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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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旬の枇杷旨し

梅雨晴れや産毛で弾く枇杷たわわ

なかなか状況がじっくり書かせてくれない状況の中で…手短に…人工知能と云う訳語の氾濫について…一体何が知能と云えるのか未だ定かではないはずの、人類永遠のテーマである知能がソフトウェアで再現できると云う事らしく、人工知能と云う文脈で云われる処の、其の知能として措定されている「機能」としては自己学習機能などが挙げられているようだが…実際、人間にとって知能とは何か、と云う問いに対して普遍的で絶対的に正しい解答など得られていない状況であるにも関わらず、プログラミング技術の当事者たちが、其の社会的影響を深く考慮する事なく行き当たりばったりで早い者勝ちとばかりに「こういったものが知能でござい」と喧伝しまくり既成事実化すればするほど…即ち、人間の知能と云われるものが目に見える形で商品化されればされるほど…本来の人間自体と関わる知能自体が、其の、「商品化され定義され有限化された人工知能」へと馴れ合い、漸近して行く傾向は免れないようで…

其の人工知能が、人間が所有する知能よりも良質なものならある意味神の領域に近づく訳で結構な事とも云えるが…人間が漸近する対象である人工知能が劣悪なものであるならば、人間が所有する知能は劣悪化する訳で、実態は後者である可能性は高いから、また新たな反吐が出る訳である…要するに、人間の知能は、商品化された人工知能へと劣化するだろう…一体、商品化された知能の何が愚かなのだろうか…其れは、其の現場で喧伝されているセールスポイントを列挙すればいいだけで…曰く、大勢の群集の中から顔認証できる、とか、将棋で人間に勝てる、だとか、人間の言葉に其れらしい応答が出来るだとか…要するに現在の処、人工知能と云われているのは外的で現象的な機能に過ぎず、其れだけで云えば単にプログラミング技術の延長に過ぎない…翻って、人間が考える、容易な定義を拒む人間本来の知能とは…そうした機能の現象的顕在能力のみを独立に扱うのではなく、心や感情と云った、何処までも内在的で、顕在化する現象との対応関係それ自体を無効にし得る不連続で不確かなものとの関係性を排除しては語れないものなのであって…

愚昧なる脳科学者や行動心理学者などと云った、人間を社会に売る奴隷商人どもが例えば…怒っている人間の脳みそのある個所が充血している、あるいは何とか云うホルモンが分泌されているから、感情の一種である怒りは脳のある個所、あるいは何とかホルモンであると定義する訳だが…そんなものは目先の現象に過ぎず、たとえそうした現象が身体で起きようとも、其の人間が、怒っていないと主張すれば覆る、「主観」的問題なのだから客観的現象的結論など意味がないのであって…知能と云われるものも、そうした、不連続で不確かな心や感情と不可分なのである…だから、内在的な心や感情を都合よく捨象した(人工)知能を人間の知能と認めてしまうと、知能は、単なる現象へと劣化する。云いかえると…心や感情は内在的でしかなく、外的な条件付けや外的な表出は本来不可能なものであり、例えば身体の状況や外部からの実力的脅迫が内的心理に影響を及ぼす、などと云うのは、其れを肯定する者にとっては真実かもしれないが其れを否定する心を持つ者にとっては虚構に過ぎず、即ち主体である人間の主観に左右される事から、心への影響云々は普遍的真理ではない。また、心理の表出としては言葉や表情があるが、結局此れらを解釈するのも人間である以上、主体である人間が判断する事なのだから普遍的真理では有り得ないだろう。現象を判断する人間がどこまでも主体であり主観的である限り、そうした主観は外的に普遍化されず法則化されないのだから、主観は何処までも不確定で不連続で曖昧な振る舞いに留まる…そして、かような曖昧さ、即ち自由こそが主体の立脚点の条件なのである(そして、斯様な主体や心さえも結局は虚構に過ぎない…)。心が、外的条件で決定され、外部に対応するならば其れはいわゆる機械論であり、自然の摂理による万物決定論に堕するだけなのだから、其れは人間の主体性の否定である。単なる高速アルゴリズムに、人工「知能」と云う商品名を烙印する事は、人間を機械的決定論で抑圧し、人間の主体を否定する事になる一方で、人工知能の隆盛に乗して機械的決定論に組する奴隷的人間は、其の決定論に従って、単なるロボット人間へと堕するだけだろう。こうして、人工知能の流布は、主体性が無いし求めもしない、奴隷的ロボット人間を量産するだろう…

しかるに、たかだか現象のみを取り扱う高度なアルゴリズムに人工「知能」という商品名を被せてしまうと…それでなくても国家と市場の理屈には滅法弱いあまたの奴隷的人間は、商品の中で承認された浅薄極まる(人工)「知能」をこそ人間の知能なんだと無批判に従属的に嬉しげに受容して、…人間の知能の劣化に歯止めが効かなくなり…皮肉な事に、人間本体の知能の方が、「人工知能」に等しくなってしまう、と云う、惨めなSF的結末が、もう、現時点で目に見えるようである。「人工知能」と云う商品名の「高度アルゴリズム」の流通のせいで、現象だけを連続的に線形的に高速で追いかけ、目先の事しか効かない(人工)知能を己の知能としたロボット的人間が増殖する未来に…胸糞悪く思っている次第である…そして、主体性が元元備わっていない奴隷的ロボット人間が、全体主義社会を構成する主たる「材料」(ドストエフスキー)になるのは火を見るより明らかである。

だいたい、「人工知能」の真っ先の使い道は、国家による言論の「検閲」に決まっているではないか…中共は人海戦術でネットを監視して、不穏分子を洗い出しているようだがそんなものは、「人工知能」にまかせて、ネット上のあらゆる言論の中から不穏な用語や文脈を洗い出させて、其れを書き込んだ人間の身元まで官憲に一括で報告させれば済む話である…人工知能で文明生活が便利になる反面、人間の本来を不当に取り締まる碌でもない道具になる蓋然性の方が遥かに高く、絶望的である…此処で書いているような事も、そして小生のブログも、共謀罪法成立によって、将来開発されるだろう、そして既に密かに稼働しているかもしれない人工知能「特高君」(小生による仮称)によって監視されるのである。そして此れを閲覧した御方や、拍手ボタンを押した御方の身元も一網打尽という訳である…人工知能のせいで奴隷人間がロボット人間へと更なる劣化を遂げる時、人工知能によるこうした人間弾圧に更なる拍車をかける劣悪な相乗効果となるだろう…

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