忍者ブログ
 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
[390][389][388][387][386][385][384][383][382][381][380]

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

問わず語りに…

昨日は胃の下部がのったりと満腹感と空腹感の痛みをこき交ぜたモタレに苛まれる。事前に休載とはいいつつ案じていたよりも早くに帰郷できたがゆえに筆のすさびにまかせて問わず語りに徒然なるままによしなしごと。過日、午前3時半頃…小生の携帯電話が鳴っているのを細君に知らされ起こされるままに…夜更けの架電、すわ訃報かと即座に思い当たる節のある二人ほど念頭しながら電話に出ると意外な御方の急逝を知らせるものでありしばし呆然。父方の叔父の訃報であった…死因まで問う余裕なく電話を切りまんじりともせぬ夜を過ごして明け、旅支度となる…自ずと肉親間の密事が絡む故委細書き立てる訳にはまいらぬため順不同で障らぬ限りで点々と綴られるのは単純に小生の手癖の悪さに尽きる…思い起こせば…何かと含むところのある吾が血族親族…過去の因縁浅からず陰に顕にいさかいとわだかまりが解消されぬばかりか積年の煮凝りのように変質しながらより頑なに関係性を決定づけているものだから表向きこうした折には大人の対応がこなされども…この者はその者を嫌悪しあの者はかの者を嫌悪する嫌悪関係が毛細血管のように組み合わされる過去から地続きの怨恨冷めやらぬ恨み骨髄慇懃無礼の静かな地嵐の態…どこの家族も一皮むけばその内実たるや似たり寄ったりとも思うが…そんな中にあって唯一、誰からも好かれる陽性の、人当たりのよい好人物であった叔父の急逝は自ずと吾が眷属の均衡が崩れる確実なる変化を齎すは必定であった…皆それぞれに寄る年波に襲われて劇的なる波瀾はなかろうが静かなる袋小路にそれぞれが辿り付く大きな一押し、もともと不安含みの生活が一層窮屈に追い込まれる、決して明るくはないケ・セラ・セラ、なるようにしかならぬこの人生への逸早い諦念くらいがぎりぎりの希望であった。話は飛んで火葬を終えて葬儀屋へ戻る車中、息子に先立たれた祖母の繰り言は詮無いばかりで応答する者もいず、元より何かと個別的人間状況の繊細な処に無神経な言葉をずけずけ投げ込んでくる癖が年を経る毎に直接的になるばかりか物忘れと認知症を往還するうちに数少ない近親からいなされるのがますます繰り言を長引かせる…方言キツメだから言葉を直して要約するに「家に居てもいい事も悪い事も無い、うれしい事も腹立たしい事も何にも無い、外に出るのも億劫だし、二人でいたころは楽しい事も腹立たしい事もあったけれども、独りだとうれしい事も腹立たしい事も何にもない、近所はいつも静か、近所の子供らの声も数年前に途絶えたし、老人すらも減って訪ねてくる人もこちらが訪ねていく相手もいない、みんな死んでしまって…代われるものだったらかわってあげたかったよ、でもこればっかりはね」といった事…祖母は数年前に祖父を亡くして以来独り暮らし、同じ県内に住む叔父がちょくちょく訪ねて様子を見守っていただけに、その叔父、即ち息子にも先立たれ、この状態ではこの先ますます孤独を託つこと是必定、その叔父の兄は遠隔に住むゆえに叔父ほど頻繁なる訪問は現状では難儀…残された者たちがそれぞれの立場で何かしらの決断を迫られるだろう…叔父のこれまでの役割の大きさがこの事だけでも際立つがそれに加えて、叔父の妻、即ち小生の義理の叔母は…数十年前から更年期障害をこじらせて鬱病になり心身不安定でふさぎ込みがち、目下入院中だが葬儀にだけは出席という危うい状況、その微妙なる心の病は踏ん切りつかず細く長く長引いて今に至り…叔母は叔父に物心ともに頼りきり、就職したこともなく子もなく、口さがない祖母から何かといびられ離婚騒動に発展するほどかき回された時期もあったと伝え聞く…叔父はそんな叔母の全てを受け止めて愛していた事もあって叔母の落胆と憔悴は他人の推察にあまるもの、とりわけ更年期障害をこじらせて云々という事に親族間では通説しているが本当はそれは最後の一押しに過ぎず事の発端はもっと根深い日常に地続きの暗雲にあると思われるがその暗雲は何かを結局他人でしかない者が憶測で社会通念を振りかざして好き勝手囃し立てるのはあまりに人道に劣るゆえ小生でさえ慎まれる。