の無の根源から沸き上がる泡の如き笑いは、人の存在を殺めて否定するサド/マゾ路線上の皮肉の収容所から逸脱して、全ての存在を肯定するだろう…其のためにも、仮にそうなった時に戦場で面白い創意工夫を炸裂させられるように泰然自若とした心構えを日頃から涵養したいものだ。ただし、船倉での溺死だけは御免被るから、其の時は脱走もやむなしか…。

次回は9月25日です。

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ろくでもない想念に襲われる日々…

真夏の絶頂には既に其の頽落が含まれて、酷暑であっても薄ら寒さがじっとりと汗ばむ…夏の終わりの寂寥感が心根を蝕み…ろくでもない想念に襲われ…其れが単なる妄念であればよいが今時局で多発する政治、社会諸相から妄念として切って捨てられない、極めて確度の高い未来の現実であるように思われるから、其の想念が日々に執拗に通底して、真に迫った恐怖と、悔いても悔い切れぬ慙愧の念に苛まれて心と心臓の動悸が止まぬ落ち着かぬ日々…取り敢えず恵まれた今と云う一瞬の幸福を楽しめず台無しにしている勿体なさも悔やまれ…国家と資本に根本的に染まらず国家と資本の役に立たないと見なされるだろう小生は近い将来、恐らく二、三年の内に国家と資本からシステム的にあるいは剥き出しの暴力で検挙、摘発されるか、あるいは国家と資本への無反省的材料と化した一般庶民から密告されて、其の時には既に始まっている戦争へと、懲罰的に、あるいは穀潰しの口減らし、比喩表現に収まらない人員削減と云う殺処分対象、殺す手間をかけさせる害虫同様の無価値な命として徴兵され、制空、制海権が中露に奪われた中で輸送船に鮨詰めにされて目的地に着く前に撃沈されて海の藻屑と消える小奇麗な表現とは無関係に溺死過程で苦しみぬいて殺される、戦争を主導する自国と他国の国家と資本に殺される末路がありありと想念される…全体主義が此処まで昂進した責任の一端は自分の力不足にもある事もまた、無力感に満ちた悔恨の動機の一つ…残念ながら良識あるバイデン政権は来年にはレームダック化、次いで悪夢のトランプ政権が再来すると老いて益々過去の固定観念に固執するようになる奴はアメリカのエスタブリッシュメントな高官が幾ら説明しても日米同盟のアメリカの利益を理解しないからあっさり同盟放棄して武器は売るが軍は出さない傍観を決め込む(事実上の、米中露の悪の枢軸)と中露が沖縄、北海道から挟撃して日本分割侵攻を目論む最悪のシナリオまではいかないにしても、中共の台湾侵攻を契機にアメリカの出方(単なる経済制裁でも)によっては日中開戦となれば懸案の尖閣で収まるはずはなく現今の露宇戦争を見れば分かるように際限なく領土的野心に歯止めが掛からず沖縄、九州も中共の攻略対象になるだろうから…こんな想念に意味はなく…問題は自分の身の処し方…思えば自分が単なる利己主義者であれば己自身の苦痛に満ちた死を如何に受容すればよいかと云う個人的問題に尽きるからどうにかなるかもしれないが其れも実際には解消し難いにしても…実際は其れほど単純な利己主義者でもなく…自分が先に死ねば一生癒されようもなく深く嘆き悲しむ人がいるのであればそんな悲しみを其の人にもたらすのは自分としても耐え難いと云う気持ちもあり…個人的な被殺の受容よりも他者の悲しみを回避したい情念の方が深く強い悔恨もあるから…どうにか此の状況を打開したいと、自分の人生のより多い部分的に国家と資本への恭順を示せば国家と資本から目を付けられずに済み、ひいては其の人に悲しみがもたらされる事が回避できるかもと企図して多少の活動をした事があったが、国家と資本から結果として媚びた下心が見透かされたのか改めてお前は国家と資本の敵だと突き放されたような苦い経験で終わったのみで現状の極めて蓋然性の高い成り行きの進み行きは変わらない絶望がドロ沼のようにもがけばもがくほど心理を蝕む…そんな折に宇多田のone last kissをのめり込むようにして聴くと破滅的な勇気が訪れる危ういヒロイズムに誘うから油断はならず…武器を持たされるような高尚な役回りは与えられない使い捨ての軍属扱いだろうが…などと明るい光の中へ突入するようにして割り切ってしまう、所謂特攻隊員の莞爾とした笑顔が安部公房の「他人の顔」のように自分の顔に張り付く想念にも襲われ、「吹いていった風の後を追いかけた 眩しい午後」かぶりを振っても払拭し難く…問題とすべきは個人として実在する人間ではなく体制だが其の体制は人間が形成するから人間を対象とせざるを得ないが如何にして人間を排除せずに体制を転換させるかと云う問題は刹那的なヒロイズムでは解決しない粘り強さが肝要…しかし…最早此のままでは…否…ただし…それから…話は変わって自分が今地道に少しづつ取り組んでいる実在論は絶好調だ…実在論で認識論をきちんと構成する処までようやく来た…其の基本的な理論は論述できた…多分、此れでよいだろうと思える…後は認識論の諸概念を其の理論に基づいて再構築していくだけ…本当は其の実在論に基づいて、全体主義を予防し得るような新しい言語の文法理論を構築するのが目的だが、志半ば、時局の加速に間に合わず、文法理論まではたどり着けないかもしれない…其の事もまた非常に心残りだが…目途がついた実在論だけでも完成させたい…以上のような在り来たりな絶望に苛まれて、過去の楽しかった事、自分を元気にしてくれた諸芸能や諸思想や、未来の此れからのそれらも含めて全てが退色し、底なしの虚しさに浸食されるが…其のささやかな思惟の最中だけは、件の想念から解放されるのが唯一の救いだ…。今と云う現在の刹那毎の恵みに縋るようにして味わう事が、数少ない恵みである…将来的に、将来から見た過去である今、文字通り命がけで執筆している事になる事は必ずしも喜ばしい事ではない…。

