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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「車輪付き旅行箱のガラガラ音」







鈍器で殴られたような眠気に吐き気すら覚えつつ眠るのも体力が要る老いを痛感しつつ眉間に皺を寄せて昼寝に成功した直後に付けたテレビではガンダムの新シリーズ鉄血のオルフェンス、朝っぱらから無理矢理プリキュラとか強制視聴させられて昨今の、テレ東以外の地上波で垂れ流されるアニメの劣悪ぶりに辟易、こんなの作ってて製作陣は楽しいのかと疑念を抱かざるを得ないのだがさすがにガンダムの新シリーズは気骨に溢れ、製作陣の熱意が伝わる、鑑賞に堪える出来栄えであった。昨日は、いささか不便な処にあるが潰す訳にはいかないから月に一回は訪ねようと思っている良心的な、書肆というものをよく分かっている品揃えの古本屋景雲堂まで歩いて行った疲労や思いの外金継ぎにてこずる羽目になった苦悩、昨日の対ヤクルト戦、4-1でほぼ勝ち試合だったのを8回大瀬良が炎上してその後の中継ぎも傷を広げるばかりでまったく駄目でまさかの逆転負けという、これまでも一抹の不安要素の残る投球内容だったが此の重大局面で明白なる戦犯を演じるという現実への頭痛…技術は兎も角メンタルが弱すぎる大瀬良もさることながらその後の中継ぎ陣のメンタル&技術の両方の弱さは本当に使えない感じがありありとしていて中継ぎ陣への絶対的不信感と云うシーズン当初から引き摺る此のチームの宿あが此処に来て…先発への負担が大きすぎる。あ、今日の対阪神戦では6-0で快勝、9回途中まで先発黒田を引き伸ばす、大瀬良は使わないと云う当然の監督采配…今回も、男気あわや完投の黒田で9回2アウト1,3塁のピンチから交代してきっちり抑えた肝の据わった勝負強い中崎への尊崇の念が否応なしに高まる。

虎視眈々と狙うは金継ぎならぬ銅継ぎであり…岩国の骨董市でお助けした源内焼…二枚の皿がシャム双生児みたいに繋がっていると云う有り得ない珍品だが…緑釉の縁が所所欠けた箇所を緑のマジックみたいなので誤魔化してあったからそこの処を漆で補修して銅粉を蒔く、という目論見…銅粉は入金済み、後は先方からの入金確認と発送待ちなのがもどかしい…銅を蒔いた暁には時が経つにつれて味わい深く緑青を吹き、緑釉と馴染む事だろう…何にしても矢張り金は高価だ(金粉は0.1gで1000円ほど、銅粉は25gで240円)…痛恨のしくじりはファイヤーキングの耐熱ガラスカップ…体の内部から真珠のように自光するが如くのルノワールの裸婦の肌色を呈しており…しかしお助け前からなのか、それとも小生が輸送中にやってしまったものなのか取っ手に罅が入っており…それを補強すべく接着剤を罅に回し掛け、欲が出てもっと掛けてやろうとしたら案の定垂れて見苦しくなり、漆の余分な部分を除去するのに実績のあった、つまり器の釉薬を傷つけなかった水ペーパーで垂れた接着剤を取ろうとしたらルノワールの肌が傷だらけで色気ある艶を失うという失態へ転落…これを挽回するためにもまた漆と金で補修しないといけない…来週は忙しくなるために今日は先日施した金継ぎの仕上げ…色々と思い当たる技術的しくじりのせいで結果として艶の無い、もしゃもしゃした仕上がりになってしまったが鯛の牙で磨くとよいと文献にあったから、小生はその昔入手した、岩手に打ち揚げられたという抹香鯨の牙で慎重に擦ってみると金継ぎの金がいかばかりかの艶を獲得するという発見は自分にとって快挙であった。金と云う物質はそれ自体だけ想像すると派手で、ともすれば下品な印象を持ちがちだが其の物質と対峙してみるとさまざまな取り合わせによってはどっさり豪奢に侘びた印象を放射する…

