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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「sailor/trouble(1975)esca7861」



頁を開けば青インキ臭が噎せるような、60年代モンキー・パンチ先生のルパン三世原作漫画を強く彷彿させる、1971放送開始アニメのルパン三世第一シリーズでは何処とも知れぬがルパンが手にする、地名がローマ字表記の地図によると日本のどこからしい、得体の知れぬ荒野、例によって木という木は地中海沿岸のオリーブの古木のように太く短く枯れており日本離れも甚だしく…先週も書いたが第一シリーズでよく見られた、生活感無しの洋間に無造作に飾られた、荒んだ抽象画を堪え難く欲しくなるのは、続けて視聴した、1977放送開始の第二シリーズへの失望が否めないからでもあって…まず、次元がいけない。第二シリーズの次元は鼻が長すぎるし何より目つきがふやけて締まりなく、帽子からの露出機会も無神経に多過ぎなのがどうにもいけない…第一シリーズの次元の、誠に稀に帽子から垣間見える、殺意と虚無を孕んだ乾いた眼光に魅力の要が宿していたのを、第二シリーズになった途端あんな風にキャラデザされては台無しもいい処である。そうした腑抜け具合に関連して第二シリーズで散見される絵画も、花や馬などのふやけた具象画に変質しており…馴れ込んでてどうにもこだわりの無い惰性が鼻に衝くのである。加えて第二シリーズでは不二子の不二子性が脱色され過ぎて丸く収まり過ぎており、いざとなれば単独でも事をやりおおせる女の骨気がすっかり消え失せてルパンの秘書風情という聞き分けの良さに甘んじている体たらくなのである。舞台装置も、不可解な荒野から、書割りエキゾチック海外旅行JALパック、といった感じ。ところが、第二シリーズがDVDで全26巻(一巻につき6話収録だから全156話)もあるからちょっと飛ばして第三シリーズに手を付けてみると…これが意外にも面白いのでもあった。第二シリーズの功績といえばせいぜい、オープニングの音楽で、あの有名な「ルパン三世のテーマ」を創出した事は特筆すべきだが…第三シリーズはやはり80年代バブルの洗礼を免れぬのか…第一シリーズでの深みやエグミ、サイケデリックに暢気な間や奇怪は一切無いが寧ろその徹底した薄っぺらいデラックス感に、突き抜けた感があって、それが図らずも好ましい先鋭を齎しているのである…舞台の書割エキゾチックにネオンのぎらつきも加わって享楽性を増したルパン世界…第二シリーズで長すぎた次元の鼻も第三シリーズでは元に戻り、目つきも多少は鋭さを回復、不二子の扱いは魔性への回帰ならずとも開けっぴろげな御色気担当で全裸サービス、という割り切りもこの際潔くていい。ただし第三シリーズでは五右衛門の目つきがぱっちり丸くなったのは如何なものか。第一~第三シリーズ通してルパン、次元、五右衛門の声優が同じ、というのは救いである。不二子の声優のよさの順番は第一シリーズ>第三>第二である。第二シリーズの不二子声は男に媚び過ぎ大人し過ぎでよくない。

今、欲しい物…これらは、小生の思索や展望をより具体的に構築するために是非とも己の側に置くべきと思われるのである。
○ルービックキューブ⇒入手済み
○ミラーボール⇒入手済み
○赤毛のアンのセル画⇒入手不可能なので、パズルを入手済み。アンがマシューの馬車で初めてグリーンゲイブルスに向かう途中、リンゴの花が咲き乱れた「喜びの白い道」で、感動の昇天中の名場面を、1ピースずつ組み上げていく悦び…好きなアニメや映画の名場面や絵画を1ピースずつ地道に組み上げていくまどろっこしい行程による自虐に、パズルの存在意義を見出した。
○綾波のフィギュア⇒入手済み。綾波は男のたしなみ、持っていてもよかろうと思う次第。
○スパゲッティ・ナポリタンの食品見本⇒入手できず。西餅の漫画でのセリフ「永遠のナポリタン感」に触発されて…
○荒んだ抽象画⇒入手できず。
○来客用の、煎茶碗五客揃い(出来れば九谷のいいやつ)、あるいは、紅茶カップ五客揃い⇒入手できず。滅多に客は来ないが、お客さんが来た時に、こうしたものがないと恥ずかしい年頃になってきたという事か…
○カーッ、という感じの音を出すあの楽器⇒入手できず。楽器名が分からないが、よく、物の怪の類の出現の擬音などに用いられるあの楽器…。
 →名前が分かった。キハーダだ。キハーダは馬の下顎を用いたものらしいので、入手困難な場合はヴィブラスラップという楽器で代用するらしい。
○和本⇒入手できず。江戸時代あたりの木版印刷が欲しい。黄表紙でもいいが出来れば、きれいな絵が掲載された園芸関係や本草学の和本を欲す。
○琴⇒入手できず。琴に寝技を掛けて荒々しく奏するために…。

