物理的解決のその後

一月は明らかに社会通念上受忍限度を超えた室外機騒音①から、受忍範囲内だが心理的に無限増大される室外機騒音②、そして積年のバカ犬玄関ドカドカ騒音③に悩まされ、修羅の如き苦悩の日々であったが…結論を云うと其の殆どを物理的に解決に導いた。そうした騒音を気にし過ぎる自分の心理を懐柔して外部環境に馴致する道を選ばず、積極的に外部の騒音源に働きかけ、物理的に騒音を低減させる事での抜本的対策が功を奏した結果、ようやく騒音に悩まされない安住を得たのであった…③の初期対応の失敗に対する反省から、①と②は住人との直接交渉が可能な良好な関係を築く事から始めて、我を通すのなら心づけは必須ぞと云う織部助の助言を入れて菓子折りを持参し、詳細は省くが小生特製の防音シートを室外機の足に装着させる事に成功したのであった…①の効果は劇的であったが、②は防音シートの効果は期待したほどではなく、コンクリート床振動が原因ではなく空気振動が原因だったから微弱な通奏低音が聴こえ続けるのだが、其れでも住人と直接交渉する事で、どうも２４時間エアコンをつけっぱなしにしているのは幼きニャンコロの保温のためと云う思わぬ新事実が明らかになったため、ニャンコロに関しては目に入れても痛くない小生、ニャンコロの保温のためならもう幾らでもガンガンエアコンをつけて欲しい、いやしかし騒音は騒音だから今まで通り静かなモードで運転してほしいとアンビバレンツな事すら思ったくらいだから、微弱な通奏低音は気にならなくなった次第。元々、此の騒音主はもしかしたら流行の闇バイトなど募集している反社会的勢力ではないかと云う疑念を抱いて恐れと怒りを自己増幅させていたから、闇バイトを募集するために２４時間エアコンをつけている訳ではない事が分かった事が、連続的重低音への苦痛が氷解した大きな理由であろう…やはり直接対話は重要だと痛感する…此れは一種の心理的解決だが、けれども物理的に交渉した結果でもある…こうして①、②の解決を見た矢先、過去に何度も勃発した③がまたぞろ始まって内心怒り狂ったが、此方は初期対応を誤り、怒りのあまり住人と口論して険悪となり交渉的解決を自ら困難にした経緯があるからどうしたものかと苦しい中思案し続けた結果、物理的に外部から其の騒音を起こさせない方法を思いつき、其れのための特製小道具を製作したので、いざとなれば其れを使えば騒音を起こさせない事が出来る状況になったから、長年に渡って小生を苦しめて来た此の問題もほぼ解決を見たのであった。しかし自分の集中力を直接削ぐ身近な問題が解決すると、国家と資本が近い将来自分の身を窮地に陥れひいては命さえ奪いに来る社会的不安に具体的に襲われはするようになったが…其の内容は最早自明の事なので繰り返さないけれども…此の不安はむしろ、安逸な日々への戒め、限りある時間を有効に使うよう肉薄する緊張感と動機になるから、ポジティブに受け止めている…と云うよりか、そうしないと漠然としたしかし具体的な其の恐怖に心理が席巻されて自分にとって何よりも大事な集中力が維持できないゆえの、苦肉の心理策である。時間がもう、本当にないと痛感している…。しかし焦ってもよいものはできないから、如何に鷹揚とした気分で建設的な集中力を発揮するかにかかっている。

次回は３月１２日です。