忍者ブログ
 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
[419][418][417][416][415][414][413][412][411][410][409]

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「deaf school/what a way to end it all(1976-1978)cmedo797」



糸遊に結びつきたる煙哉 芭蕉

デフ・スクールという英国のバンド。時間が無いのライナー斜め読みすると…リヴァプールのアート・カレッジ、クリスマスでのダンスパーティでモテたいがために結成したダンスバンドが始まり、というありがちながら…隣接する聾唖学校でセッションを重ねたとの由。いわゆる英国アートスクール系ポップロックにして広義にはモダンポップ/モダンロックの一潮流…従って常套の形容詞を挙げればライナーによると…モダン、シニカル、ノスタルジー、ロマンティズム、デカダンス、ユーモアといった処…屈託なくブルースロックの様式から解き放たれて、民族調の女性コーラスを背景に、雰囲気作りをぶち壊すならず者の御下劣サックス浪人先生を雇いながら、甘ったれつつ何処かラリった変態声の男が音程無視で下品に歌い染めてくる…野太く腐った丸太じみた男どもの斉唱も土砂土砂したリズムと共に鉈のように打ち込んでくるからこうした系譜はやはりどうしてもザッパの音楽に聴こえる瞬間もありつつ…古代ギリシャ人かローマ人の自然哲学者の誰かは、人間というのは心の原子と体の原子が交互に配列している、という独創的な原子論を書き残しているが…デフ・スクールも、ポップと前衛が交互に配列した背骨であるかのように、要するに不可解である。従って奇抜、という突出も最終的には埋没してしまうほど異色の楽器編成と量子的に捉え処の無い楽曲展開であり聴き処だらけであった…いつ買ったのか忘れたが最初の1、2曲聴いただけで放置していたこの物件、この度改めて聴き通すと意表突かれる事多数である。水際立って華麗なプログレ展開が繰り出されたかと思いきや、同時に、その高雅なプログレッシブ趣を平気でぶち壊す御下劣サックスがべーべーと下世話に鳴らされ、品のいい趣味のリスナーには聞くに堪えない代物への没入も戦略的にやる尖りがそこかしこで自爆している…XTCや10ccほどの作風の完成度は望めないものの、その分、風通しよく、すかすかに寛ぎながら一筋縄ではいかぬ先鋭を意外な処から掬い取るのに長けており、雑多な事物が蠢く基底により近い柔軟性が聴こえる。ラディカルである事がある種の脱力を伴うという先見も聴こえてくる…

