ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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献杯…
へうげもの最終巻25服読了…感慨無量…今はとても、多くを語る気になれず…家康との末期の直接バトルの末に織部がうっかりルサンチマンに襲われて潔い死に様に納まりかけた処で、思い出の利休の無言の忿怒の鉄拳が虚実諸共貫通するようにして土壇場の織部の顔面をぶち殴り、またしても織部の為すべき生き様=死に様を示唆する山田先生の誠に滂沱の涙を禁じ得ず泣き笑いの笑い泣き…乙にへうげた往生際の悪さの、何とカッコよい事か…文字通り、人間の必然としての必死から意図せずまろび出るおかしみの一笑こそが一生そのものであると…其の痛烈なる毒素のおかしみ…其れに比べて、体制に隷従する潔い死に様の、何と貧相で惨めったらしい事か…作中の端々に仕掛けられた先生の創意と思想を細部に渡って連載十数年の間に己の細胞の隅々まで行き渡らせたが故に、一筋縄ではいかぬ苦々しい現実が己の中で主体化されて尚、爽快極まる後味の、ひとまずの此の結末には無茶苦茶励まされて嬉し涙が止まらぬにしても…安易に其れに浸らせはせず、次を見据えるしたたかな眼光の鋭ささえも、此の結末は小生に与えてくれる…もう新しいへうげものの話が読めないのか、と思うと無性の寂しさもひとしおなれど…萩焼櫛目紋片口鉢に植えた、恐らく蘇鉄や棕櫚と並んで織部好みであろう、南国のガジュマルを添えて、小生が最も寵愛している、黒備前宇曽利山縁堕天使目跡盃にて献杯…「ひょうげものめ……」

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