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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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嵐の当日…

当方では風当りこそまださほどではないが篠突く雨が緞帳のように降り頻ると云うのにテレビでプリンセス駅伝とは何事ぞと目を見張らば宗像市…彼の地では風は荒ぶものの雨は持ちこたえた曇天の模様…今朝は午前4時45分起床…故あって車を転がす事往復2時間半あまり…復路、台風の雨の中、薄暗い幹線道路をとばし続ける内に意識が遠のき…24時間スーパーであきたこまち10kg購った後、其の少し先のすきやでねぎ玉牛丼並盛の豚汁サラダセットを注文…すきやといえば使い古しのどんぶりのギトつき、べトつきへの不快感が先入観として蟠り…其れは、荒んだ男たちがぎちゃぎちゃねぶり付けた涎と安手の牛脂による救い難いギトべト付きにまかせたどんぶりの洗浄を、専ら食器洗浄機に委託した怠慢が故の、荒んだギトべトつきの放置なのだろう、食洗機如きがしゃわしゃわしたくらいでは決して洗浄されないギトべト付きなのに、手間を惜しんだ経費節減で、人の手で真正面から其のギトべト付きに対峙しないからこそ、客に対して、牛丼を新たに盛った時点で既に何処の馬の骨ともしれぬ男どもの荒んだ唾液と安牛脂でギトべトついている放置に我慢を強いられるのだが…其れでも吉野家よりもすきやを好むのは…飯と具材と調味との相性がすきやの方が優れているように思われ…吉野家の其れは、すき焼きをご飯の上に掛けただけ、と云う代物で、飯と具材との一体感が疎外されているのに対し…恐らく吉野家より安手に済ませているようなちんけな具材であっても、飯と具材と調味との三位一体によって、すきやは吉野家を遥かに凌駕していると云わざるを得ず…マクドナルドとモスバーガーの違い、と云った処か…其の辺の考察は、美味しんぼで、美食倶楽部あがりの、将来を嘱望された料理人が一流の材料で作ったハンバーガーが、その辺のチェーン店のバーガー(多分マクドナルド)よりも売れなかった御話の顛末で詳らかにされているのだが…そんな訳で、どんぶりの不快なギトべト付きに堪えながらも、すきやの牛丼を評価していた小生であったが…此の度、久方ぶりに食ってみると…まず食う前に、たまたま其の店が誠実なのか、其れとも小生が過去に行った店が怠慢だったのか、どんぶりのギトべト付きが解消されて清潔になっており…その中身は云うに及ばず…早朝6時半の、台風の中の、しかし客は疎らにいる中で、不潔などんぶりで旨い牛丼をかっ込むと云う従来からのストレスから解放されて、素直に満腹満足したのであった…こなれた豚汁がまた小寒い体を温める…其の後、明らかに体力が回復して快調運転、無事帰宅出来たのであった…

