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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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人の外に道は無く

沖縄の県民投票…賛成、反対の是非は兎も角、「どちらでもない」と云う選択肢が少なかった事は、政治に対する沖縄県民の真摯な態度が表明され、清々しいものであったと思う。県民投票の実施が決まった後、自民党が姑息な政治工作を弄して、文字通りどっちつかずの「どちらでもない」と云う選択肢を付け加える事で、辺野古反対票を薄めるべく画策した訳だが…ほとんどの県民は斯様な小賢しい政治工作に惑わされる事なく、賛成か反対かの二択から逃げなかった。賛成か反対か、やるかやらないか、常に次の行動の契機となる判断が求められる政治的現場において、「どちらでもない」などと云う無駄な選択肢ほど、政治的主権を放棄した愚昧は存在しない。世論調査で、「どちらでもない」と云う選択肢が必ずあるが、斯様な選択肢を加える設問者も、其の選択肢に入れる者も、政治的主権を放棄し自らが奴隷である事を表明したに等しいのだから、統計の勘定に入れること自体がナンセンスである。自らの意志の表明を自らの意志で放棄した奴隷の考えは民主主義の埒外だからだ。どちらでもなく第三の案を持っているとしたら、取り敢えず主題の案には反対を表明すればいいだけの事である。しかし投票した沖縄県民の殆どはきちんと問題と向き合い、賛成か反対か、自らの意志をきっちり表明したのだから、近年の日本の民主主義状況から云って、其れだけでも快挙であると云える。此れは当然ながら、基地問題が、「どちらでもない」などと云った悠長な日和見が許されないほど、切実に喫緊の問題である事が大きく影響したためとも思う。

やっぱり線型代数をきちんとやらないとどうにもならないな、学部生の頃やらされた教科書をずっと見返しているが、もそっと詳しく論述した教科書が欲しい…と思うようになって、数学雑誌で宣伝していた、よさげな線型代数の教科書をネットで注文するついでにまた魔が差してしまい…狼狽してもしょうがないから、己が道を行こう、と云う事で心理的には落ち着いた思想問題だったが…やっぱり、入手するだけしとこうか、と思って、ハーマンのお目当ての著作を注文しようとするが、なぜか売って無くて…「四方対象」ばかり売ってるが、此れじゃないのが欲しいのに…と肩透かしを食らうのも束の間、くっそーやっぱもうあるのか~「オブジェクト指向哲学を使って書かれた小説」とやらが2016年には出ているらしきが検索でヒットし…内容には全く興味はないが、一体どのような書き方をしたのか気になったため、金$(キンドル)をダウンロードしたものの買うのはやっぱり躊躇したのは…紹介文から推察するに、何やら小奇麗な思弁をひねくり回してるようだし、たいした内容ではないのだろうと読んでも無いのに漠然と決め付けて落ち着いたからで…

すると、やおら華厳経の事が気になって、オブジェクト指向哲学などと西洋人が21世紀になってよっやく自らが人類史上初めて発見したかの如く騒いでいるが、同じ事を千年以上前にインド人や中国人が考えていたんだという事を思い出したが、過日其の事を特筆した時は漠然とした記憶だったので少し確認しとこうと思い、ウチにある華厳経の本を探す…自分の人生の布石として買っておいたが途中まで読んで投げていたのが見つかる…読むと…ほらやっぱあるじゃんか此れだよ此れと私が思うのは、華厳経が説く処の「理事無碍法界 事事無碍法界」であり、此れはまさしく「オブジェクト指向」と同義である…華厳経は、悟達した如来の立場から世界を見ているから迷える衆生の立場したらリアリティに乏しく政治的無力を露呈するのは否めず(華厳に不満がある人が法華に走るのだが、根源は同じ仏教の諸相である…)、即ち華厳の政治的無力はポストモダンの政治的無力と同義なのだが、かといってポストモダンを換骨奪胎するポストヒューマンが政治的無力から脱し得ているかと云うとそんな事はないばかりか政治的無力を助長している節はあるものの、ようやく最近になって、ちらほら、ポストモダンの政治的無力を批判する動きが出て来ており…しかしポストヒューマンの、より劣悪な政治的無力については俎上に上がっていないように見受けられる…そんな事よりも、此処に来て弘法大師空海と愈々以て向き合わないといけないと自覚するに至り…なぜなら空海は、儒教や道教や法華や華厳や天台を包含しつつ超克する思想として真言を掲げているのだから、俗悪なる華厳化とも考えられる現代の全体主義的世界状況に対する処方箋を、真言と云う形で空海が既に示しているかもしれないからだ。勝ち馬に乗るが如くオブジェクト指向を参考書にして調子こく志の低い輩がひけらかした文章を圧倒的に凌駕するものを私は書かなければならず其の準備に忙しいから、あまり思想に関わっている時間は私にはないのだが…

人の外に道は無く、道の外に人は無い。 伊藤仁斎

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