ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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秋たけなわ…
成し遂げてしまったが故の虚脱感とでも云うべき感覚が未だに尾を引いており…先月、数多の困難を乗り越えた上で成功を収めた新境地のBBQ茶会の余韻こそ廃れているものの…ぽっかり穴が開いたような、がっつく気力が失せた満足感と、其の事とは無関係に生活に通底する具体的な不安の数々がせめぎ合う訳でもなく、漫然と混在した自堕落な調和の内にあるから…結果として神経が棘立つ鋭敏さが失われ…静かな秋の深まりに沈潜する気分に流されたままだった…件の新境地の折に味をしめた山の出湯の、心身がわだかまりなくほぐれる温かい快楽が忘れられず、山の風情にはちと飽いたから今度は海の風情へと移り気のままに、光の中で島が揺蕩う内海が一望できる温泉へと車を飛ばし…涼しい潮風に顔の火照りを覚ましながら首から下はどっぷり温泉に浸かる行楽へといそしんだのはつい先日の事でもあった…静かに湧き立つ湯の表面に漂う湯気が、潮風に当たって吹雪のように激しい動きを見せる乱流をジッと眺めながら、遠方に見渡せる海上の物憂い広がりに、懲りた自己を自由に解き放つ自堕落を味わう贅沢…気が気でない切迫感に便乗した精神を遠い夕日のように眺めるから、日に日に世界との梵我一如が近づくのか…とは云え…一年かけて実らせた農作物が収穫目前に台風や洪水でやられる、本丸御殿の再建も含めて十数年に及んだ修復工事がやっと終わった直後に地震で崩壊した熊本城、そして、これまた数十年かけてやっと完成した直後に何故か炎上した首里城、と…シジフォスの不条理神話さながら、天意を前にした人為の空しさが際立つ事件に、遣る瀬無い怒り、悔しさや喪失感も全て含意した、諸行無常としか云いようのない法則を感覚として肌で感じる…。美味しんぼのDVDのシリーズを見終わり…今、専ら夢中なのは、倉本先生の「北の国から」シリーズ…ごく稀に遭遇する、お昼の「やすらぎの刻」も、はっきりいって糞面白い訳だが(高級老人ホームに入居した裕福な御老体たちが博打にのめり込むは偽札作りに巻き込まれるはと、何やってんだか。老いてなお破天荒極まりない脚本には舌を巻く)…代表作「北の国から」もまた、毎度毎度痛烈に発露した生の問題を突き付けて来て、抱腹絶倒の感動を齎してくれる…環境問題、資源問題が抜き差しならぬほど現実味を帯びた今だからこそ、再放送すべきドラマである…生身の人間が他の人間を演じる、ドラマならではの虚構の肉体の、圧倒的な表現力を、称揚せずにはいられない、演劇と云う表現形式の、時代を超えた不可欠さを痛感する。
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