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「robert wyatt/rock bottom(1974)vack-1138」痴愚衆
ニッカウヰスキーのシングルモルト余市の水割り…サントリー角しか常飲していなかったためか、味の違いが分かる…余市の、麦を焙煎したかのような、ざんわりと季節の空気をたくし込む枯草が日を浴びて馥郁ともたらす芳ばしくも野趣に富んで苦み走った風味が喉の奥にごくわずかに残るのがよい…日本酒でもビールでも酒は何でもそうであるが、こうしたごく幽かな、酔いの泥沼に嵌ったりうっかり注意を怠れば見失ってしまうような微妙なる風情や苦みを感じ入りたいがために飲むという事…味わうという言の葉がふさわしい。そろそろ電気消して執筆を続けるか…(電気消す)バナナチップスと胡桃を今焼に盛る…貧相な菜っ葉らしきが水面に漂い、判読不能の俳句がしたためられた夏の軸を掛けているが、五月でこの蒸し暑さ…早くも涼を求めて、明日には秋の掛軸でも、陰干しがてら掛けようかと思う…蕪川なる画人による、葦原飛燕図…先週連れて帰ったベルト、気に入ってはいるが、斜め前の職場の人が同じベルトをしていて、どん底まで落ちないまでも落胆方向へ心が沈むのは確かだ…このベルトを着ける度にその人を思い出すのはちと嫌な気がする…やはり真のお洒落は自作するしかないのか…何か知らんがという訳でもない、予言しており願ってもいた事でもあったが、最近、ファッションの感度が高い若者の中でループタイが熱くなっている気がする。設置以来全く更新していないものの、小生のホームページの中の「世界を装う!ループタイ庵」のアクセス数は異様に多いし、直接的に、「若者 ループタイ」という検索ワードで訪問してくる人が異様に多い。開運!何でも鑑定団に出演する業の深そうな骨董数寄老人が身に着けている様子以外見たことなかったのが、最近は、実際、街を歩いていても、ループタイを装着している若者に出くわすことが多い。テレヴィなんかでもループタイをつけている芸人がいたりした(ジャルジャル?)。その芸人さんはTシャツにループタイという自由な装いで、ネックレス感覚で着けていたようだがそれもよい。トキオの人がタイヤの宣伝でタイヤのループタイを着けていたりする。ただ、留め具は既製品のチャラいものが多く、まだ、小生が提唱する、ループタイの途方もない可能性を実践に移すお洒落巧者は見受けられないようだ。そういう時代が来るのもそう遠い話ではないと確信する。児玉清氏が亡くなられ、合掌いたしますが、家紋は蔦紋だったようだ…。武将でいえば確か伊賀焼の御膝元、藤堂家が蔦紋だったと思うし、江戸時代になると遊女あたりの調度品に蔦紋が使われたかと思う。土に直立する樹木に絡みついて時に樹木を枯らしてまで生き抜く蔦の有り様からの連想なのか。そういうことばかり気になる。消音して見るタモリ倶楽部…空耳アワード2011…雨がしめしめと降り注ぐ音が心地よい…ドストエフスキーの地下室の手記から…「そうだ、十九世紀の人間は性格の無い個性でなければならぬ。思うに性格の無い個性である事を強いられているのだ。実行家というものは凡庸な精神の持ち主でなければならぬ。」えっ…十九世紀?二十一世紀の間違いじゃないのか…十九世紀でこんな状況ならば、二十一世紀はいったいどうなっているというのか。
暑気払いに、ロバート・ワイアットのロック底。この御方の出自云々はもう興味無い。ソフトマシーンのドラマーとして珍絶妙音楽を下支えした手練れでもあったのがパーティでの酔っ払いの果ての御人好しな上機嫌の末に二階から転落、半身不随となりドラマーとしての再起が絶たれながら云々には興味ないし、かような事を念頭することは彼の音楽を聴く上で過大なる失敬であろう。サイケデリアの真髄としてのザッパ的なるもののヨーロッパでの勃発という意味でカンタベリー系を論ずることも出来るがそれはヘンリー・カウあたりの聴取に譲るとして、小糠雨がさらさら音もなく注がれる今宵は、黙って彼の心の唄に酔いしれたいと思う…草と水と鱗と虫が織り上げた燦々と降り注ぐ明るい雨のような、大文字の人生とは関わりのない、卑小で悲惨な事柄の連続、本当は連続などというものはあり得ないのだろうけどもそんな経験の檻に縛られているがためにそうとしか見えない連続にしか思えない生活の哀切を成層圏のように唄う…その連続の檻の空しみを、レコードで楽曲が終わった後のループ音の絶え間ない出現で知らせてくる。幹というよりも葉、魚というよりも鱗を寄せ集めてできたような些細で涼しい音楽である。どこまでも速く空しい清らかな音楽である。
richard sinclair:bass guitar
robert wyatt:voice, keyboards,james' drum, guitar, delfina's wineglass, delfina's tray, a small battery
laurie allan:drums
hugh hopper:bass guitar
ivor cutler:voice, baritone concertina
mongezi feza:trumpet
alfleda benge:voice
gary windo:bass clarinet, tenor
fred frith:viola
maike oldfield:guitar
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