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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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服喪を終えた焦燥…

結局此の一週間…へうげものの完結に対する喪中と云えば聞こえは良いが…事の次第は単なる自堕落な成り行きで、既刊の、既に十分隅々まで知悉している物語の中からお気に入りの箇所を反芻するようにして遡って摘み読んで行く内に気が付いたら全25服を数往復も読み返してしまうと云う…新しく得た知見など何も無い幸福な自堕落に陥ってしまい…さすがに此処に来てもう、へうげものには一旦飽きてしまい…無論、此の作品が凡百の漫画のように使い捨てされる読み物には収まらないのは十分認識しているとは云え…同じ事情として、乗り鉄の人が、廃線が決まった路線の廃線日の一週間前に現地入りして廃線日の最終列車まで何度も何度も運行ダイヤ上可能な限り往復した挙句、さすがにもう此の路線はいいや、と、飽きて諦めがつくまで乗り尽くしてから廃線日を迎える、と云う話が思い浮かぶが…兎に角この先を生きなければならぬ現実に、ようやく対峙する気分である…それで一旦改めて対峙してみると、此の一週間、思想的に何ら新しい前進を得られなかった事に対して、そんな事している場合ではないのに、と、無様な悔恨がぶり返してくる焦燥で、わなわなと取るもの手に付かず…マンジット・クマールの「量子革命」と云う読み物は確かに面白く…そもそもプランクに次いで、光電効果を説明する理論として光量子仮説を逸早く提唱したアインシュタインは量子力学の開祖の一人であるにも関わらず…ハイゼンベルクが発明しボーアが物理的意味をまとめ上げパウリが精査した量子力学の定説である処の…位置と運動量の不確定性、測定者(測定機器)次第で粒子的性質を表出すれば波動的性質も表出する、測定者と測定対象との相互作用の不可避性、そして其れによる因果律の否定、物理的実在の否定(客体の否定)、…といったいわゆるコペンハーゲン解釈に対して、アインシュタインは創意溢れる思考実験を繰り出しては疑義を突き付け、敢然と執拗に立ちはだかる…其の度にボーアらはアインシュタインへの反論を練り上げれば、またアインシュタインが創意溢れる卓抜な視点を繰り出し、コペンハーゲン解釈を突き崩そうとする…と云う過程を繰り返す事で、量子力学が理論として鍛錬されるその過程のスリリングさと、そして何よりも、己が其の創始に一役買った量子論を継承し定説化しようとする、当時でさえほぼ物理学の主流を勝ち得ていた早熟の天才たちに対して、ある意味古典物理学を代表する最後の壁の役割を引き受けて立ちはだかるアインシュタインが繰り出す思考実験の、老獪なまでに意表を衝く創意が実にスリリングで目頭が熱くなるにしても…こうした物語に浸っている場合では、本当は無くて、…ここで詳細を開陳出来ないが小生が目下抱える問題としては固有名詞の取り扱い方であって、此れさえ突破できれば後は何とかなると云う目算があるのだが…無論、山田なら山田、とか、固有名詞を書くことは出来るし、あるいは、いわゆる物語形式の中で固有名詞を「リアル」に「表現」する事も出来るのだが、そういう事ではなくって、まあ詳細は此処では云えないにしても…線形代数の行列の基礎で固有値、固有方程式と云うのがあるから其れが固有名詞と何か関係は無いかと思って、其れだけ読めば実に突拍子も無い話と思われようが小生の腹案では勝算があっての事で…固有値と固有方程式の定義式を眺め続けるが未だ何も掴めず…己の低能を呪うしかないのか、と、またぞろ焦燥がこみ上げて来る…例の本によると…ハイゼンベルクは自分が行列による量子力学=行列力学を創始したにも関わらず、当時は「行列」を知らなかったと云う…電子の不連続なエネルギー遷移の組み合わせを縦横に全て書き出して丸ごと考察を進めて行く内に…p×qとq×pが異なる結果となり、そしてひいては此の結果が不確定性の表現となる確信を得たのだが、しかし、p×qとq×pが異なるなどと云う事は数学的にありうるのか、分からなかったらしい…しかし此の疑問点を除けば、あらゆる量子現象を正確に記述できる事が分かったので論文にまとめて、当時の指導教官のボルンに提出し、其の疑問点を訊ねるのだが…ハイゼンベルクよりは比較的数学に詳しかったボルンは一週間ほど考えた挙句、いや、此れはいわゆる行列じゃないか、と気付く訳で…つまり、当時の、つまり1920年代の物理学者というのは、微分積分を主な武器としているが、数学の世界では19世紀には完成している、四則演算から微分積分まで一般化した線形代数としての行列演算を知らず、学部の教養で習ったとしても記憶の片隅にすら無く、ましてや物理学に行列が応用できるなどとは思いもしなかったのである…行列演算ならば、p×q≠q×p(行列の非可換性)として、教科書の最初に載っている基礎的事項なのである…ハイゼンベルクは行列を知らないのに、ある意味独力で行列演算を創出し、行列によって量子力学を記述していると直感したボルンは、もっと数学に詳しい助手のヨルダンと一緒にハイゼンベルクの論文を数学的に整えて、ハイゼンベルク/ボルン/ヨルダンの不確定性原理が成立する…と云うような経緯を思い返せば、行列を知らないのにゼロから行列を作って全く新しい理論を樹立したハイゼンベルクの発想と云うか天才的構築力と其の努力には改めてあきれ返る…ましてや、行列の存在を知っているのに理解できない自分の低能との雲泥の差を思えばなお一層…焦燥が蒸し焼にされてこむら返りしそうだ…貴乃花親方がしくじり先生に出演して事態の真相を語る日は近いような気もする…

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HN:
仄々斎不吉
性別:
非公開
自己紹介:
 数寄の天下を獲らんがため号するは、仄々斎不吉。

 三千家(裏千家・表千家・武者小路千家)及び諸家茶道流派に例外無き教条点前に豪を煮やす一方、近代数寄者(益田鈍翁、高橋掃庵等)以上に見立ての幅が広がった現代茶会に更なる侘びの新風を吹き込むべく研鑽を積む。

 利休の、無産有産といった階級をも併せ飲む侘びの骨頂に根ざしながら、そうはいってもありがちなブルジョア金満足だけは厳に慎みたい労農茶人。

 草木に臥してなお風雅を愛でる仲間であるために、茶の湯だけでなく、路上観察、テレビ跋渉、音楽及び納豆評論、 30人31脚批判もこなす趣味人にして愛陶家。 猫舌。


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