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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「the red krayola/singles(1970~2002)dc257cd」初時雨


 先週は昼時のマクドナルドにおけるママ友会合の荒み、あるいは物凄い音圧と高周波数の、人間の生の絶叫騒音について指摘した。とはいえ、マック内はママ友だけではない、小生も居るし、一見マックとは縁が無さそうな老人も結構バーガーを頬張っている。最近近所に出来た回転寿司「かっぱ寿司」は連日超満員で大盛況、マックと回転寿司がいつもいかなる時間帯も満員で時間待ちの列が長すぎるこの様は、狂っているとしか思えない。長蛇の列の回転寿司には行く気がしないがマックには行く小生も、多分狂っているのだろう。正確な名前忘れたがジャーマンソーセージバーガーを早速摂取、旨い。老若男女みんなマックが大好きだから、24時間マックに押し掛け、バーガーやフライドポテトを食う現状…頭がおかしくなりそうだ。そしてマック内ママ友会合と一口に言っても、当たり前だが様々な種類の人間がいる。中でも、さすがに目を背けたくなるのは、昨今は多いのだろう、躾けというよりも虐待の域に入ったと思しき母子である…二組の母子、そのいずれの母親もべっとりと荒んだ茶髪、服装は灰色のずんだれたジャージにサンダル、金メッキの巨大なネックレスに汚く剥がれたマニキュアという感じで、子も既に茶髪で尚且つジャンボ尾崎の功罪をしっかり継承する、後ろ髪伸ばしヘアである。ああ、まあ、よくいる類だし、あまり気にするほどでもないのだが、全体的な騒ぎの中で突発する、その、有体に言えばヤンキー系の、若くして子をなした、しかし生活疲れとそれを隠蔽しようとする厚塗り化粧の相克が深いしわとなって荒んでいる痩せた母親のヒステリックな高音は耳につく。彼らが食べ終わって店を出る時、後ろ髪伸ばした子の一人は幼児用の脚の高い椅子に座らされており、腹のところに、ジェットコースターの椅子のように転倒防止の横棒が固定されているのだが、子はそれを一人でうまく外すことは出来ない。母親も手助けしない。苛立つ母親の罵倒が響く「早くしろよこの糞馬鹿!」「遅えんだよ、さっさとしろよアホかお前はよお!」「うるせえんだよいい加減死ねやオラ!」「…!」「…!」延延10分も罵倒が続いたのだろうか。母親は「もう知らん!」と言い放って階段を下りてしまった。もう一方の、薬缶のように太めで同様のファッションの母親も、そうした事態に飽きているのだろう、無関心そうに(小生の主観だが、一瞬不敵な笑みさえも浮かべて)一緒にどこか行ってしまった。その子を、良くも悪くも大人へと道徳的に導こうとする躾けというよりも、元よりそんな思想も生活の余裕も無いのだろう、ただただイラつかせる、ムカムカさせる忌々しい存在として子を見なし、罵詈雑言が噴き出ているようだった。横棒のせいでそこから脱出できない子は泣きじゃくり大声で叫びながらガンガン体を揺さぶるものだから脚が高く不安定な椅子もろとも転倒しそうになり傍観者の小生でさえも思わず立ち上がった時に、ようやく母親が戻ってきて、横棒を外し、例の罵倒を浴びせながら子の腕をぐいぐい引っ張って店内を後にしたようだった。そしてその一方で、別のママ友グループでは、如何に子らが店内をドタドタ走りまわり椅子をバンバン叩きまくって音を出すのをひたすら続けようとも一向に注意せず幼稚園での噂話や催し物の役員選挙の成り行きに夢中、といった光景も厳然としてあった。ママ友連以外の老人、労働者、オフィス系サラリーマンらは皆黙ってバーガー摂取。
 自分として、こうした状況を、教育評論家然として批判するつもりは全くないし、どうでもよいとは思っている。しかし、時に、あまりにキツめの荒んだ状況を目の当たりにすると、幸田露伴先生、あなたの娘幸田文が小説「流れる」で描写したような世の移り行きは、半世紀以上経って、最早、ここまで来てしまいましたよ、と慨嘆せずにはいられない。
 その翌日、マックの荒みぶりに耐えかねて、ラーメン屋へ。ラーメン屋…昔ながらの、店内が赤い感じの内装は継承されず、最近は厚かましくも大きな原色文字で店名を宣伝する張りぼて的なラーメン屋が多いが、いずれにせよどんぶりに俯いてラーメンをすする客の中で、幸せそうな人間など一人も居ない…この不幸感がラーメン屋の真骨頂である。しかし、ラーメン屋でさえも、かような、ママ友会合や荒み系家族の侵入を免れない昨今である。
 あと、関連しそうな2、3の事例を紹介した上で、何か言えるかどうか試すつもりであるので乞うご期待。
 
 レッド・クレイオラというアメリカのサイケデリアバンドのシングル集のようだ。アメリカ中西部の、あまり人の命を大切にしなさそうな、とぼけた、乾いた民俗臭を吐き散らす食虫植物らの暢気な宴が次第に獰猛への傾斜を濃くする手の付けられなさが、珍妙な拍子をへべれけに繰り出す…気に障る、気ままなギター。東欧のプログレみたいな気忙しい展開も示してくる。満天の、無駄に豪奢を爛れさすシャンデリアが攻めてくるような、それでいて殺風景な星辰の下、人も含めて如何なる獣を焼いているのか分からぬ炎に照らし出された脂ぎった髯面の男どもが、痴呆の毒蛙の汚い鳴き声に耳を傾けながら、いきなり、前触れそのものを攻撃するかのように、聴く者(小生)の心の臓目掛けて丸太の杭を突っ込んでくる野蛮な油断のならなさが馥郁と危険だ…数億匹のゲジゲジに荷車引かせて大陸を行脚しながら作製したようなこの、愚直なまでに地を這う音楽もまた、身勝手に動き回り毒を吐き続けるサイケデリアの本性を常に尖らしている不逞なる健在を今に伝える。無論、こうしたサイケデリアがそのいちいちで内発させるのだろう、恐ろしくのどかな呆けぶり、弛緩ぶりもやはり、怨み辛みを低く呪文する不穏に染め抜かれている…いままではこうした音楽を点在する系譜としてまとめていたが、もう、今後は、そうした理論が孕む統率につきものの悦入りにも飽いたので、言わないことにしたい。いちいち、新しき暴発に触れる慌てふためきのままに、自分も音楽も投げ出す所存。

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