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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「the mothers of invention/weasels ripped my flesh(1970) rcd10510」 2009年6月21日 空梅雨



 盆灯篭が恋しくなる季節がやってまいりました。小生は盆灯篭収集家としても功名したいと思い、今年入手すべき盆灯篭は、石灯籠のタイプでいうならば雪見灯篭の形をしたタイプにする所存です。今宵は枕草子でも読みふけりたいので手短に。
 60年代マザーズ オブ インヴェンションのライブあるいはスタジオ作品を巧みにつなげて編集した本作は、往時のマザーズの、アメリカンサイケデリアの素地に裏打ちされた、趣味が悪いというよりかは趣味の良さを拒絶する貴重なアクの強さを満喫できる。ナイス邦題は「いたち野郎」。ザッパの場合、特に本職のコンテンポラリーミュージックのような厳密な理論に基づくものではない、聴きこむにつけ身に付いたのであろう現代音楽風の音の運びが違和無くフリージャズやブルースと冥合する猛々しさがある。
 2曲目のブルースの、フィドルを思わせるが実はエレクトリック・バイオリンによるささくれ立った音色が、聴くだけで松脂の噎せる臭いに喉がからからにやられそうになるほど、白人土着のブルースキチガイとなっていて聴き処である。男たちは相変わらず変態声を呻いたり喚いたり笑ったりするとめどなさ。そして気の抜けたような、暢気なインストを挟んだりする芸達者でもある。と思いきやサービスを放擲して、フリーインプロヴィゼーションの本気の怒りへと猪突する獰猛でもあるから手がつけられない。地獄の底でしか救われぬ連中である。
 こうしたすさんだ音を聴く事でしか癒されぬ、あるいは癒しが違うなら落ち着かぬ性分の小生にとって、この音楽は鎮静剤か睡眠薬の役割を果たす。同好の士も多かろう。アルバム最後、長い長いノイズが待っている。そういえば、20年前ぐらいから一部流行っていたのだろうか、灰野敬二やメルツバウやアルケミーレコードなどのノイズ音楽の最近の動きはどうなのだろうか。このアルバムのザッパの肖像写真が一番かっこよい。関係ないが、夢野久作の父の杉山茂丸(久作以上に相当奇怪な人物である。各自調べられたし)は暢気倶楽部という集まりを持っていた・・・

frank zappa :lead guitar and vocal
ian underwood :alto sax
bunk gardner :tenor sax
motorhead sherwood :baritone sax and snorks
buzz gardner :trumpet and flugel horn
roy estrada :bass and vocal
jimmy carl black :drums
art tripp :drums
don preston :piano organ and electric effects
ray collins :vocal
don sugar cane harris :electric violin and vocal
lowell george :rhythm guitar and vocal

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