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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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無所属の御知らせと総評…

一応、立ち上げ当初から小生が所属している事になっているホームページ「好評ゼロ」が、今月末を以て、閉鎖される事になってしまいました…理由は、其のホームページを公開しているサービス会社と云うのかプロバイダと云うのかよく分からないが、兎に角其の会社がホームページ公開サービスを終了するとの一方的な通告を一年前ぐらいからしてきたためであり…其の間に代理のホームページを立ち上げる事も可能だったが日々の喧騒に紛れておぼつかず…一定の役割を終えたという事で…従って、小生の、「日本焼物紀行」「ループ帯庵」「荒み宣言」なども、ウェブ世界から消え去る事と相成りました…しかし、此のブログは別会社なので、現状通り続くと思われますが、ホームページ「好評ゼロ」から此のブログ「王道なきロック史」に通っている方は、「好評ゼロ」が今月末で消失するので、別途、一般的な検索エンジンから「王道なきロック史」を探索して頂ければ、と思います。流行りの無所属となりましたが今後とも御指導御鞭撻の程よろしくお願いいたします。

さて、此度の政変…前原小池事変とでも云うべきか…衆院選の結果をどうみるか、であるが…小生としては、実際問題改憲勢力三分の二以上取られたのだから試合に負けて勝負に勝った、とまではいかないが上々の出来、兎に角最悪の事態だけはぎりぎり免れた、と評すべきだと思っている…最悪の事態だけは免れたと云う意味では前原小池事変の意義の功を評すべきであった…無論前原が其の辺の事まで熟慮した末での事変ではないだろうし、そんな熟慮が出来る優等の人間があのような政変を起こす事は出来ない、即ち、浅慮の末の突飛な行動力のまろび出しによって、膠着した事態を良くも悪くも何かしらが開かれた方向へと可能性を導く、いわゆるトリックスター前原の誕生なのであった…浅慮とは云っても、前原自身は恐らく自己に対して真摯な熟慮の末に、深刻に事態の成り行きを憂慮した悶々がついに弾けたように、そして渡りに船のような諸状況に目移りする過敏さも相乗しての行動だったのだとは思われる…最悪の事態とは何か…其れは…あのまま前原が行動せず、民主党のまま選挙に突入していたら…其れこそ…民主党惨敗で、恐らく民主党の議席は80いくつから50いくつまで減って、其の減った30議席を自公が上積みする事であり…こうなってしまえば、もう、リベラル勢力惨敗の雰囲気が社会的に決定的になり、政治的社会的にリベラル勢力追討の落ち武者狩り的雰囲気と言論が一斉に肯定的に正当化される、済し崩し的ファッショ状況が今日の主流となっていただろう。

しかし、兎にも角にも立憲民主党が立ち上がったおかげで、実際の処は、従来の民主党の主張を引き継ぐ議席は80いくつから50いくつまで減ったと云う議席上の現実は、上記の最悪の事態と同じであるにも関わらず、前原による民主党の事実上の解党よって一旦灰燼に帰した此のリベラル勢力はあの「排除」発言を起爆点として灰燼からの復活と云うドラマを生成させた事によって、80いくつから50いくつに減った、と云うマイナスの現実を、10いくつから50いくつまで復活した、と云うプラスの物語に再現前化せしめた事によって、議席数の現実は最悪の事態と変わらないにも関わらず、リベラル勢力の敗残ではなく、「リベラル勢力の面目を躍如した」、と云う意味の生成に、見事なまでに成功させたのであった。此の生成の意味のリベラル面目躍如によって、ギリギリの処で、全体主義傾向によるリベラル抹殺の大衆的流れを辛うじて邪魔する一本の杭を、流れの中に打ち立てた事になったのである。此の意味は些細ながらもすこぶる大きい。