其れで先週末何してたかと云うと…御忍びで京都へ一泊旅行の、秋の観光シーズン…京阪神方面でのホテル宿泊予約は半年以上から争奪戦に参戦しないと取れないし参戦したからとて勝ち取る事も覚束ない此の御時勢…有り難い事に…京都と大阪の府境辺りと云う、京阪を攻めるにはもってこいの要衝の地に新居を構えた親戚の御方から、一晩の仮宿の承諾を得たと云う有り難い前提条件があって…早速新幹線にて上洛の運び…兼ねてより気に掛かっていた箇所を順に巡る…清水寺などの観光寺院には興味はないが…清水寺方面行きのバスに乗るのにまず京都駅で長蛇の列…其れ以前に…土産の地酒などが重すぎるので京都駅でコインロッカーを探すも何処も満杯…落ちた体力には初っ端から消耗を強いる流浪の末、分かり易い場所のロッカーは何れも電子制御で700円以上であったが何れも満杯のデジタル表示ゆえ…ようやく辿りついた駅外れの鍵付きロッカー(300円)に荷物を押し込む…汗牛充棟のバス…230円…いつも、どの季節でも京都はこんなものなのだろうが…此度はちょうど国立博物館で国宝展をやっているせいでもあるのか…手の込んだ洋館作りの博物館では大勢下車しかし乗車も大勢で…雪舟の慧可断ぴ図を公開しているとの事だから事前の調査で鑑賞候補に挙がっていたものの人出の渋滞も予測されて予め諦めていたのが正解だった…三年坂を上り…なんとゆうか…観光客の8割は中国人…途中、七味屋で七味を購いつつ…第一の目的地、清水三年坂美術館に着く…通りの人だかりに比べて、美術館の客は数人…幕末~明治にかけての超絶技巧工芸品を肉眼で鑑賞…其の、本物が持つ気風を己の感性に叩き込むべく必死に目を開いてつぶさに鑑賞…安藤碌山の牙彫や並河氏の有線七宝、名前を失念したが某氏の無線七宝や薩摩焼、根付、自在置物や銅器などは当然凄まじく緻密な超絶であるが…改めて見直したのは無銘の、蒔絵や彫漆を組み合わせた刀装具などの漆器であって…見る人間の感覚をさらにもう一次元鮮明に開いてくれる、感覚が開拓される此の感覚…今まで見てきたものが全て擦りガラス越しだったかのような…周囲の森羅万象が肉眼でまざまざと鮮明にくっきり像を結んで再現される覚醒の感覚には、心身の疲労すらもやむを得ず、勉強になったのであった…二階の企画展もよく…矢立、煙管入れが系統だてて陳列されて…下痢した後に美術館を出ると、小雨…シャレ乙な町屋カフェで腹拵えのパスタとエスプレッソ…

