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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「SEALDsにおけるcall and response」




幾つもの、きっちり書かないといけない課題を列挙した計画を立てながら自然にぽしゃって来た痛恨すらも呆けた忘却に晒されて無神経な日暮らし、硯に向かいて…晴天続きで何も考えられない…家人からせがまれて、JR貨物のイベントに行く…貨物の車両基地があって、其処が年に一回解放され、古今の動力車や貨車の名機が整備士の目線で間近に観察できる撮り鉄メインながら国鉄モノの物販やソース臭たっぷりの屋台などにも抜け目ない、今や恒例となった鉄道イベント…何ほどのものやあらんとたかをくくっていたら周辺は、毎年数百人規模で圧死するメッカばりに老若男女問わず凄まじい巡礼の道、会場も芋の子洗いで身動きとれぬ人イキレで…早速、電力やディーゼルの動力車周辺は幾重にも三脚が取り巻いてさながら星の誕生のようにフラッシュが絶えない…撮り鉄密度が濃すぎる…貨物の動力車にもそれぞれ、レッドサンダーだとか名前が付けられているのを初めて知る。整備工場内もある程度解放され、そこかしこでエンジンや連結部の現物を指さしながら玄人たちがぼそぼそ熱心に議論している小さな人だかりが其処此処に散見される…此の国の、鉄道に掛ける常軌を逸した偏愛ぶり…三江線廃止の一報が米子支社から発せられ…決まった事ではない、と丁重に言葉を選ばざるを得ないのは偏に此の国の鉄道に関わる過敏な神経を刺激せぬよう気兼ねする周到さが垣間見える…小生は広大なる物販コーナーで、鉄道管理局が監修した、動力係員が携帯を義務付けられているらしい動力車乗務員手帳(乙種)を購入…制動距離算出のための数式やグラフが興味深い…変数が専ら経験則から導入されているのが、どうと云う訳でもなく気になる。イベント前に既に疲れていた理由…喉の入り口左側のみに小豆大のデキモノらしきが出来て、嚥下毎に違和感が否めず、風邪だと喉全体が痛いが左側だけの違和感なので風邪とは違う、何なのかと訝しく考え家庭の医学を見るとHIVや梅毒でも小豆大の結節が喉に出来るとあって仰天…耳鼻咽喉科に行こうとすると飛び込んだ耳鼻咽喉科が立て続けに二件閉店、仕方が無いのでHPがしっかりしている、待ち患者18人とかタイムリーに表示してくる、従って患者も多いデラックスな耳鼻咽喉科に駆け込む…泣き叫ぶ子供の絶叫に堪えながら2時間待ち…診察結果は…体の疲労によって抵抗力が落ちたがゆえの、扁桃腺の細菌性浮腫、といった所見で、クソ忙しそうな医者に一蹴され…赤茶色の、甘苦い薬を患部に付けられ、抗生物質や抗菌剤、嗽薬を処方されて終わる…その日中にあっさり全快する。ベタではあると思えどやはり横から見ると凸型のディーゼル機関車が好みである。

何とか今年中には以下の項目で此の国の政治情勢分析と、ささやかながらの政治的提唱を仕上げたいものだが…

①純正全体主義の一形態としての新社会主義
②抑圧移譲の原理の変容としての虐待の国
③純正全体主義の一形態としての家族主義の蔓延と、其の反作用としての虐待の国
④純正全体主義の一形態としての日本礼賛風潮の蔓延
⑤純正全体主義の起源としての国家=資本主義あるいは資本封建制の成立
⑥国家=資本主義による労働条件から見た虐待の国
⑦虐待の隠蔽/欺瞞的宥和/強化としての家族主義
⑧虐待の国における抑圧反動の無効事態~新社会主義における新奴隷制の成立
⑨国家内三権分立(立法、行政、司法)を参考にした社会内三権分立(市場、国家、人権)の提唱

これらは全て相互に緊密に影響し合っている…。

安保反対運動の中で俄かに名を挙げた学生主体政治団体SEALDs(以下、シールズと記す)…国家主義政権自民党の巧みな政治戦略の功が奏しつつあるのか経済ワッショイの雰囲気が醸成される体制の中で、今現在も、即ち安保成立のほとぼりも冷めつつ参院選まで遠いという中だるみした現在においても散発的に国会前でシールズ主催のデモ活動が成されているのは気骨在る意志的持続の力として重要ではある…参加者たちが政治的意見を文章で述べるシーンも一部ありはしたもののたまたまなのかテレビで強調されたのは以下のようなコール アンド レスポンスではあった…「民主主義って何だ!」「此れだ!」「民主主義って何だ!」「此れだ!」(以下、続く…)ヒップホップ調のリズムに乗ってやり過ぎて汚く枯れた濁声の音頭取り乃至は主催者らしきが「民主主義って何だ!」と叫べば間、髪を入れずにその他の支援者群衆が「此れだ!」を繰り返す、という仕儀である。其の突出した単調さ、そして専ら芸術としての、音楽としての詰まらなさに着目してしまうのは小生だけなのか、其れはさて置いても政治的な一抹の危惧は禁じえなかった…其れは、此処でも、例えばまたあの西ノ島新島や昭和新山が大地形成の過程を現在進行形で如実に示すように、シールズもまた、ある種の政治力学の過程を現在進行形で顕在化させつつ、其の力学に収容されつつあるように見えたからであった…