焼香後に泣き崩れる叔母、読経前に泣き崩れる祖母、読経が佳境になり真似しやすい単調な調子になると真宗特有の言い回しで南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏と坊主の念誦に唱和し参列者の涙をさそう祖母などがフラッシュバックされるが…叔母は葬儀が終わり次第また入院するらしいが…叔母の独り言…これからまたマンションに戻った時にいよいよ独りになるかと思うとぞっとする…、私名義の銀行口座に26円しか入ってないんですがこれからどうしよう…。差し迫る金の話、叔父の兄は叔母のその手の問題をすべて叔母の弟夫婦にまかせようとして相撲で言えば土俵の外に寄り切る感じに、これを機に縁遠くなるだろう事を現実化させる。傍目にもしっかり者の弟とは性格が合わぬしここ十数年は疎遠であったのにそんな弟夫婦の世話になるしかない状況への不安を口にする叔母。本葬の朝、遺骨を自分の家に持って帰る、〇〇さん(叔母の事)はすぐ入院するのだし、お寺さんにお経読んでもらわないと△△(叔父の事)がさみしがる、と、祖母が言い張り、遺骨を、叔父叔母夫妻が住んでいたマンションに持っていくことを拒むのへ、叔父の兄がそういう問題じゃない、遺骨は叔母のマンションに持っていくのが筋、と言い聞かせる一悶着もあり…集骨の際、祖母が遺骨の一カケラでもほしがるのを冷淡にいさめて許さぬ顛末もあり、それでも場は何か決定的な無関心におさまるのだった。叔父の兄からすれば祖母が息子の遺骨を毎日拝んでいたらこの先認知症の進行が早まるのではという危惧ゆえであった…いろんなことがある。鬱病が囁かれるようになった叔母と、祖父の葬儀の時に初めて再開した時、叔母の表情が、小生が会社の中で何人も遭遇した事のある鬱病の人の表情の特徴を備えたものになっており、納得しつつ空しい衝撃を受けたものだが…眼の奥行が失われてどこか表情筋がだらんと弛緩し、肉体はともあれ心がしわくちゃの紙みたいに乾いた印象である。かつては幼心に若くてきれいなお姉さん的存在だったのがこうもなろうとは。しかし小生がこたび戦慄したのは…火葬が終わって葬儀屋の、親族控え室に供された畳敷きの広間に戻った時…小生の一族と叔母の実家の一族らが合計十人程度立って居るところへ、やおら叔母があたり構わずスルスルと喪服を脱ぎだして上半身裸、痩せて背骨と肋骨のゴツゴツしたバター色の剥き出しの背中が鮮烈に小生の記憶に残ったのであった。もともと羞恥心の無い御人だったのかそれとも心の病のせいなのか余程喪服が嫌だったから一刻も早く脱ぎたかったのか解釈はどうでもよいが少なくとも椿事ではあった。普段着に着替え終わった叔母は日本企業の技術研修にこき使われるアジア人のように垢抜けない服装であった。小生も含めて皆、何事も無かったかのように黙って目を背けざるをえない。定年を間近に控えて、これからゆっくりと、心に不調をきたした妻と向き合える日々が送れると願っていた矢先の急死…叔父の無念いかばかりぞ。ビール一口で顔を真っ赤にしながらそんな事を云っていた叔父の笑顔を思い出しては悲しみが…小生如きに言葉が見つかろうはずもない。死因は膵臓がん、メガ病院に入院して2週間で亡くなったとか、2か月で亡くなったなど情報が錯綜しているがいずれにせよあまりに急な事態である。葬儀には、込み入った金の話に対応できる仕切り役の親族はいないか人を見定めながらうろちょろする保険屋も参列客に紛れて暗躍しつつ成り行きで御焼香している。浄土真宗本願寺派の坊主の読経はどこかぞんざいでビジネスライクであった。