かような反転攻勢のドラマの経緯、原因は、もう、当事者しか分からない…当事者の思惑なのか天然の粗忽あるいはしくじりによるのか、当事者が明かさない以上は憶測の域を出ないが…何にしても、思惑と粗忽が入り混じった人間の所産である事には変わりない…前原、小池会談での、双方の、自分に都合の良い解釈と早とちりの交錯なのだろう…恐らく前原小池会談で、小池は、ある種の条件はあるものの其れを飲めば民主党員をほぼ受け入れ可能との意味を玉虫色の文言で吐き、前原は前原で、小池新党への入党を希望しない頑迷リベラル議員はさておいても、条件付きではあるものの交渉次第でほぼ党員を全員受け入れてくれるとの手応えを感じ取ったのだろう…交渉事である以上、お互いに何らかの弱みがあるからこそ相手から利を得ようと交渉するのであり…其の条件をきっちり詰めようとすればするほど互いの弱みを相手に握られる事になるのだから案外、決裂を避けんがための其の辺の互いの阿吽の呼吸による詰めの甘さは、決裂ではなくある程度の合意を互いが求めているデリケートな交渉であればあるほど、現実としては致し方ないのかもしれない…其の一方で、前原は、小池から、リベラルをはっきり排除する事を予め通達された上で、其の事を曖昧に誤魔化しつつ、民主党解党を両院議員総会で合意させ、リベラル勢力の寄る辺をなきものにしようとした、巷に云われる前原によるリベラル殲滅説の可能性が濃厚ではあるとも、小生も勘ぐらざるを得ない…

実際の処…前原一派の考えも分からないでもない…前原らは選挙中や選挙後、安全保障に関しては安保法制容認だが、内政においてはリベラルである、という事を、小池新党敗色濃厚の選挙終盤から、言い訳のように述べていたのを聴いた事がある…其れもあまりはっきり云わないから主張として説得力はなかったが…しかし…努力して彼らの意を汲んでやると、実際の処、小生の政治的立場は前原と近いと言わざるを得ない…過去に小生が安全保障談話で表明している通り、小生は、自民党の安保法制、集団的自衛権には、暫定的に限定的に賛成の立場である…枝野んが云うようにあれが違憲であるのは間違いないにしても、現状の外部状況を見た場合容認せざるを得ない複雑な胸中は既に、其の談話で詳らかにしている。

しかし、此処できっちり断罪しておかなければならない事は…自民党は、安全保障は自民党におまかせ、と云う増上慢を自慢げにのたまうし、麻生などは早速選挙後、北朝鮮のおかげで選挙に勝ったと明け透けな本音をぶちかます始末だが…そもそも安全保障とは、隣国と仲良くする事そのものである…其れなのに、戦後70年経って尚、いまだに隣国と仲良くできないのは自民党の責任に他ならないのであって…隣国との険悪と云う、安全保障上の最悪の失政の責任を棚に上げて、ひたすら国民の血税を毟り取られる遠国との交流をアピールするのは度し難い無責任と無能をひけらかしているに等しい。自民党議員が過去に、韓国併合は正しかった、南京大虐殺は中国のでっち上げに過ぎない、そして総理安部などは過去に、歴史解釈次第では日中戦争は侵略戦争であるとは限らないなどと発言し、日本国民310万人のみならずアジアの人人の多くを無残な死に追いやったA級戦犯がまつられた靖国にこれ見よがしに大挙して参拝したり供物を捧げたりする事は、日韓基本条約や日中共同声明の基本的前提である、日本国による先の大戦への反省、と云う事を蔑ろにする行為であり、自民党議員や総理大臣がこれらの前提を蔑ろにする事を先にやるから、だからこそ韓国や中国は、日韓基本条約や日中共同宣言の合意を無視する正当性を得て、慰安婦問題を国際化し、国家賠償請求はしないが、民間が日本政府や日本企業に戦争被害の賠償請求するのは構わないなどと云う詭弁を正当化させるのであって、其の契機を先に作ったのは他ならぬ自民党の責任である。別に、自民議員が先の大戦への自論を開陳する事自体が悪いと云うのではない。しかし、そのように主張するならば、其の己の主張が、韓国や中国人を納得させられるだけの理屈と証拠を有している事を表明しなければならないのであるが、当然のようにそんな理屈も証拠もあの連中は持ち合わせていず、ただ単に国内向けに自己満足したいだけの惨めな連中であり、反日運動が高まると曖昧に濁してほとぼりが冷めるのを待つ無能ぶりの恥さらしなのであって、そうであってみれば自民議員のあの発言は、単に過ちを許容できない幼稚な恥知らずに過ぎない事を国際的に晒しただけなのである。

