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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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悦ばしき邂逅の旅路…(前篇)

先週末の三連休何してたかと云うと…昨年夏に故あって一人で訪れた、米子の水鳥公園の風情が感銘忘れ難く、前世が小鳥であった事を自認する細君に、あの神話的で不思議な世界における鳥の楽園を見せてあげたい念願を今こそ叶えたく思い…、高速道路の冬用タイヤ規制が始まる前で、且つ、白鳥が越冬しに来日した時機も見計らった上で、折良く先週末、日帰りの小さな旅を計画したのであった…其の企みをふとした話題で漏らしたのには、そこはかとなき期待が滲み出ていないとは言い切れぬ、卑しからぬ人情の範囲ではあろう…そんなこんなで話がトントン拍子に進んで先方の御尽力によって前日だと云うのに風光よろしき宿さえも予約でき、思いがけぬ邂逅による悦ばしき事態の進行に気分が追い付かぬ浮ついた心持のまま翌日、高速道路で山間部を激走している自分にも邂逅したのであった…突入する度に視界が狭くこじ開けられる朝霧の切れ間に青空が見えると眼前の山腹には退廃的に色付いた紅葉の山並み…ぱかぱかの軽自動車で防音が御粗末だからかけている音楽なぞ微塵も聞こえぬ暴力的なロードノイズの中を突入し続けた挙句ようやっと辿り着いた水鳥公園は相変わらず地の果て至上の時のような鳥たちの楽園…中海の沿岸に沿う形で浮かぶ細長い島…かつての干拓事業の名残りで中海の底土を浚渫した土で構築した人工島のようだが…干拓中途で力尽きた感で、其の人工島の中に広大な池が残り…其の池の畔には丈高い葦が生い茂る豊かな生態系で…湖の中に池が浮かぶ不思議な地形を見晴るかせば大山が聳えるはずが其の日は生憎雲が掛かって中腹以上は御目見え出来ず…尾をぷりぷりしながら頭ごと半身を水中に突っ込んで餌を漁る多種多様の鴨群の中に、小白鳥や大白鳥の群れが水面をしゃばしゃばしたり首を休める寛ぎの時…水辺のベンチで仰向けに横たわって行雲流水、秋の鱗雲を漫然と眺めながら澄んだ光に包まれて…風の音、鳥の、姿態に似合わずげへげへと濁った鳴き声、波音などに集中する暢気にしばし遊ぶ…水鳥公園に向かう途中に誰しも目にする特異な地形として、草原から唐突に盛り上がる小山の頂上に甍をチラ見せさせる粟嶋神社が気になったが其の日は行けず残念であったが…其の後…件の神社には一度連れて行った事がある由、伝えられ、自分が、かつて其処に行った事をすっかり失念していたのは何の因果か考えさせられ…思い返せば過日…荒み茶会の狼煙を大山周辺で挙げんがための野点を転戦したのであって…其の中途にて…確か猛吹雪の中…青磁茶碗に雪を盛って本殿前の石灯籠の火袋に供えたり、雪で墨を擦って短冊に歌を詠み、八百比丘尼のホトに擬した岩窟に供えたりと荒みの狼煙をあちこちでやりたい放題挙げたのだったが…そんな重大事を此の粟嶋神社で成し遂げたのをすっかり失念していた事は…神の加護か仕業か知らねども何やら神がかった妙事と云うか配慮と云うか神慮と云うか…例えばもし仮に現在の小生がのこのこ行って、過去の小生が供えた青磁や短冊に能天気に邂逅しようものなら粒子と反粒子の衝突⇒消滅、のような取り返しの付かぬ不吉が起こるのだが、神慮によって小生に忘却を齎してくれていた、と云う事なのかと、はらはらしながらしみじみと思い返すのでもあったが…其れは兎も角として…あちこちの観光地を巡るでもなく割り切って一ヶ所を充実して過ごす贅沢を満喫し…蕉翁の故事を引くのも烏滸がましいが何も思い浮かばず一句…粟島やああ粟島や粟島や

僥倖を得た其の日の御宿、皆生シーサイドホテル海の四季に向かう…同乗二人とも方向音痴でさんざん迷いながらいつの間にか目的地に付き…合流…一部屋にて合議の末…其の夜の宴の場所を手際よく選定…ガラパゴス携帯ですらない、年配向けの簡単携帯を後生大事に使う小生からすれば…とうとうスマホが操られているのを見て隔世の感…生まれて初めてのオーシャンビュー…晴れ渡った明るい曇天の下、寄せては返す日本海の向こうに北の将軍様=きれいなジャイアンの面影を思い…一休みした後…月夜の海辺を散策しながらふくらむ期待も波間に揺れて…浮世離れした温泉地特有の浮ついたザワツキの中…接客、料理申し分なき誠実なる個室系居酒屋に向かう…人生の本質の意味において大袈裟でなく類稀な再会を祝して、生けとし生けるものに乾杯…地元の食材を生かした料理と地ビールを味わう…シロイカの新食感忘れ難く歓談相楽しみ…此処でリベンジの一句…粟島や鳥の目揚がる満月に…細君たちをホテルに残して温泉街をそぞろ歩き…スナックから漏れ聞こえるカラオケ…各旅館の中で娯楽が完結しているようで、温泉街の通りにはラーメン屋と風俗店、スナックばかり…我々はこれまた手際よく検索されたバーへ…多少は時局に噛み付くが、風光明媚に遊び美酒美食を満喫した上機嫌では日常的にハラワタ煮えくり返っている政局への怒りもほぐれて鎮火するは致し方無く…ロックバンドなぞの演奏を聴いた後の、現代と云う時代の当事者になった荒んだ気持ちでおでんや焼そばや牛筋などを摘まみながら熱燗を煽らないと日頃の論理的義憤の成果が出せない…バー御主人が過去に出遭った、豪胆なる酒飲みの逸話(南米メキシコなどの本場ではマティーニの縁に塩ではなく芋虫を潰したものをなすりつけて苦味を効かす、コロナビールを常温で飲む、等…)に耳を傾けながら、ウイスキーのピート臭なるを実地で学習する…何となくほろ苦い風味を感ずるが其れがピート臭と云う事で合っているのか否か酔いの舌では判然せぬが芳しい風味が自分好みでもあり…ナショナルジオグラフィックで昔見た、スコットランドの凍てついた泥炭層の中で肉や毛皮も腐らずに眠る、生贄にされた古代人の、ブロンズ像のように固く締まった遺骸の写真などを想起しながら夜は更けて、程よい処で切り上げる(続く)…

後日、情けない気持ちで即席麺を購い一句…

救いあらずやタラぺぺ味の俺の塩

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HN:
仄々斎不吉
性別:
非公開
自己紹介:
 数寄の天下を獲らんがため号するは、仄々斎不吉。

 三千家(裏千家・表千家・武者小路千家)及び諸家茶道流派に例外無き教条点前に豪を煮やす一方、近代数寄者(益田鈍翁、高橋掃庵等)以上に見立ての幅が広がった現代茶会に更なる侘びの新風を吹き込むべく研鑽を積む。

 利休の、無産有産といった階級をも併せ飲む侘びの骨頂に根ざしながら、そうはいってもありがちなブルジョア金満足だけは厳に慎みたい労農茶人。

 草木に臥してなお風雅を愛でる仲間であるために、茶の湯だけでなく、路上観察、テレビ跋渉、音楽及び納豆評論、 30人31脚批判もこなす趣味人にして愛陶家。 猫舌。


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