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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「the rolling stones,now!(1965) 」 2008年9月12日  仏滅 鬱雨

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 さてローリングストーンズの才能の無さは、ビートルズが居なかったらこの世に居なかったかもしれない依存性に起因すると思われるが、こうした才能の無さの伝播、ビートルズもどきの雨後の竹の子バンドの単性生殖もまた、ロックという音楽が生まれながらに備えた才能とも言えるだろう。

 60年代初期、その同時期のビートルズの仕事ぶりに比べたら、ストーンズのその頃は、無能にブルースをコピーする我武者羅ではないか、と独りよがっていた矢先、聴くと、既に後年の傑作群の萌芽が芽生えを拒絶しつつ煮えたぎっているではないか。極論もよかろう、そう、ビートルズがベケットならば、ストーンズはブランショである。方法論が全く異なるのである。外への逸脱による創造か、専ら崩壊を目的にした内部崩壊か。退屈なのはいずれも変わらないが、後者の、忸怩たる攻撃性に私は身を寄せたい。

 かつて宗教を批判しえた科学が、功名心に長けたダーウィンの進化論を以って資本主義におもねる悲惨を批判しえないばかりか増長促す有様は、高度資本主義の煽りの下に前近代的マキャベリズムへの盲従を強いる今日である。逸脱とか、目に見えて新しげな変化は制度を補強する階段へ飲み込まれる運びであり、如何にジョンが無政府主義的歌「イマジン」を歌おうとも、イマジンが9.11後のアメリカ帝国への癒しに利用されたばかりか、その癒しがアフガン、イラクでの無辜の民間人大量虐殺を招いたのだった。逸脱解脱よりは癌で死ぬべき、とストーンズなら歌っても可笑しくない。そしてこの土俗。形振り構わぬ怒涛のリフは滋味あっさりと、しかし煽る煽る、ぽつ然と。いたって退屈であるが、従わぬ退屈である。熱力学エントロピー増大の法則に反するのはストーンズで、薄まらぬばかりかいたずらに濃くなる。想像性創造性を一切放棄して。

rollingstone.JPGthe rolling stones,now!(1965) abkco74202

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