休日雑感 五句

馴れるほど葱はつながる小口切り
湯に溶けよ胸刺す楔ドライヤー
プロ野球お好み焼に美味しんぼ
いざ抜いた鼻毛は白し青梅かな
酒余り逃して悔し豆腐売り

六月二日、雨、ナイター、広島対日ハム戦を球場で観戦…雨合羽持ってきてよかった…しかし試合中止になるほど篠突く雨ではない、霧雨風情の雨なので…体が冷える一方でビールもさほど進まず、しかし体の冷えによって少量のビールでも大量の尿が出るから中座を余儀なくされつつ、種々の荷物の雨仕舞いなどに追われて試合展開にも集中できない悪循環もあったが試合も最悪、雨の中、中継ぎへの絶対的不信感から先発のマエケンに8回まで投げさせた挙句、辛くも4-2で広島がリードを維持していたところ、9回で、多少は頼りがいのあると思っていた抑えのエース中崎がまさかの乱調、フォアボール連続で日ハムの追加点をゆるし、浮足立ったベンチは闇雲に中崎→戸田→中田(廉)と継投に走るも、もともと頼りにならぬ中継ぎだから日ハムの、清原への私淑を勘繰らせて余りある悪羅悪羅系が似合う4番中田とかにどんどん不甲斐無く打たれて9回だけで5点も取られて4-7で惨敗という、開いた口が塞がらぬ結果…しかし、実力通りの、納得の結果でもあり、…先の4点も、日ハムのフォアボールとエラーに付け込んだ盗塁によるごっつぁん的な得点に過ぎなかったのであった…とは言え球場での観戦では観客の観客性の剥き出しが観察され、テレビ観戦では味わえない臨場感は貴重である。それにしても広島の攻めは三者凡退続きであっという間に終わるが日ハムの攻めは執拗に長く一回一回の3アウトまでがすこぶる長いから広島の投手への負担は推して知る必要も無く、投球数が1.5倍というデータできちんと示されている…8回、ずぶ濡れ且つぼろぼろのマエケンが疲労で制球が甘くなりヒット性の打球が例の中田から左中間へ飛ばされるが、たまたまその場にいただけの、その辺をのそのそするだけで走る守備をする気の無いらしきエルドレッドのグローブにボールが直接吸い込まれて、喉から手が出るほど欲しいアウトをようやく得るという奇跡があると後方から満場に響く野太い男声がすかさず「ありがとーっ」という心の叫びを露呈、観客性剥き出しへの直面に図らずも感動したのであった。この御方、先ほどから機敏にしてなかなか的を射た野次を飛ばしてくる…特に捕手会澤への野次が当意即妙にして執拗である…「ピッチャー一人にするなやーっ」「芝生が怖いんかお前はーっ」など…ピンチの時、一塁の新井がマエケンに駆け寄るというシーンはあったが捕手が動いたことは確かになかったし、野球観戦初心者の小生はドカベンとかタッチとかの影響で捕手は5番くらいで本塁打などを打つ事で投手を助けるものと思い込んでいたがこの会澤は打席に立ってもボールを見る気全くなし、見逃し三振でも悪びれ無いふてぶてしさが悪目立ちしていたのである。まだ打席のマエケンの方がボールにくらいついて打点に貢献する場面が多かったのである。日ハムの大谷が代打で出たがあっさりマエケンに三振で打ち取られて一打席だけで引っ込むという、試合の流れ上必要性が疑われる、客寄せパンダのような起用の小さな珍事が面白かった。

制度内であれこれするだけで根本的に創造的でないスポーツというものを、見る方も見られる方も奴隷の御遊戯として徹底的に軽蔑していた小生が何だかんだで観戦を楽しむ、乃至は味わうようになっているのは…野外でのビールの旨さもさることながら…世相が詰まった、あるいは巧妙に隠蔽されたニュースなど視聴すると怒りに激高し胸が痛み精神的に動悸著しく生活や創造に支障を来すので休憩がてら漫然と、直接には政治的でない野球中継や将棋トーナメントを視聴するようになったという流れである…と、ニュースと云えばNHKニュースウォッチ9…さほど政治的に突っ込んだ発言をしている訳でもないのに原発関連で多少政府を問い質すようなごく常識的な抑制されたコメントを繰り返しただけで官邸から恫喝されて降板させられた大越氏に代わって登場した男性キャスターの露骨なまでの政治的自粛が凄まじいほどで…安全保障、労働、原発、年金といった政治関連のニュースには絶対にコメントを入れない無言という徹底ぶり、政治的にどうでもよい話題の時だけ生硬なコメントを入れるという…そしてお天気とかスポーツコーナーになるとそうした不自然を払拭するようにわざとらしく明るく切り替えてくる…誰もが気づいていることではあろうが…皮肉なことに今、最も「政治的」なニュース番組に仕上がっている…だいたい、民放などは自民党の支持母体である経団連大企業をスポンサーにしているから政権批判が困難なのは分かるがNHKなんかは直接国民から受信料を徴収して経営しているのだから最も国民の側に立って政権批判に徹すべき立場であり、だからこその公共放送であるものを、最早たんなる国策国営大本営放送へ堕している…政治向きの意見は時論公論にでも譲っているつもりなのだろうが…いずれにせよNHKは放送時間のあらゆる時間を使って国民の側に立ち政権批判に徹しない限り公共放送としては無価値にして死んでいるといっていい…国民主権を国家主権に取り違える愚民開発放送…ワンピース一本槍、我が道を行く井田さんと対照的に、此度の女性キャスターのファッションは、…通夜の喪服や田舎の法事での服装のように何だか地味で見栄えせぬ…同じNHKのニュースウェブを渋渋、音を消してまで見ているのは女性キャスター鎌倉千秋のモード系ファッションの斬新さや着こなしが目を見張るからであって、特に、画面を指さす時に自ずとクローズアップされる手首のブレスレットが夜の世界の美しさを醸しており毎日目が離せない…それに引き替え目障りなのは画面下のツイッタ―垂れ流しであって、ニュースウェブと銘打っているから視聴者としては受け入れるしかないのであるがファッション目当てと云えどどうしてもちらちらとその内容を黙読してしまう訳でその度に疼く怒りが禁じえない…過日の、個別系塾講師バイトの大学生たちが労組結成して塾側と労働条件の改善を団交するという話題でも…取り上げられたツイッタ―意見の大半は「自分のバイト先はたいしてきつくない」「学生を甘やかせすぎ」「すぐやめたらいいんじゃない?」「そこまでするまで何とかならなかったのか」といった、労組結成に対して冷淡な反応、危険を冒して自らの権利を守ろうと、政治的歴史的に正攻法で立ち上がった、今時珍しい学生の勇気と努力を讃え励ます事はなく、そうした行為に対して何処か傍観者的な、君子危うきに近寄らず的な及び腰の、小賢しくさもしい警戒を怠らぬ保身の態度が垣間見える、歯に衣着せたツイートばかりだったのである…事例紹介ばかりしても仕方ない。

