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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「the music machine/the very best of the music machine turn on(1966)col-cd-6044」 2008年12月7日 友引 寒晴

 広島県の木曜日23時半からは、テレビジョン史上の金字塔の一つである雨トークが放送される。雨トークについては他の方に譲るとして、今日はその雨トーク後の、ラブチェンという番組の感想を。普段のラブチェンは内容がいささかきつく、小生にとってもハードコアなゆえ、ほぼ見たことは無かった。夫婦交換バラエティーであるが、登場する夫婦の階級がいずれも地元ヤンキー(ジモヤン)、という荒みようは、相当の数寄者でないと楽しめない、きっつい夜を提供しようと言うのである。子沢山のジモヤン夫婦の夫は超清潔好き、他方のジモヤン夫婦の夫は飲んだくれ、という夫婦を交換したりする。交換の意味あるのか。こうして書くと面白いように思う小生ではある。ただし、12月4日はこれまでと違っていた。芸能人の、ホンコン、と、伊藤かずえ、という女優さんが2泊くらいする構成。無論かれらはそれぞれに配偶者を有している、40代半ばの中年である。ジモヤン夫婦のように些細な事をすさませる尖った事件など無く、回転寿司などつまんだり台所で共に料理作ったりしながら、取るに足らぬ会話、互いの夫婦生活の日常をぽつぽつ交わすのみである。それなりに人生を重ねた中年男女が擬似夫婦するのだから、程よく枯れて、程よく艶があるのは当然、そこを視聴者に味あわせる新しい試みであった。ホンコンと伊藤かずえ、という組み合わせも、何とも微妙で良い。土曜の午後の、詰め込み系旅番組の芸能人選択に匹敵する渋さである。ジモヤンに関しては、本ページがある「好評ゼロ」のトップページの「俺が見たジモヤン」を参照してくだされ!どしどし書き込みしてください。また、擬似恋愛番組史については、また宿題と言う事で。ネルトン→あいのり→恋するハニカミ→グータンヌーヴォ→ラブチェン。

musicmachine.JPG 閑話休題、ミュージックマシーンである。米国はロス・エンジェルス産。メンバー全員が右手に黒革の手袋を装着する不敵な男たちの髪型は英国風マッシュルームカット。如何せん異様ではあるが、その音楽はロックに対していたって真面目である。ストーンズ的チンピラ風を律儀に継承する悪そうな歌唱はあくまでもやさぐれの渋さであるし、抑え気味のファズがかえって彼らのトンガリを増すギター、打つべきところを確実に打つドラム、ブザーのようにビービー鳴るだけのうるささかと思いきや、とぼけた風味も忘れぬ気ままなオルガン、唸ってなんぼの熱いベース、先走るマラカスが一丸となって臆面も無く迫ってくるのだから最高である。わが国で伝統工芸の国家的指定と援助を受けるには30件以上の同業者が同じ地域に住んでいなければならぬ条件があるようである。国家や世間や資本からの承認など糞くらえであるが、文化的一潮流の形成が更なる文化的質の向上変革に寄与するならば、たとえ凡庸であっても同じような事をやっている連中が多いにこしたことはないのかもしれない。このことは無論それが、良い音楽であることに限っての事ではある。したがって、ミュージックマシンの仕事は無茶苦茶突飛ではないという意味で凡庸ではあるが、ロックとロック数寄にとってはこの上ない貢献を果たした滋味あるバンドなのである。4曲目のタックスマンのカバー、6曲目のmasculine intuition(オリジナル)、8曲目のシー・シー・ライダー(マ・レイニーのカバー?)が秀逸。

  ああ、ロックにおけるリフという思想、というテーマとも、いずれ向き合う必要がある。

 そうすると、どうして日の本の、巷で嫌でも耳にしてしまうコンビニ音楽、腐れヒップホップ歌謡、馴れ合いボーカルユニットや功利主義ダンスボーカルグループ私企業が、如何に絶対的に有害で誇りの無い卑しい音楽であるかを説明しなければならぬだろう。説明するのも本当は時間の無駄なほど絶望的に下らない上に、駆逐しなければならない必要性すらあるように思うのだが、きっちりやりたいのでまたの機会にしたい。ただ、最早、心あるバンドやリスナーがひたすら己が良い音楽に向かって精進するだけでは足りないのではないか、何らかの実力行使も辞さぬ思想が必要なのではないかとすら考えている。美学的唯物史観の誕生を思うが、その先の結末も何となく分るし、寂しい昼下がり。。

the music machine
sean bonniwell, rhythm guitar
mark landon, lead guitar
keith olsen, bass guitar
doug rhodes, organ

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