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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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続編と云うシコリを抱えて…

ここ数か月に渡って続いていた胸苦しい状況は、何となく浅い呼吸や恒常的な動悸のような、呼吸器や循環器における病的な緊張状態に加えて、遂には胃が何となくシクシク痛むと云った、消化器での不調さえも思い当たらせるほど、精神的に追い詰められていたものの…何とはなしに、首の皮一枚で繋がった事を示唆する微妙なる事態の変化がやって来てくれて…自分から能動的に事態好転に向けて仕掛けた訳ではなく…無為のままに待ちに徹しただけではあったが…そう思うと、春の訪れと云う季節要因も相俟って…少なくとも、心理的な思い込みに過ぎない胃の痛みは都合の良い忘却に解消された現金さに気付き、其の現金さに乗じて、懸案だった春の行楽の計画でも立てようかと云う、少しは余裕ある気分にはなる…しかし、胃の痛みはさほど意識されなくなったものの、所詮は首の皮一枚、薄氷を踏むような毎日である事には変わりない現状への認識は閑却出来ないので、動悸、息切れのような胸苦しい状況は相変わらず続きつつも、少しずつ、其の頻度と程度がマイルドになりつつあるのを感じるが…其れでも、斯様な辛気臭い心理要因が長引けば、其れこそ心臓の不整脈に繋がりはせぬかと、きりが無い不安要因が間歇する…厄年が恨めしく…

そんな状況にあっても、見据えられた課題だけはこなさないといけないので、如何に心理的に不調であっても、実践において計画を怠る事は辛うじて無く…思想的鍛錬は続く…私は拙書「多様性原理」にて、多様性原理と現代物理学との対応を論述したが、似たような著書は既に過去に発表されている事は知っており…例えば40年程前に出版されたフリチョフ・カプラの「タオ自然学」では東洋思想(インド哲学、仏教、道教、易教等)と現代物理学との対応を明らかにしてベストセラーになっていたようであり、そうした概要は知っており知人に紹介さえもしていたが私自身は読んだ事はなく…此の度答え合わせのつもりでネットで取り寄せ、読んでみるに…まあ、だいたい同じような事が書いてあるなと思われるが…根本的な処で大きく食い違う部分もあり…私は主に、特殊相対性理論と量子力学の一般論で自然科学を代表させていたが、カプラは、私が少々面倒くさくて省略した一般相対性理論として有名な重力理論と、素粒子の場の理論で以て自然科学を代表させていたようである…其の意味ではカプラの論述は私の論述の足らざるを補うに相応しいとも云えるが…しかし、肝心の結論が、私とカプラでは似て非なるものと云わざるを得ず…簡単に云うと、自然科学と対応させる原理として、私は不連続体としての世界観を持つ多様性原理を掲示しているのに対し、カプラは解釈の一つに過ぎない連続体としての世界観を持つ東洋思想を掲示している事である…。
 カプラの問題点は二つある。一つは、現代物理学と東洋思想が対応しているからと云って、だから何なのかが明示されていない事である。明示されていないと云う事は、無自覚に現代物理学が真理である事を自明としているから、其れと対応する東洋思想も真理であると論証したいのだろうが…現代物理学が真理である根拠を証明できていないのだから、結局、東洋思想が真理であるかどうかも不明となり…本全体として、ただ単に現代物理学と東洋思想の対応を列挙しただけで、何の意味も無い結果になっている。現代物理学が真理か否かは、私は形而上学的に証明すべきと個人的には思っているが、其れ以外に方法があるのならば其れなりの方法で此の事は本文の中で改めて論証すべきであろうと思う、此れはカプラが物理学を生業としているがための矜持による盲目の落とし穴だったのだろう。
 二つ目は、真理と見ている世界観の違いである。先述したが、私は不連続体であるが、カプラは連続体である。私の立場からしたら、連続体は単なる合理性の暴走に過ぎず、一つの原理が通用しない部分が必ず生じる不連続体こそが世界原理として妥当だと主張する私の立場にとっては、カプラもまた連続体の誘惑に負けた凡庸な合理主義者と断ずる事になる。カプラが、仏教における合理性の暴走の典型である華厳経を取り上げたのも、自身の思想的閉塞による必然とも云えるが、此れは、空論を主とする般若経を以て華厳と対峙しなかったが故の、仏教に対する理解不足故とも考えられる…般若経を基礎として華厳経を読めば、華厳経から不連続体を読解出来ない事も無い…しかし、確かに、華厳経は、連続体に走り過ぎるキライはあるから、素朴な合理主義者にとっては要注意である…
 今更、逃げてもしょうがないから、ハーマンのオブジェクト指向存在論の本を読み始める…拙書でも、うっかり多様体を連続体のように記述した部分があったから、其の辺を修正しつつ…拙書では、敵を討ち漏らした感が強いから(ナショナリズムばかりを敵視し過ぎて、現代においてはナショナリズムの新たな駆動力となっている似非多様体への批判が中途半端に終わってしまった件)、私の新たな見解を盛り込んだ「続 多様性原理」を書きたい欲求が疼いているが…取りも直さず私がしてやられたハーマンの著作を読んだ後に、続編執筆の可否を判断したい…反還元主義としての非唯物論やオブジェクト指向ならば、多様体から、もっとシンプルに自己同一性や人民主権が論証できるだろう…其れをハーマン一派がやっているかどうかを確認する必要があるからだ…30ページほど読んだが、今の処、其の痕跡は見当たらず…

其れにしても、長野打たねーな~。鈴木は今や四番としての風格すら漂い始めたのは頼もしい限りだが…投手陣は去年に引き続きピリっとせず、開幕一週間を切る…

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