野球の話とか、労組への冷淡とか、結局何が言いたかったかというと、此の国の共同体原理にはびこる「抑圧移譲の原理」なのである…野球のような娯楽でこの原理が働くのはぎりぎり許せるようになったが、政治状況でこの原理が作動すると絶対に容認してはならない…「抑圧移譲の原理」とは、丸山真男が戦時中の皇軍実態の解析において導入した概念の一つである。その現代的事例は枚挙に暇ないが…飲食店やコンビニでの、店員に対する高圧的土下座要求、学校や老人介護施設や障害者就労施設での絶え間ない虐待、長時間労働の強制やブラック企業などの労働問題、それらの反作用としての皇室礼賛など…すべて、この「抑圧移譲の原理」の現象論を現代の事例に当てはめれば説明がつく。「抑圧移譲の原理」の行き着く終着点は「排除の論理」、要するに「嫌なら会社やめろ」「此の国が嫌なら出ていけ」「非国民!」である…今日は、鑑定団二本立てを2時間視聴して疲れ、鈍器で殴られたように激しい眠気に襲われているので…次回、「抑圧移譲の原理」(要するに「憂さ晴らし」「弱い者いじめ」「足の引っ張り合い」という弱者の坩堝)で現代日本の劣悪諸相をつぶさに説明し、丸裸にすることでこの「抑圧移譲の原理」と「排除の論理」を小生が徹底的に粉砕する予定である。有り触れた話なんだけども…

そういえばNHKの低俗歴史番組「歴史秘話ヒストリア」…「オレは即身仏になる!」などと…明らかに「即身仏にオレはなる!」という構文であの億万漫画を想起させつつ、それではあまりにもアレなので露骨に避けはする、というあざとさが、ふざけるにも程がある。女性司会者が湯殿山の即身仏と御対面して一泣き入れる、という申し訳程度の畏敬もあったがどうにも…ふざけるにも程がある。

クライヴ・ランガ‐:g
スティーヴ・アレン:vo
スティーヴ・リンジー:b
ジョン・ウッド:kbd
マーティン3姉妹:コーラス隊
ティム・ウィタカー:ds
サム・デイヴィス:vo
イアン・リッチー:sax
他、合計12名

拍手[2回]

PR

この記事へのコメント

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧できます
 

忍者ツールズプロフィールは終了しました

HN:
々々
性別:
非公開

08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

ロック史最新記事

(03/03)

ブログ内検索

最新トラックバック

忍者アナライズ

Copyright ©  -- 仄々斎不吉 --  All Rights Reserved

Design by 好評ゼロ / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]