高台寺脇を抜けて八坂神社に出る…その中に美人の霊水が沸く社があるとの事で行ってみると歌舞伎揚げみたいな中国人の熟年女性が其の霊水でバシャバシャ洗顔しているから霊水には近づけず、賽銭だけあげて細君の美容祈願…本殿廻りにはエステや化粧品関係の幟がびっしり…其処から建仁寺を抜けて祇園をはんなり歩き、四条河原方面まで行く最中…兼ねてより恐れていた歩行困難に見舞われ…歩行のための運動器の不調、膝や足首や腰の不調と云う訳ではなく、其の辺は鍛えているから大丈夫なのだが…生き物と云うのは本当にこんな詰まらない事さえもうまく機能しなければ歩けなくなってしまうのか、本当にぎりぎりのバランスで全ての要素が正常に機能しないと生き物と云うのは生きていけないのかと、些細な事に課せられた奇跡的重要性に打ちのめされる結果となり…どういう訳か呪いなのか最近…左足を踏み込むと、左足の人差し指の指の腹が斜めに傾き、説明し難いが、斜めになった人差し指の爪の横辺りの肉が盛り上がって、二時間以上歩くと、其の盛り上がった肉の皮膚が靴下と擦れて痛みを発する、と云う問題に苛まれており…些細な事ながら致命的に歩行を困難にするから…旅の前に、様々な実験を繰り返して対策を模索し、靴や靴下、テーピングなどを検討項目として、比較的痛みが少ない組み合わせで上洛したつもりであっても…旅の実践にあっては其の対策も不十分で…案の定、歩くのが辛く、足を引きずるようになったのである…無駄と知りつつテープなど貼っても更に痛みが増すから、綺羅星の如き洋館やデパートが立ち並ぶ京都市内の銀座みたいな御高級な通りで靴下を脱いでテープを貼ったりしばらく歩いて直ぐ剥がしたりの惨めな姿を晒しつつ…問題は最後まで解決せず…辛く、痛みに耐え将来への絶望的不安を抱えながら、其れでも歩くしかないのであった…次の目的地である京うちわの老舗「阿以波」を、三条通と四条通の間辺りに、訪ねる…店番の女性に品物をいろいろ出していただき、吟味に吟味を重ねて、抹茶色の女郎花と、雪紋の切り絵団扇の二つを購う…竹の細工が水際立った、妥協なき職人技は全くすっきりして見飽きず、惚れ惚れ…来年の夏が楽しみである…へうげものによれば織部監修の瀬戸屋も店を構えていたおしゃれスポットの三条通でシャレ乙な雑貨やコクのある舶来のアンティーク雑貨など見つつ…目的があって噂の錦通りに行く…物凄い人だかり…京都の台所との触れ込みであったが…多分地元の人は寄り付けないほどの、雰囲気だけを確かめに来た無責任な観光客ばかりが、狭すぎる幅員でにっちもさっちも行かず、しかも折からの雨だから噎せ返って…京都だから致し方ないが…乾物や漬物ばかり…物の分からぬ観光客のマイルドヤンキー的中高生男子風情のグループが、一本5千~1万円のカラスミなど指さして下卑た笑いをぶちまける体たらく…ほとんどが雰囲気を味わうためだけに来て何か買う気はない冷やかしの中国人観光客ばかりで先行きが思いやられるが…其の晩御世話になる親戚御夫婦への手土産に、明石の天然鯛でもみつくろおうと思っていたが…数店見つけた魚屋を検見するに…やはり魚介類は北陸や山陰がいいのだろう…あまりおいしそうに見えないパッとしない感じではあったが…其の内の一軒で、老舗らしき気難しいおやっさんが奥に控えている魚屋にて、枕ほどもある肉厚の、いかにも旨そうな天然鯛が二匹氷に埋もれていたので、其の内の一匹を、失礼の無いと思われる価格で購い、取り敢えず三枚におろしてもらう…其れなら、訪問先で短冊の身は即刻刺身に、中骨と頭は後日お好みでアラ煮にして召し上がっていただけるだろうと云う考えが安易だっただろう…数刻してよく考えると、三枚におろしただけだから、鱗は除去してあるが皮が残っているのであって、刺身にするには訪問先で皮を剥がなければならないが鯵を二、三匹おろした事があるだけの小生に其れが出来るか、否、出来まい、と云う現実がのしかかり…皮つきのまま刺身にする鯛の湯引きと云う料理も脳裏を掠めたが鯛の皮にさっと晒越しに湯を掛けるが身には熱を入れないなどと云う高度な技法などやった事ないから此の高級鯛でそんな冒険は不可能だろう…世知の足らぬ未熟者のくせに調子に乗って分不相応な、大それた事をしでかしたと云う赤面の後悔に苛まれ…痛みやら後悔やら物理的にも精神的にも重い鯛を引きずるようにして訪問先に到着…しかし結果オーライ、其の場で調べてもらったネット情報を頼りに何とか鯛の皮剥ぎに成功…最初は盲滅法に皮剥ぎに取りかかって身を傷つけたのに悔いが残り、最初からうまく皮剥ぎが出来ればもっとおいしい刺身なっただろうと云う悔いもあったが…しかし其れでも鯛の刺身五人前大皿に山盛りして皆で旨し旨しと大満足…持参した地酒をあっと云う間に空け、都の澄み酒にまで手を伸ばしたから話も弾んでしたたか酔いが回り…

