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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「the mummies/death by unga bunga(2004?)bs2100」立秋



 蝉の腹お岩のおしろいアスファルト

 透明な枠組みの果てに激突せぬ石を吐く珍重される金魚ウゴウゴ

 英国は倫敦その他各地にて暴動惹起せり。政治性や思想性から零れ落ちた、食うことよりもむしろ精神面での生活苦の貧相に根差した粗末で無目的で目先のことのみを渇望するし店舗からの物品の略奪による一時的な富を獲得する、秘密の無い祭りが、高失業率に喘ぐ英国の若者らの間で燎原の火と化したようである。こうした、大文字の文学や思想や歴史と完全に絶縁しえた、単なる無恥と肉迫した有様はかつてのポストモダンの論客が望んだ状況なのかどうなのか聞きたいところではあるが今更インテリゲンチャの意見に権威なぞありますまい。インテリという単語すら知りはせぬ若者たちなのだから…しかし、かような、一見すると政治的思想的に見えるが政治的に組織化されはせずその実はまことに貧相でチャチな目的しかない卑小なる事件という意味では日の本の方が遥かに先進しているだろう…以前に本ブログで書いたが、厚生事務次官夫婦を、愛犬が保健所で殺された恨みゆえに殺害に及んだ事件や、秋葉原連続殺傷事件など…現状への不満が体制の破壊へと思想的に目的化されぬのはそうした思想を知りつつ忌避してるのか単にそうした思想の存在そのものも知らないのか、しかしたとえ知らなくても人間の思考の道筋というのはだいたい、形にならぬ現状→体制破壊へと進むとするとそうした思考力を支える忍耐力が衰えているのか判然せぬ。興味深いのは、日の本では英国のようにプレ民衆レベルの複数人の暴徒とはならず、いずれも単独行であるということである…お国柄と一言で片付けるにはもったいない何かがありそうな気がする…きっちり組織化されなくともネットを通じて緩く同時多発的に集まり暴動を共にしたという意味ではまだ英国のほうが人間同士の連帯の可能性がある分、社会的に健康である。しかし日の本ではそんな、ストリートで自然発生する連帯などなさそうだ(もっとも、日の本では報道規制がかかっている可能性あり。尖閣問題で日の本で中国でのデモを上回る人数のデモ行進がなされた事もマスメディアは黙殺したように)日の本で何事かを惹起する者は関係とは無関係に点在しながら点火、そして立ち処に鎮火される珍事の勃発の果てに如何なる諸相が見えてくるか、とんでもない文化が生まれやしないか。…まことに浅はかで貧相なる荒み(すさみ)という意味では日の本社会の方が遥かに病んでおり、最先端である。小生はこれらの事象をこう呼びたい。「待ちに待った閉塞感」であると。

 さて、ザ・マミーズという芸能者の音源である。お国がいずこなのかよく分からぬしCDの添付された紙に書かれた文字情報読んでもメンバーの楽器分担はよく分からぬし、録音年代もいまいち不明である。調べようと思えばネットで調べはつくのだろうが、眼前の情報のみが彼らの意志であろうという尊重ゆえに調べない。いずれにせよ、ぶすぶすと不完全燃焼する赤熱する灰の根元から恨みがましく聴取せざるを得ぬ、(セックスピストルズ以降のパンク経由の)ハードロックという未明不審の一形態である。ジ・アドヴァーツを思わせる、刃先の角度は鈍いが切れ味だけは鋭いゆえに切れ味良くぶった切るという、繊細なんだか粗雑なんだか不明なパンクのおが屑を所々で着火剤としてまぶしながら、黒色音楽起源ながら当世気質の能天気な白人ライブなノリも踏まえる…昭和元禄ゲバゲバサイケのように茜色の隠微な斜光をいっぱいに浴びて…まぶされるサイケデリアは既に、現代人が民芸品を扱うような市場サイケの上っ面しか残さぬのは致し方ないにしても、どす黒くこみ上げる猥雑はロックという音楽を志してしまった者には不可避な誠実さゆえである…秘密の無い祭りの、空疎な賑やかさ。息はしっかりと臭そうだからお近づきにはなりたくないタイプである。しかし、聞かざるを得ない…容赦無い拳の如きドラムの、場を弁えぬというほどではないが他愛無い小石にも躓きうる、しかしバシバシと重ったるくみぞおちにキメてくる重工業系のドラム…殺伐と歯並びの悪く素行も悪いジャギジャギの、小うるさい蝿のギター…燃えながら水に浮いてゆっくり速く流れ刻む、そこんところはしっかりした重油ベースの妙…聞く者の耳を積極的に聾してくるように変調された、奥行きを幻想させぬ、鼓膜の直近でガナルが如き亡者の攻撃的絶叫。セックスピストルズ以降の思想化されたパンク以前の、ガレージやサイケとほぼ同義語であり1965~69年までに既に勃発使用されていたパンクが貫通している…無論、パンクをかように思想化したのは小生ないしは聴衆の身勝手なマスコミ承認欲求というおもねりに過ぎぬ。

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