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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「discharge/hear nothing see nothing say nothing(1982)cmrcd709」

 


梅が枝に蜜柑打ち刺す老いの訣

菊の花をばっさり断首する事も辞さぬ近所の孤老の動静から目が離せず折に触れて翁の庭の前を散歩する事もあるのだが此度は上の発句の通り、またしても潔い椿事を垣間見る事となった。久しいばかりの積雪も朝ばかりで午には雪解け水のはしゃぐ音、街中ながら坂の中腹の住まいゆえもあって雪に澄んだ空気を弾く溶水が駆け下りる清冽がきらきらしている…もう、今年一番の「明るいニュース」と言っても過言ではないだろう、佐村河内氏と新垣氏の関係の茶番…損害を蒙る関係当事者はいざ知らず、野次馬ならば手放しで欣然と楽しめる話題であったといえよう…佐村河内氏の作業指示書を図形楽譜の一種と見るならばいわゆるオタマジャクシ五線譜が書けないからといって彼が作曲をしていないとは言えないのは、現代音楽の変遷を少しでも知るならば納得のいく事だろう。どうでもよい話だが共同作曲者として佐村河内氏と新垣氏の両名をクレジットすればよかっただけの話だ。だから、広島市が佐村河内氏から市民賞を剥奪した事は、結局、楽曲の内容ではなく偽造された売れ筋のプレゼンにあやかった、ハエがたかっているから旨かろうと思って遅ればせながらおこぼれに預かる、己の嗅覚を放棄したシデ虫だと己を表明したに等しい。佐村河内氏と新垣氏両名に受賞させればよかっただけである。何はともあれ飛びつきやすい浅慮からすると「ペテン師」という呼称が似合ってしまう事件だったから痛快だった。遅かれ早かれ自分の精神生活にはミラーボールが必要なのは最早既成事実なのであるから非難がましい家人の目を堂堂と等閑に付しつつヴィレバンで直径300mmのミラーボールを購入し、書斎に無事連れて帰った。部屋の中央に吊るしたいが敷設に失敗した時のダメージを考慮し、小生の定位置に正対するカーテンレールにミラーボールを吊るす事に…球体の球面が、それを微分する正方形の鏡でびっしり積分されたそれはそこにあるだけで周囲の景色をメッシュに分解してから元には戻さぬ乱反射を呈して…ミラーボールは精神の化け物である…コミュ障の異物でしかない使徒襲来…後は、スパゲッティ・ナポリタンの食品サンプルが収集できたらば、如何なる魔物が召喚されるのであろう…結局小生は何一つとして言葉を読めていないのではないかという疑念に今更ながら苛まれ、何でもいいが基本文献をきちんと己の血肉にせねば、持続的な、ちょっとやそっとでは成果というのが決して形には現れないような地味な鍛錬の必要性を痛切に思う処、何が基本文献なのかはもう闇雲だがとりあえず広辞苑と聖書と万葉集と神曲を一字一句漏らさず精読する苦行を己に課す…旧約の士師記に出てきたサムソンという荒くれ者の手の付けようの無さは記紀のスサノウを類推させて余りある…ロバの顎の骨をぶん回してぺリシテ人をざっと千人ほど打ち殺したり、その暴虐エピソードの事欠かなさは日の本の荒みの祖神スサノウを想像させる…関係あるんじゃないかと、「類推の魔」(ステファヌ・マラルメ)に突き動かされて半刻ほど拙いアナロギアに没頭する…音韻が似ていると言う事もあって、アルファベットを任意に入れ替えて改字したらこんな感じはどうだろう(改字とは、万葉集を訓読する上での任意的操作のことだが訓読の、ひいては日本語の真髄に触れる「万葉集を読む」事の意味についてはあまりに重要長大ゆえに割愛)…スサノウ→susano→sauson→samson→サムソン。minakerebaiinndakeredomoyaharisakuhinntoshitenodekinikokorohikarete,
korewomitaraminitumasareruhodonodomesutikkunanaijounishouousiteto
rikaesinotukanaidamejiwokoumurutohawakatteinagarakowaimonomitasa
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nikaezaruwoenujoukyounikitukuoikomareta.舟底一枚下の地獄、薄氷を踏む生活、いつ起動するか分かったもんじゃない時限爆弾を抱えての暮らし…えげつない、どぎつい、えぐい、うるさい、不必要に性急な、ドスの効いたキツメの音楽を聴くとある種のケミカルが体に及ぼす緩和の悦楽とでも言うのか、緊張が解れて海洋へとつながるまでのハワイの黄昏水平線までのったりゆったりしたリラックスで「アアァ……………ァ…」「ッフゥゥ……………ゥ…」と、自分が海を創生した神にでもなったかのように大きく一時に吐き出されるのが海だったりするまでのそうした、グッと覚醒した落ち着きというのを、要するにハードコアを車内に大音量で充填すると、そういう事になるのだが…もう、感覚が摩滅しきっているのか…比較的メタル様の音階を駆け上がる構築美を小鳥のようにひらめかすこともあるが回転刃物に異物が挟まった嫌な音を歯軋りするのをマイクに拾う偏執も見せつけ、中心の骨をも肉化してしまった程肉っぽいドラムのどかどか物物しく鳴り止まない暴力が明瞭な、頼りになる音像を台無しに掻き消す運動が不断の処へ、この現場にあっては殆ど見過ごされて然るべき切り傷如きの些細なリズムを辛うじて刻むベースが自ずと聞き捨てならぬ小さい存在感をほぼ壊れたノリへと救い上げる手管はハードコア一般である。首周りの肉が頭の直径よりも当然大きかろう発達した首の筋肉の持ち主らしきからがなられる、むくつけきドス声はメタルのデス声とはまた風趣が異なり、教会内での血飛沫惨劇声ではなく市井の暴力を発してあまりある。まあ、普通のハードコアである。特にハードコアという概念に執心するつもりもないが兎に角こういうの聴かないとやってられない極私的事情である。堪え切れずにジャンクフードを貪ったら口内炎、早速ビタミン剤を服用するとまたいつものように幾分緑がかった蛍光イエローの鮮尿が迸る。ミナケレバイインダケレドモヤハリサクヒントシテノデキニココロヒカレテ、コレヲミタラミニツマサレルホドノドメスティックナナイジョウニショウオウシテトリカエシノツカナイダメージヲコウムルトハワカッテイナガラコワイモノミタサノショウジキガモノホシゲニサキバシリヤッパリミテシマッタアノスペシャル、シカシヨソウイジョウニダメージガオオキクイチジカンホドデゲレツナオリンピックエイソウニキリカエザルヲエヌジョウキョウニキツクオイコマレタ。夜中の午前0時を過ぎると近所の女が大声でJポップ的な歌を外に向かって叫ぶのが耳障りである。

 

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