安保法制成立前夜…いわゆる声なき声として形(組織)即ち(政治的権)力にならぬ大衆のもどかしさが募る中にあって俄かに躍り出た政治新星シールズ…彼らが政治的に説得力を持ち得たのは…主権在民という民主主義の大義名分に則って、大衆という匿名性に潜在していたからこそ主権在民を体現したからこその、大衆あるいはマスコミへの説得力なのであった。ところが運動が嵩じる内にマスコミに認知され、「シールズ」という固有名で以て匿名の大衆という立場から「抽出」された時、大衆からの距離を工作され、シールズは匿名性に立脚していた大衆としての主権は剥奪され、大衆から非難あるいは賛同の「対象」になる…という、民主主義社会における政治力学が露呈するのである。そうした、匿名性の剥奪による大衆起源の権力剥奪の動き、を決定的にしたのは、安保成立前夜の、政権主催の公聴会に、シールズの代表者が呼ばれた、と云う事である。此れは政権側の、安保反対勢力への妥協と云うよりも、政権による、極めて積極的で巧妙な政治工作と見るべきであって、やはり政治力学を知悉した自公政権が一枚ウワテだったと小生は考える。此れによってシールズは政治団体としての固有名を、それこそ承認という形で烙印されたのであり、大衆からの分離工作のクサビを一発打ち込まれたのである。

しかしクサビを一発打ち込まれたからと云って完全に大衆と分離したとは云えまい。大衆から批判の対象にはなってしまったが其れでもまだ多数派の核に成りうる可能性がある…と、書きつつ、散発を余儀なくされる運動形態においてヒップホップ調の煽りが悪目立ちする様を編集されるところを見ると今のところは、予断を許さないとしか云えない…それでも、シールズもまた、上記のような政治力学の働きからは免れないだろう、たとえネット社会が発達しているといっても、結局は旧来の政治力学体系の速度と強度が高まるだけで其の構造は全く変わらないだろう。上記の政治力学の餌食となって匿名の大衆的権力が剥奪された反面教師として、「著名」な既成知識人らが関わる「9条の会」が存在するのである。

シールズのヒップホップ調の煽りがどこまで一般受け、大衆受けするかに、多数派の地位獲得が掛かっているが芸能としてみると其の工夫の無さが小生としては目につく…思えば1968パリ5月革命ではサルトルやブランショらが街頭で哲学的思弁的な演説を堂々繰り出し、街には「石畳の下には砂浜がある」といった詩句がばら撒かれたという(石畳…バリケード構築や投石の材料)…同時期の日本における街頭の革命運動といえば詩が生きていない早口左翼演説や造反有理といった貧しい言葉で塗り込められていた…一方で此れは法廷での話であるが其の時期、赤瀬川源平氏の千円札事件の公判では芸術とは何かという根源の事例として氏の仲間の前衛作家らが自作を法廷にどしどし持ち込み、法廷の中がさながら前衛芸術の祝祭と化したという…無論シールズ系のデモにおいても、60年代デモとは違って、どちらかと云うと60年代の産業サイケの復興を髣髴とさせる具合に、ピースフルなフェスやオーガニック野菜を売るシャレ乙マルシェの趣きを踏襲することで大衆性を確保しているのは新しいのかもしれない…しかしそれでも創意工夫に乏しいと感じるのは小生の悪癖なのか…しかしあまりに芸能的に創意工夫に富み過ぎると其の先鋭化が悪目立ちして取り沙汰される事でこれまた上記の政治力学の罠に掛かって、単なる「変質者集団」に収容され矮小化の憂き目に合うが、しかしバランス感覚の問題と云えるのか小生もよく分からない…いずれにせよ新興政治団体シールズもまた固有名の承認=烙印によって上記の政治力学の洗礼を受けたという事実は当事者らは自覚すべきであろう。あのコール アンド レスポンスにはそうした政治的自覚は感じられなかった。どのみち己の発した言葉は大抵、己に返ってくるものである。あの政治力学によって、己の言葉が皮肉という形でシールズ自身に返って来ないよう危惧するものである。

「民主主義って何だ!」
「此れだ!」
「民主主義って何だ!」
「此れだ!」
(続く)

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