法話も無し。最後の方はいわゆる巻きで読んでいるのが丸わかり、かなりの早口でコメカミに血管浮き上がらせつつ力任せに誦するばかりでどうも肉肉しくスキンヘッドが照かるばかり、…後で聞くと、本葬の読経に初七日の読経もセットにしてやってもらっているとのことだった…そうした不信心な遺族の要求に内心憤っていたのかしらん。読経前に控室にあいさつに行くとタバコをふかしていたガラ悪系住職。遺族は遺族で喪主の叔母が心身不安定で初七日も四十九日法要も無理と踏んでのお願いだったのである。組織人として会社人生を全うした叔父の葬儀には会社の会長社長親子も出席、読経前に鹿児島銀行とどこそことの合併云々といったビジネスの話に余念がないのを小生聞き耳立てる。思うに…実際に実行できるかどうかはいざ知らず今は意気盛んに宣言するくらいの愛嬌は許されようが、己の問題として引き付けるならば…己のなすべき事があるうちは精一杯生きてやるが、己自身が決断した、己のなすべき事がなくなった暁にはさっさと自決したい、無駄にずるずる長生きしたくないものだ、と痛感する。己のなすべきことを、職制や家族制などの社会関係などに依存して独断できない者が結局、むやみやたらに命に執着して長生きしたがり未来永劫の一族繁栄を願ったり狭量なる独善の結果他人の生き方を自分の思い込み通りに御する事を企んで失敗してはヤキモキする惨めと自堕落に陥ると推察する。無論、己のなすべき事を独断できる者とできない者とでどちらに価値があるとかいうつもりはないしそもそも独断とはそうした関係性を断ち切る事なのだから云々することは無駄であろう。それと、己のなすべき事をしっかり見据える小生にしてみれば最終的に天涯孤独、話し相手が皆無になってついには声を失おうともどこか平気でもくもくと己のなすべき事を誰に頼まれるでもなく進めるだろう、という妙な確信が、自分にとって恐ろしくないというのが不思議に恐ろしいという事もあって…自分と云う人間の、創作に徹しうる人間の、非人情の心が小生の中に無能にも恬淡と、情緒的な迷妄を突き放して存在している…(漱石の「草枕」でいうところの「非人情」なのだろう)いささか筆が滑り過ぎた。もとより他言無用の身内の恥、広く見渡せばありきたりな俗事の顛末に過ぎぬが、無用意な他言は慎まれる事を、親愛なる読者諸賢におかれては信頼するがゆえの筆のすさびにて候。とはいうものの…達観などしていない、問題は他人事でもなく深刻、どうにかせねばと焦れば焦るほど泥沼の…なすべき事を為し終えるまではやっぱり天涯孤独はきつい、などと途端に錯乱する。

いやあ、今週の黒田官兵衛も面白かった。関ヶ原に向けて回を追うごとに面白くなる。家康と如水の腹の探り合いがスリリングであった。正則、清正、忠興、長政などの武断派による三成襲撃事件ほど燃えるものはない。今週末は「へうげもの」の新刊発売、リーガルハイのスペシャルドラマと、楽しみな事が続く。マッサンはほとんど見ていない…朝からピン子がきつすぎるし、主演女優の面立ちが若かりし頃のベニシアにしか見えないし、中島みゆきの歌も経団連のコマーシャルソングにしか聞こえないからムカつくばかり、ウヰスキーには罪はないのだけれども…。

拍手[2回]

PR

この記事へのコメント

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧できます
 

忍者ツールズプロフィールは終了しました

HN:
々々
性別:
非公開

08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

ロック史最新記事

(03/03)

ブログ内検索

最新トラックバック

忍者アナライズ

Copyright ©  -- 仄々斎不吉 --  All Rights Reserved

Design by 好評ゼロ / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]