自民議員が戦争への無恥な無反省を表明するから、反日運動の肯定化と云う前提が韓国や中国に存在するのであって、自民議員の愚行がなければ、今日の安全保障環境はもっとましだった可能性は否めないだろう…今のままでは、仮に北朝鮮から日本にミサイルを撃たれたら、北朝鮮本土への日本の反撃は不可能だろう…なぜなら、日本と北朝鮮の間に韓国が存在するからだ…北朝鮮迎撃のために日本の艦船を日本海に出撃させようにも、韓国は、日本海軍が朝鮮半島近海に来る事を絶対に容認せず、最悪、日韓戦争すら勃発しかねない…ましてや、日韓が協力して北朝鮮に反撃すべく韓国に自衛隊が上陸する事は絶対に容認しない…日本から北朝鮮をミサイルで迎撃しようにも、間にある韓国が容認する筈はない…従って、日本は北朝鮮に反撃できないまま、北朝鮮からやられ放題になるかもしれない…領土問題は歴史認識とは別の側面のシビアさであるが…尖閣にしても…反日と云う中国国内での前提が無く、日中友好が熟成されておれば、武力衝突も辞さないと云う現在の強硬的態度を中国が示すにはいくらかの躊躇があっただろう、しかし、現在は反日と云う前提があるから、中国としても平然と武力による威嚇が現前化できるのである…そう考えると…相手のある事だから一概に云えないかもしれないが今日叫ばれている安保危機の半分は、畢竟自民党がもたらしたとも云えるのであって、其れを棚に上げて、アメリカだけにすがらざるを得ない安保危機をもたらしたのは誰の責任か。其れは自民党である。其の責任を棚に上げて、安全保障は自民党にお任せなどと喧伝するのはちゃんちゃらおかしい茶番なのである…まあしかし、其の唯一の頼みの綱である日米安保さえも破綻させかけた民主党鳩山政権(⇒中国による尖閣への強硬姿勢の顕在化)と云う記憶が日本国民に根強いから、相対的に、日米安保醸成が得意な自民党が、安保上手として何となく評価されているに過ぎないのである…しかし繰り返すが、根本的に安保状況を悪化させた、あるいは改善できなかった責任は、戦後70年経っても隣国との真の友好を熟成できない自民党の無能と幼稚な無反省による失政にある。

以上の事を肝に銘じた上で…まあそうは云っても事此処に至った以上…頼みの綱は日米安保による集団的自衛権のみである事実は変わらないのであって…枝野んが云う、専守防衛と周辺事態法の再整備と云うのはいささか現実味に欠けるように見えるのは否めないのであろう…其れで、前原一派が、安保に関しては従来の民主党の主張とは決別して安保法制容認に転向した上で、内政は従来通りリベラルにやりたい、そうすると従来の主張との相違点がやましいから心機一転して勢いある新しい看板、小池新党と云う看板でやりたい、民主党の看板だとじり貧だから、と云うのは、理解できないでもない。安保は現実路線だが内政はリベラル、と云うのは、小生と同じ政治的位置である…しかし、選挙中、彼らがそのような主張をはっきり云うならまだ支持しようもあったが…なんだか最後まで其の辺が曖昧なままであって、其処へ、小池の「排除」発言である…此れは小池のうっかりした誤算と云うよりも、小池の、国家主義者(=反民主主義者)としての地金が出たという処なのだろう…現行の国家主義優位な雰囲気からすると、あえて強い言葉でリベラル(=民主主義者)排除を公言すれば、保守系有権者からウケる、と踏んでの発言なのである…此の保守系有権者を二つのグループから調達しようとしたのが小池新党であり…安部の露骨な私利私欲政治には何となく不満で真の国家主義はそうではないと思い込んでいる自民党支持の国家主義者や、民主党のリベラル路線の護憲原理主義的安保下手への傾きを警戒する内政リベラル派の、双方から「ウケて」、双方の陣営を切り崩して小池新党への支持を増やせると見越した上でのウケ狙いだったのだろう…しかし政局は非線形であって…結果は、あの排除発言によって、小池新党は、リベラルを排除する自民党と本質的に同じである事を表明した事になったから、自民党支持者を切り崩す事も出来ず(自民党と同じなら自民党に投票する。わざわざ新党に投票しはしない)、民主党支持者内の【安保法制容認ただし内政リベラル派】らは肝の据わった確信犯的国家主義者ではないから、小池が結局は自民党と同じように、リベラル=国民主権+基本的人権さえも根本的に否定する素振りを示したなら小池になびく事は不可能となり…結局、小池は、当てにしていた双方からの票の切り崩しにしくじったのであった、と云う顛末であろう…。小池新党の輩は、其の公約でも選挙中の発言でも、安保は現実路線だが内政はリベラル、と云う事は前面に出さず、原発を30年後になくすだとか禁煙だとかの上っ面の政策を云うばかりだから、保守からもリベラルからも信用されず、其の双方の陣営を切り崩しての集票は叶わず、中途半端に終わった。小池新党は、安保は集団的自衛権で現実路線だが、内政は反自民としてリベラルである事をはっきり公言しておれば中道路線として立ち位置がはっきりして勝機は見いだせたものを…原発だの禁煙だの情報公開だのの小奇麗でスマートげな政策の数々を具体的に陳列するだけで、此の政治的立ち位置と云う本質の表明を怠るから、不信感が増しこそすれ、選ばれはしないのである…其れと云うのも、前原の思惑とは異なって、結局は小池は内政においてもリベラルではない国家主義者であると云う本質のせいなのかもしれない…既に小池周辺からは、小池の私利私欲=国家主義に起因すると思われる疑惑や不満が噴出している模様だし…たとえば比例復活での名簿の順番でも…明らかに得票数の少ない小池の友達を小池の一存で高順位に持っていって比例復活で当選させ、得票数の高い元民主党員を比例で落としたり、といった、民意を踏みにじった公私混同の罪さえも、露わになっているではないか。此れでは選挙中に小池が安部を御友達優遇などと森加計問題で非難する資格は無い。だいたい小池は、森加計問題を、友達優遇であるとしか表層的に批判できない欺瞞的感覚が、既に国家主義的本質の罪が分かっていない、小池・安部自身に共通する国家主義的本質の発露に過ぎないのである。