セイラーのトラブル。彼らのセカンドアルバム。この、ネオンの流麗な残像がその場限りの享楽を甘味付ける割り切りデラックス感を存分に発揮した音楽としては、音楽地図によると70年代後期モダンポップ/ロック…一方でジェネシスやクイーン、デビッド・ボウイなどの芝居がかったゴージャス世界観提示もありつつ、そうした世界観というよりもより生活に密着した住宅建築のモダン化緻密がセイラーであって、殊にセイラーは、芝居が終わればあっという間に片づけられて更地になる書割風情の大航海時代珍道中膝栗毛、シチリアーノからモロッコ、上海、ボリビア、ペルーの民俗へと賑やかに洒落込みつつ、多彩珍奇な舶来楽器構成で極彩色のモザイク画を撒き散らすように構築するし、その勢い余ってけたたましい先鋭は至って健在、悪趣味の系譜を点在させつつ、場末の盛り場で場違いに歌い上げるシアトリカルな俗悪歌唱はボウイなどの宮殿閉鎖の大仰な馬鹿馬鹿しい退廃とは打って変わって小粒に効かせるアレンジの妙、手際の良さが彼らの身上であった。英国滑稽趣のぎとついた徒花。イカサマ近未来の視点から過去の大時代を懐古する未来完了形音楽。時制デラックス音楽。化粧した男の顔が欠かせない頃の…こそばゆい、玉虫色のバブル。プロ野球のドラフト会議で、妙に鼻にかかった甘ったるい声を出す男の司会者がいるだろう。そいつがだぼだぼの真っ白い背広来て髪はポマード撫で付け、精一杯気取った仕草でしゃかりきに歌っているが楽曲自体だけは異様に緻密な上手物、を想像してもいい。話は変わるが団塊スタイル(D’sスタイル)によると小椋佳は去年の生前葬コンサートを終えた現在、胃癌摘出で衰弱した体をおしながらも月3、4本のコンサート活動をこなしつつ、自宅では、「白装束の作務衣」で過ごしているらしい。他界しながらも仕事のやる気満々という事か。小椋佳のやる事為す事から目が離せない。ああ、黄色の雲から灰色の歯が生えたような捨て鉢な抽象画が欲しい。小生、ニッケルオデオンへの憧憬は強い。欲しくはないが…。何かしらんがエンゲルスの「家族、私有財産と国家の起源」(古本)を読んでいたら毛根の弱そうな、産毛のような細い髪の束が頁に挟まっていて、気持ち悪かった。

と、ここで、散々酷評したルパンの第二シリーズの、恐らく151話以降を見てしまったら…前言撤回せざるを得ないほど、アニメ技術の創意工夫、脚本、すべてが遥かに面白く出来上がっていた事を至急報告したい。第二シリーズでは1話~6話を見ただけで、書き割り書き割りと揶揄してきたが少なくとも151話以降だと脚本も場面設定、絵コンテも創意に満ちていた!何よりも第二シリーズ初期での長すぎる次元の鼻がいつの間にかいい感じに修正され、目つきも多少は鋭さを取り戻し、無闇に目を露出する機会も抑制され、次元が元通り、いやそれ以上にぎゅんぎゅんかっこよくなっていた!不二子もましになっていた。

grant serpell:drums, percussion and vocals
phil pickett:bass nickelodeon, guitarron, piano and vocals
henry marsh:nickelodeon, accordion, piano, marimbas and vocals
georg kajanus:12-string guitars, charango, veracruzana harp and lead vocals

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