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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「frank zappa/zappa in newyork(1976)rcd10524/25」

 

ザッパ イン ニューヨークである。ライブ録音であるが「ライブ」と銘打ってないアルバムなのでこれも録音後、ザッパが編集と修正を加えたものであるのはザッパ愛聴者ならば知悉してしかるべき事項である…と書きかけて、どうにも周囲の、執筆への集中を妨げる状況にイラつきながらも他の部屋は寒すぎるので炬燵から抜け出せず、願わくばサザエさんの消音したいがそれは許されない。まめまめしい義務に満ちた生活の、落ち着かぬ気忙しさの只中でただひたすら浮つきながら書かざるを得ぬ…一日中ほうじ茶ばかり作ってる気がする…

このアルバムについて云いたい事は只一言、これは、特に冒頭の「テディ&ベア」という楽曲は、小生ならばこう邦題するだろう、即ち、「ファンキー・ファウスト」であると。

とっくに大掛かりなショウビズ化されてはいるギタギタしたメタルのガガたる山容を津波のようにドシドシ繰り出す目出度い近未来ファンクのリズムにのせて、ザッパ扮するファウスト博士らしきと、迂闊に近寄ると頭ごと食い千切ってくる、どうにも手の付けられぬ邪鬼の声で場を乱すメフィストらしきとの掛け合いのように聴こえるのからして、これほどまでにファンキーなファウストの達成はこの楽曲だけだと思われる。特にメフィスト役の男(多分、ドラムのテリー・ボッジオ…顔が異なる、むくつけき男どもの中で恐らく一番の年若の美少年にして御下劣な声の持ち主、という混乱させる御仁)の、どうにも救い難い濁声で薄汚い罵りを性懲り無く張り上げるのであるがその内容は恐らく本家メフィストに劣らず人生への洞察を貫く金言に満ちているだろう…詳細は思い出せないが邪鬼のようなのを踏みつける忿怒系明王という仏像があるだろうが、見るに、この忿怒系明王の表情の中味は空っぽ、恐らくものを考えた事はないしその必要性が無い事に何ら痛痒も感じない単純な悟りだろうが、踏み付けられている当の邪鬼は不様ながら眼光炯々として一層思慮深いものを推察される…そうした邪鬼メフィストが、下顎を外した全開で人の頭をガブリと飲み込む深海鮫の獰猛のがなり=金言を延々させるのをいなす具合に、ファウスト役のザッパがクールにレスポンスするのであって…本家ファウストではファウスト博士の方が肝の据わらなさを示しメフィストの方が冷徹に道化るのであるが、この度の「ファンキー・ファウスト」でのファウスト・ザッパは猛獣使いに興じながらもメフィストの知性から邪鬼と獰猛を引き出し、最後は共にファンクのリズムの彼方に消える仕上げ。後はザッパ交響楽の態。ドラムの見せ処「ブラックページ」も所収している。

そうした事よりも今日の最大の発見は、「リズム」という単語をアルファベットで記すと全て子音のみで母音が無い、という事である。rhythm。ここに西洋音楽の秘密の一端があると確信する。

ザッパのクレジットにコンダクター、とあるのに目くじら立てるロック論者も居るやもしれぬが今宵はそれには触れぬ。貧民向けの地上波は再放送ばかりで殆どぼったくりバーのようなNHKで夜中に再放送しまくる吉本隆明特集を何だかんだでもう4回目くらい視聴するのに嫌悪し、ついに吉本隆明も、民主的多数派の耄碌した懐古趣味に回収、消化された無害化の結果なのか、と、…考える事多数あるが次の機会に持越したく、久々にレンタル屋で借りたのは…アウトレイジ、そして細君が見たがる武士の家計簿と羅生門…それを二日がかりで見終わって返すついでにまた借りたのはアウトレイジ・ビヨンド、溝口健二の雨月物語、そして細君が見たがる座頭市とアルプスの少女ハイジ…アウトレイジ…ほんの一滴でも、人間関係の信頼というものを信じてしまったものは、まるでその信じる事が猛毒だったかのように呆気なく次次に凄惨な死を遂げる…ほとんど殺されて、そうした挙句に生き残ったのは三浦氏という俳優と、今時の、英語と算盤に明るい経済ヤクザの二人であったが、この経済ヤクザに対する映画の中での解釈は、本作においてはまだ保留、という形であった。保留という形の解釈かもしれぬが次回作ビヨンドで、この経済ヤクザへのけり=解釈?をつけるのであろう、と推察する…ヨーロッパ文化が古典ギリシャ・ローマ文明とゲルマン民俗とキリスト教の混成であるように日の本では漢学とヤマト民俗と仏教の混成であるならば漢学やらないと日本語の真髄も何にも分からない、漢籍を読み下すために町の儒学者に教えを乞いたい処だが2015年、そんな儒学者が身近に居るはずも無く…差し当たって四書五経を精読する前に王義之の蘭亭序の臨書を独習し始めるが全然駄目だ、出来ない…土鍋を糞欲しいと念じながら目に適うたものがない日々…美の壺の再放送でまた土鍋特集をやっていた…轆轤目と胴締めがぐわぐわ力強い、飴釉を下敷きにした黒釉で、少し浅めで、見込みは柿釉の土鍋をぜひとも育てたい…と強欲する。十数年ぶりに見た羅生門の京マチ子はもう本当に平安末期の高貴なドぐされ女にしか見えない凄みである。

今週いろいろ考えたけれども今夜は書く時間が無いので来週に回したい主題の、叩き台

1.思想的善悪と社会的善悪の対称/対偶関係
2.「多数」の「絶対化」という止揚が全体主義の一起源である。

frank zappa:conductor, lead guitar, vocals
ray white:rhythm guitar, vocals
eddie jobson:keyboards, violin, vocals
patrick o'hearn:bass, vocals
terry bozzio:drums, vocals
ruth underwood:percussion, synthesizer, and various humanly, impossible overdubs
don pardo:sophisticated narration
david samuels:timpani, vibes
randy brecker:trumpet
mike brecker:tenor sax, flute
lou marini:alto sax, flute
ronnie cuber:baritone sax, clarinet
tom malone:trombone, trumpet, piccolo

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