次回は9月4日です。

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沁みる歯と共に生きていく

いよいよ此のブログへの気乗りの無さが本格化しており…何事か対処しようとして全てがうまくいく事はないのでうまくいった部分を有難く思い、うまくいかなかった部分は諦めながらも其の失敗の結果を身に背負って生きていくしかなく…忘れたらなくなるぐらいの事は失敗ではなく、失敗とは其の結果による心身の損傷が解消される可能性がない状態で生きていく限り引きずる事を云うのだから…恐らく小さな虫歯の治療に失敗して再発したが故の其の挽回のための銀歯被せ治療の結果、神経の過敏領域まで掘削したので銀歯を被せても食べ物の温度に過敏となり、冷えたキュウリや寿司、スイカを齧ると脳天直撃するのでサラダから刺身から冷奴からソーメン、冷やし中華に至るまで夏定番の冷えた食べ物が室温になるまで待って食べなければならないが、此の苦痛を除去するためには神経を抜くの一択で(しかも二本!)、さすれば其の歯は死んだも同然で後は歯周病菌の餌食になる事は何度も経験済みだから神経を抜く選択をしないならば一生冷たい物が食べられない食生活の制限に甘んじる他なく…しかし最近は冷たい食べ物を習慣的に忌避し続けて来たせいか、脳天をつんざく冷感過敏が緩和されつつあるような期待の感覚もあって、少しづつ、室温より冷えた物に挑戦しつつある現況。小生の歯の治療を、自身の技能の成長の糧にしようとしている許しがたい新米歯医者の気休めのような言、しばらくして歯の根っこが落ち着いたらよくなるかも云々にも縋るように淡い期待を寄せて…

次回は8月14日です。

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干天

外国語と歯磨きをきちんとしていなかった事は小生の一生の不覚であるが…年を経る毎に其の報いが深甚になり…気力を削ぐ…長い間宿痾だった歯を抜く決心をし、決意通り抜いた事は、文字通り物理的に腫物が落ちてすっきりした落魄した感慨と共に、小生を通底的に苦しめて来た漠然とした痛みからの解放であったから後悔はないが…其れとは別件で、歯医者の主治医の一休(容貌が一休宗純に似ているため)との関係を今後とも続けるべきか疑問に思う事件も勃発し、物事は容易に平らかにはならない…一休一人では手が回らなくなったためか、一休が新たに雇った別の歯医者が実際には其の事件の首謀者なのだが…其の歯医者は一休の跡取り娘である可能性もあるが其れはどうでもよいが…其の歯医者が一年前に小生の小さな虫歯を削ってプラスチックで埋める標準治療を施したが、一年しかたってないのに其のプラスチックの中に虫歯が出来ていると腕利きの歯科衛生士が指摘し…結局…一度削った処より深く虫歯が出来ているからもっと深く削る羽目になって神経に触るぎりぎりまで削られ…しかし削った箇所を炭酸カルシウムとプラスチックをこき混ぜた仮の蓋で埋めると取り敢えず問題ないから銀歯が被せられたが…其の結果、冷たい物が結構激しく沁みる、そして歯茎が異様に痛いと云う苦痛に苛まれる事に成り…歯茎の痛みの原因は恐らく仮の蓋が歯肉に接触していた事による炎症だとは思われ、此の急性歯肉炎が沁みる原因でもあろうと推察するものの、直るかどうか分からず…食事と云う生物の根幹が楽しめない苦痛に常に苛まれる苦痛に嫌気が差しながら…もし冷感過敏が治らず歯の神経を抜く(しかも二本!)事になったら其のダメージは大きすぎる…いよいよ一休一家との関係を見直すべきか、見直したところで健康な歯は戻らない…と絶望感を深めながら…

次回は7月24日です。

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