付け入りの休載

もう年の瀬気分で、しかし浮き足立つ平安ままならぬ生活のじめつきが続く。なまじ終わりの標が整おうともいまだその期日来たらざる故どの道今しか情興し得ぬ心ざまに、結局貧相なイラつきは頻発する…なまじ終わりの標が整う次第なのかもしれぬのもあって、怠惰への傾き穏やかならぬど壺、どうせ終わらないのであれば食いしばってでも続行するものを、餌じみた終わりが手繰り寄せられる昨今とあってみれば踏ん張りが効かぬのも無理ない事…何事の事があるやも知れぬとも宿命の弱みに付け込んでまた休載する仕儀…何の確証もないが恐らく１２月からの王道なきロック史の再開を約したい所存…最早大きくはないがどっしり重い問題をあと三つほど抱えており、この鎮痛いたたまれずを逆境して蓮っ葉なイラつきへと捨て鉢を託つのであって、詮無い。実家色の強かったコタツの新調問題も解決、時間指定通り納品されぬやきもきにかき乱された怒髪もあったがそれはそれ、とりあえず無事納品されたので安堵、杢目の具合も悪くない…一つ一つこなしていくことの大切を知る、などという殊勝な心がけは毛頭無いどころか蔑んで余りあるひっきりない不服従だけが健康を害す。廊下で足の裏をきんきんに冷やしてもコタツでの温もり回復が見込めるからトイレに行くなどの活動が自ずと活発になる冬支度整う。リーガルハイが面白過ぎて、それまでは何の感興もなく生活のにぎやかし程度に見ていた独身貴族はもう見るに堪えぬ…そればかりか安堂ロイド金タク（きむたく）を画面で瞥見しただけでも、「眼をそむけたくなる」という汚れた感情が確固として形を成して、金タクが現れると、それを見る事自体が己を貶める事に直結して、すかさず吐き気を催して「眼をそむけ」ざるを得ぬ。要するに金タクの顔はテレヴィでうんこ接写して全国のお茶の間に届けるようなもので、金ザイルもだが…努力しているのも分かるだけに余計に痛々しい糞である…古見門がしきりにゆとり世代を揶揄するのは「サディスティックな安部政権＝そのサディスティックな政策でいたぶられるのが気持ち良くてしようがないから安部サド政権をどしどし支持するバブル～団塊世論」、というのにうまく迎合、便乗している節もないでもないが、古見門の独断場と彼を引き立てる数々の仕掛け（インテリア、里見浩太郎の立ち位置、ライバル弁護士事務所の女性弁護士の普段着のサイケデリア…）から目が離せぬ…家の酒、とりわけウヰスキーを切らすわけにはいかないので、廉価ウヰスキーに依存するのだが、ボストンクラブがもうなくなったのでサントリーのだるまに初めて手を伸ばす…まだ飲みなれぬせいもあるのか、風味がどうもどぎつい気がする…もう、結局、コンビニばかり行っている…便利だから…そろそろ、己に、過酷な読書計画を課す時がやってきた…嫌々ながらでも自分の為すべき事としてじっくり基本文献と向き合わなければいけない。ご時世の上っ面の流行り廃りにいちいちかまっている場合じゃない。今日のＮＨＫ日曜美術館…司会の井浦新氏の挑戦的なファッションと背伸びしてとんがった発言を毎回楽しみにしているのだが、今日のファッションはなんだかもっさりとおとなしめにおさまっていた…髪もいつもはオールバッグで整髪剤で撫で付けてびしっとしているのに今日はもっさりと寝起きのように髪をおろし、服も、いつもの尖った工夫が見られずぞんざいで、ループタイもしていなかったのは何があったのか、ゲストが松岡正剛だったから何か遠慮したのか…どうした、新！いつもの生臭い情熱を尖ったファッションでカメラに叩きつけてくれよ！たいてい下痢気味だが昨日から便秘傾向だ…苦しいがパイ菓子でウヰスキーの水割り（ウ／水＝４／６）をやめない。腹が張って痛い…もう、好きなだけこの手続き下手から金をふんだくってくれ、そしてこれ以上この事で煩わさないでくれ…100万までなら許す。集中できる時間など無い、どたばたしながら何とか集中をやりくりせねば…真っ黒にぎらつく闇に魅せられて…昨晩、そして今朝早く、隣家で事件性を帯びた物音と、若い男の怒鳴り声が…「オイ、アケロヤッ、デテコイヤッ」とジモヤン特有の安っぽいだみ声の大声で近所構わずぶちまけ、玄関のドアに激しく何かぶつけている物騒…どうしようもないゴロツキに育ってしまった、図体ばかり大きいすねかじりの息子がついに家からの締め出しを食らったか…たまに集まる悪い仲間のオートバイの杜撰な駐車方法によって小生が駐車しにくいという迷惑もあった、手の付けられぬワル…自分も人の事は云えないがな。思考で「頭が煮えちまいそう」（本庄）になると左の耳朶が真っ赤に充血して熱いのが恥ずかしい。荷風の下谷叢話でも読むか。そんな夜だろ。