津山への一泊旅行とは云えど覚醒中に過ごした時間は圧倒的に移動に費やした時間が多く…と云うのはそもそも計画を立て始めた発心は津山が目的ではなく中国地方山間部の在来線完乗の一環、であった。行きは在来線で山陽本線で岡山経由で津山線にて津山駅まで…その日は津山を観光して一泊、帰りで本望を果たすべく…津山から新見、新見から備後落合、備後落合から三次、三次から最寄駅まで在来線、という、ほぼ半日ほど電車に乗り継ぐという苛酷な旅程…旅の途中で気付いた事だが小生は尾てい骨に罅が入っているから長時間椅子に座れないという持病があり…此れは小学生の頃、河原と云う名前の、母親が生け花の師範代を自宅で営業している同級生によって何の配慮も無くカンチョーされ、尋常でない疼痛のためレントゲン撮ったら先述の結果で二か月体育を休むことになり、今でも長時間椅子に座ると痛むという形で引き摺っており…恐らく当時流行っていたコロコロ系の御下劣少年漫画の影響なのだろう、医学的施術である「浣腸」ではない、遊び半分で両人差し指を合わせた印を結んで油断した他人の肛門目掛けて力任せに突っ込む、いわゆる「カンチョー」であって、此の馬鹿げた、しかし其の結果は笑えない、下らん子供のおふざけによる被害を未だに引き摺って生きていかなければならない憎悪と惨めを思い起こしつつ…充実した疲労ではあったのである。

特に、新見~備後落合~三次間の、谷底はるか下に清流が小さく見える崖っぷちのヘリを、最徐行で恐る恐る走る、というよりか歩くスピードの電車一両…其のスリルは乗らないと味わえない貴重な価値があるが保線への不安というのは実際恐ろしいものである…すべてを確認した訳ではないが護岸工事がなされている訳ではない、草木が茂るだけの崖の中腹を僅かばかりに平らに削っただけの線路用地なので、幅数メートル足らずの其れが崩れたら車両ごと谷底に真っ逆さまなのが恐かった。ダイヤは極薄、電車を一本乗り逃すともう終わり、その日中に家には辿り付けないという、失敗が許されないミッションのスリルも合わせて…かつての鉄道交通の要衝を彷彿とさせて広大なる引き込み線の数々が今は昔の備後落合駅は、撮り鉄と乗り鉄の一大ターミナル駅として奇妙ながらも、昔日とは異なった賑わいを見せていた。最終的にはミッションは成功、尻を痛め腰砕けになりながらも無事へとへとに充実して家に着いた。途中下車した新見駅で昼食を取ったが…駅前の、ほどよくこってりと如何わしい内装と雑貨で脂ぎった定食屋で御当地焼き豚丼を頂く…旨い。津山もそうだったが、この辺の山間部は肉ばかりである。

最寄駅から家までのキツ過ぎる歩き…後ろからゴロゴロと耳障りなのは、どうせ国内旅行の2、3泊のくせに、名称を忘れたが、車輪がついた旅行用の箱をガラガラガラガラと、小生らと帰路が重なったらしい二人の他人男女がいつまでも引き摺っており…舗装の悪さ、古さも手伝ってやかましく…数週間の海外旅行であの箱を使うのは受け入れるがどうしてたかが数日の国内旅行であのガラガラ箱を使うのか、周囲は迷惑先般であり…と、ここで、近くのマイルドヤンキーが窓を開けて涼みながら下卑た事を無神経な大声で喚き散らすからイラツキが針のように劈く…此のマイルドヤンキーは毎晩、夜間になると辺り構わず此の人種特有の酒と煙草で痰が絡んで粘ついてしゃがれた濁った甲高い声で大声で喚きまくったりテレビの野球中継に反応して手を叩きながら喚き散らす猿なみの知性で傍若無人の狼藉の限りを尽くして目に余るにも程がある…奴が風邪をひいたのも分かるくらい痰の絡んだ大仰な咳が聞こえるのも本当胸糞悪い…此のマイルドヤンキーの馬鹿声に触発されて近所の馬鹿犬も無駄吠え連発。最近はテレビの音量をどんどん下げているほど、音への感度がびんびんに過剰になっており、マイクがハウリングする要領なのか頭の中でキー―――ンと、いわゆる耳鳴りも頻発するようになって…だからあの旅行箱のガラガラ音や近隣の騒音にはもう本当に我慢ならない憤りでむしゃくしゃする。マイルドヤンキー論を展開すれば今夜は眠れないほど大著になるので割愛するが…マイルドヤンキーと云う用語が作られる以前に小生が開陳したジモヤン(地元ヤンキー)実録「俺の見たジモヤン」を参照していただきたい…かなり昔に書いたので若書きの感は否めない。

写真下手で実物の凄さを写せなかったが…淡青の漣が静かに打ち寄せる斑唐津の猪口…見込みの底が罅割れて汚物が堆積して使用に堪えなかったから、底を砥の粉漆で埋めて、水ペーパーで均して朱合漆を塗って金粉を敷き詰めてみた…酒を満たせば、水底に満月が揺らめく風情…

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