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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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リハビリ編「the clash/the clash(1977)ek63882」年の瀬



 ああもう年の瀬年の瀬、年の瀬にかこつけて何もしたくない、捨て鉢な気分、生活の節句に頓着することなく襲い掛かる種々の困難を、頭を低めて全てやり過ごしたい後ろ向きな気分はそもそも年の瀬如何に関わらぬ日頃の常でもあるからしてかこつけて、と相成る心の弱さがむらむらとあてどなく怯える始末の悪さである。逃がした魚はまことに大きい、それが最早入手できぬと分かって初めて楔の如く撃ち込まれる激甚なる落胆…筒型に近い小ぶりの梅花天目茶碗…惨惨とようかせて侘びた漆黒の闇に影絵のように浮かび上がっていた梅の花二三片が闇の底に沈みゆく瞬刻をとらまえたそれは、今にしてみれば即座にお助けすべきだったものを、…と後悔冷めやらぬ、かつて立ち寄った骨董市でうっかりお助けしそびれたかの天目茶碗を思うにつけ。茶碗にしては小さすぎるな、という、器気に圧倒され疲れていたとはいえあまりに浅い思慮によってその時は見逃してしまったが、後から考えてみればぐい飲みに至極重宝するではないか…あの乾ききった闇に滔滔と酒を満たせば、揺らめく梅の花なぞさぞ興をそそるだろうに。しかし後の祭りだった。しかし(擬)天目茶碗など市に行けば定番の品でもあるし、似たようなものにまた巡り合えるだろうとたかをくくり、且つ、つい先日行きつけの中小企業会館で日本海骨董市があったのでいそいそとお出かけ…結果、目に適うくだんの天目茶碗には出会えずじまい、となったのである。代わりに…(今回の獲物について話し出すとまたきりがないのでここらで打ち止め)

 捨てる神あれば拾う神あり…先週、流木が欲しゅうなって、汐に洗われ、名も知らぬ遠き島より流れよる…よう乾いた白骨のような流木を、所持している雲助形藁釉流し掛け壺に投げ入れて、その冷たい骨=枝に帽子なんぞを掛けてみたい…という、人として浅ましい、内的満足に閉じこもる浅ましいインテリア的欲望に目覚めて…流木屋なるところまで行ったのである。海岸を歩いて自分で流木をゲットしようかとも考えたがこの寒空、そうやすやすと流木が見つかるとも思えず、恥ずかしげも無くネット検索、福山にあったので、高速道路使って往復5時間かけて行ってきたのである。行くと…店の雰囲気が何か馴染めず、サーファーのような人がサーファーグッズの販売の片手間としてやる気なくやっている風で、1畳ほどの流木コーナーの入り口には荷物があって入れないし、窓から除く流木もさほど種類もなさそうですりこ木程度の小枝ばかり…店員も、我々が入店しているのに、外でキャンピングカーを洗っている、無関心ぶり…流木なんかを求めてわざわざこんな処まで来てしまった恥を見透かされた気持ちでいたたまれず、逃げるように収獲も無く帰った翌々日、今年最後の粗大ごみの日…アパート前のごみ置き場に行くと、剪定されたばかりの、まことに獰猛な枝ぶりの樹の枝枝や根っこが、冬をこらえる気丈が静かながら不動にも暴発しかねぬ生気をいまだに放ちながら無造作に鎮座しているではないか…ご近所の手前、めぼしいものを素早く選んで自宅に持ち帰った。「流木なんか欲しがって、お前大丈夫か」と、当の流木屋の店員に暗に言われている気がして、あまりに限定された、それにしては大掛かりな巧妙な罠に掛かったかのような小生の存在がこらえ難く恥ずかしい。流木を欲しがる人(小生)→恥を忍んで流木屋に行く→蟻地獄のように構える流木屋が、流木がうまく手に入らないという恥を小生にかかせる、という…馬鹿馬鹿しい。

 疑いようのない、徹底した人間への不信においてしか人への優しさは生まれないのかもしれない。

 「米朝が食糧支援の協議」というヤフーニュースの見出し…人間国宝、桂米朝ではなく、アメリカと北朝鮮のことだと合点するのに時間がかかった。

 剥製が欲しくなったらおしまいかもしれない。螺旋状に角を振りかざすやさぐれた、毛並みが脂ぎった黒毛の野牛の首が壁からぬうと突き出ていたら…玳瑁(タイマイ)でもよい。小生の庵は湿度が異常に高いので剥製の維持管理に不安が残るが…黴が生えたり…ネットで剥製屋で値段を調べると結構なお値段である。何とかしたい。物欲の空しさというのも知り尽くしてはいるが…機械男爵に捕まった母親が、男爵の応接間を飾る剥製にされており、男爵を伝説の銃でぶち殺す鉄郎、屋敷ごと火を放って、メーテルと共に銀河鉄道999に乗って旅立つ鉄郎…を思い出した。剥製というものの残忍をこれほど伝えるエピソードもあるまい。

 ザ・クラッシュ。何も考えたくない時に聴くのにちょうどいい音楽であるゆえに、この音楽について何か考えるなど荒唐無稽である。如何なる時も突っぱねる、小気味良いチンピラ。いつも前傾姿勢という訳でもない中途半端な優しさ。この世をぶっ壊せないなら、せめて己だけでもぶち壊す奇妙な、笑えない反社会的責任感。もうこれぐらいでいいだろう。

mick jones:guitar,vocals
joe strummer:guitar,vocals
paul simonon:bass guitar
tory crimes:drums

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