もしも、安保法制容認+内政リベラルと云う本質で立党したかったのなら、小池を代表にしたのがどだい失敗だったのだろう…結局の処小池は安保法制容認+内政国家主義(=安部自民党)であって、内政リベラルとは反する思想の持ち主なのだから…此度の選挙の争点の本質は…表層的に云われるように消費税でも教育無償化などではない…そもそも選挙の争点というものは、解散権を持つ総理大臣が宣言すれば其れで決まる、と云うものではなく、選ぶのは有権者なのだから、大衆の中で潜在的に重要度を増している問題が、結局は選挙において顕在化するのである。そうした潜在的争点を読み違えたのが希望の党であり、うまく読んだのが良くも悪くも立憲民主党ではあった。つまり、此度の選挙の潜在的争点とは…国家主義か、あるいは民主主義(リベラル)か、と、安保法制容認か、否定か、の二つの組み合わせなのであった。小池新党は、其の辺を読むことが出来ず、表層的な小奇麗な政策ばかりをショーウインドウに陳列するだけで、潜在的な争点の組み合わせを明瞭に示す事が出来なかったから、真の争点と噛みあわず、従って民意と噛みあわなかったから、小池の風だけを頼りにしていた俄か候補者はほぼ全滅したのである。小池新党に行った連中の中には、9条改憲容認の人間もおれば反対の人間もいたり、国家主義者と民主主義者が混在したりというばらばらの有様を国民は見せつけられたから、最終的には何がしたいか分からぬ政党と云う事で終結した。

(安部の私利私欲が、国家主義の本質であって、安部を自民党の首領から挿げ替えた処で其の本質は変わらないから、安部を自民党の首領から引きずり落とした処で、私利私欲なき真の国家主義の純化が達成されるなどと考えるのは空想であり誤謬である事は、過去に何度も証明して来た)

そして小池子飼いの連中はほぼ討ち死にし、小池新党として当選したのは地盤がしっかりした元民主党員が大部分なのだから…安保法制に関しては与党に上積みする形で賛成派が増えるが…内政へのリベラル、即ち国民主権と基本的人権の尊重に価値を置くらしき議員が増えた、即ち、立憲民主党と小池新党と合わせて100超だから、旧民主党時代の80幾つ⇒100超まで、内政リベラル勢力が増えたとも解釈出来るのであるから、結果は上々だ、とも云えるのである…つまり、内政に関しては、小生が最も危惧している処の、自民党の憲法草案の実現化を阻止する勢力が増えた事にはなるのである…三分の二は自公で取られているとはいえ…リベラルの面目は躍如した、サッカーで云うならば次に繋がる形ではある…しかし、小池の口から国民主権と基本的人権の尊重と云う言葉を聞いた事はないし、其の小池の軍門に一度は下った此の腐ったリベラル勢力の連中をどこまで信じればよいか、現状では疑問符は付くが…以前、保身のため小池に下った此の腐ったリベラルはいつかは小池の国家主義的勢力を腐らせる可能性があると記述しておいたが…予想を上回って早く、此の腐ったリベラル勢力は、小池から政治的実権を削ぐ事に成功しているようで…小池と云う、将来のスマートファシズムの萌芽を摘む事に寄与出来た事に、腐っても鯛ではないが、腐ったリベラルは其れなりに役に立ったようで…其の意味でも、結果は上々だったと云えるのである。

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