気付くと朝…経験上、全く身動きできない程、体の芯のところまでやられている重度の二日酔いではない事は分かっていたから、控えめに、おいしい朝食をいただき…成り行きで済し崩し的に結局親戚の御方の車の御世話になる運びとなり…小生の此度の旅の目的であった、百万遍近くにある老舗の金平糖屋さんである「緑寿庵清水」(美味しんぼにも出演)に近づいた頃には…不覚にも…手足の先が寒くて痺れだし…二日酔いと乗り物酔いのブレンドに襲われ…頭から血の気が引くような寒気と呼吸の苦しさで身動きが取れず後部座席でどうっと倒れる醜態を晒して…旅先の二日目で体調を崩す、大抵は調子こいた呑み過ぎのせいで、と云う、小生の悪い癖を再発させ、御世話になった方々に御迷惑御心配をおかけしてしまったのであった…しかし、何としても其処の金平糖だけは手に入れなければならぬ、小生の茶風を確立する真白き金平糖を、来るべき茶会のために此の老舗の銘店で入手せねばならぬ、と云う思いだけは、白濁した意識の中で持ちこたえ…細君に、生姜風味の白い金平糖と、其の他の白い金平糖の二袋を購うよう託すが…店先まで車で乗り付けると…170周年記念事業に打ち込むため本日休業の張り紙…ホームページでは営業日だったはずなのに…其の無情の衝撃もあってか其の後意識は朦朧となり…同じく百万遍の知恩寺で同日開催された、此の手の催しとしては嚆矢とも云えるナチュラル系手作り市には雨の中細君らは勇躍出かけたが小生は参戦できず、無念を抱えて車中で横臥し体調の回復を図る…ナチュラルな風合いの木の柄が付いたコロコロ(粘着テープの埃取り)を購って来た細君らが戻って来た頃、そこはかとなくむくりと回復…客層の品がよい、つまり話の通じない荒んで貧相なジモヤン(地元ヤンキーあるいはマイルドヤンキー)などは近隣に棲息しない、センス良く品質のよい衣服と装身具を身に付けた熟年夫婦や女性客、子育て世代客が多いパン屋系カフェでお子様ランチセットのパスタを食すると…アルコールを無害化する炭水化物エネルギーを体が要求していたのか、回復の速度が上がり…茶禅一味の総本山、大徳寺(臨済宗大徳寺派)を旅の締め括りに選ぶ…利休が讒言の難に遭う発端となった山門の金毛閣が雨の中佇む姿はすこぶるデカい…何もかも兎に角デカいのだが…寺内のそれぞれの区画を、これまたそれぞれ由緒ある塔頭が占めて、それぞれの塔頭で拝観料を取られる仕組み…其の内の黄梅院を拝観…折からの雨で苔が生き生きとして…利休作庭の庭…数寄屋の繊細な作りや庭の大きさに比して、朝鮮からの見聞に想を得たと云われる、巨大な亀と豚が重なっているような石灯籠がこれまた無神経に武骨でデカい…こういう野放図な豪胆さは江戸時代以前の人の仕業だなと思わせ…織豊の息吹を吹きかけられたが如くに生々しく感じる…利休鼠の襖や雲谷派の山水画の襖絵など…大徳寺は其れなりに有名な寺だが京郊外に位置する観光客疎らなこんな寺でも(権力への寄り添いと金銭上手が露骨であっても)生々しく歴史が継承されている様に感を得ざるを得ず、うらやましい限りである…当初はたいしたもんじゃなかろうとたかをくくっていたが、大徳寺…やはり実際行ってみると、本物と見所だらけでとても2時間足らずでは味わえない古刹であった…織部と光悦のコラボ企画を展示中の織部美術館やら、表裏千家に併設する茶道資料館など気になったが例の二日酔いと乗り物酔いのブレンドでどうにもならず、他にも今後の人生に暗い影を落とす絶望的な足指の痛みなどさえなければ色々行けたのだが…いろいろ気になる処はあったが此度は御預けで帰路に着いた…返す返すも緑寿庵の金平糖が入手できなかったのは残念だが、阿以波の京団扇を御助け出来たので御の字である。旅先での気の緩みによる呑み過ぎは改めて戒めたい…帰宅後、性懲りも無く、二日酔いの厄落としのためと称してビールを飲み直したりしたが…

もう一つの嵐…あと30分もすれば、各社はいっ、ドーン、自公大勝、改憲勢力3分の2超確実の一斉報道だろう…

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HN:
仄々斎不吉
性別:
非公開
自己紹介:
 数寄の天下を獲らんがため号するは、仄々斎不吉。

 三千家(裏千家・表千家・武者小路千家)及び諸家茶道流派に例外無き教条点前に豪を煮やす一方、近代数寄者(益田鈍翁、高橋掃庵等)以上に見立ての幅が広がった現代茶会に更なる侘びの新風を吹き込むべく研鑽を積む。

 利休の、無産有産といった階級をも併せ飲む侘びの骨頂に根ざしながら、そうはいってもありがちなブルジョア金満足だけは厳に慎みたい労農茶人。

 草木に臥してなお風雅を愛でる仲間であるために、茶の湯だけでなく、路上観察、テレビ跋渉、音楽及び納豆評論、 30人31脚批判もこなす趣味人にして愛陶家。 猫舌。


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