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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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無題

記事の題名を決めるのも億劫になって来たので、此れからは無題で貫き通す予感…此のブログの終わりの始まりはとうの昔に始まっている低空飛行…最早思考の体裁のみならず構文を整理するのも儚く潰えて其のまま思念の無気力な垂れ流し…其の昔…朝の満員通勤列車に乗っていた時には、年に何度か、とりわけ年末や年度終わりに立て続けに起こる電車への飛び込み自殺に、列車内や駅構内で遭遇していたものだが…其の時には、自殺するのは自由だが自殺するなら他人に迷惑かけないようにしてくれよと自殺者の内面を一切顧みる事無く自殺者の振舞いを内心罵倒していたものだが…今になって其の内面を慮る訳ではないが今となっては…文字通り命がけで意を決した人間の実践に思いを馳せるようになり…一人の生き物が勇を鼓して其の身が無残に四散するのも構わず自決したのであって、其の事に比べたら、漫然と通勤電車の詰め込まれて其の身を移動させているだけの人間が職場に着く時間に多少遅れる事など屁のようなものではないか、たとえ数万人に影響が出ようとも、多様で複雑な自然的社会的背景諸共に自ら命を絶った者の決然たる行為が、日常の延長に過ぎぬ些末な文句の表現対象になるなどとはあまりに烏滸がましいので、電車遅延の如きは小事として甘受すべきではなかろうか…たとえ日常を生き抜く事も容易ならざる精神の飛躍を要するとしても、そうであるなら猶更生の日常を切断させた飛躍をも肯定すべきではなかろうか…そして一人の生き物が決然と自らの身体並びに命を四散させたのだから、其れを回収する当局の個人には陰惨な体験が強いられようとも、其れも甘受すべき事柄ではなかろうか…と、飛び込み自殺者による交通インフラの一時的な麻痺と其れを引き起こした主体者に対する寛容の気分が醸成されている…無論、国家と資本により自殺に追い込まれた事実上の他殺を容認するものではないにしても、少なくとも自殺者により多少社会インフラが麻痺しても其れを迷惑だと切り捨てる殺伐とした偏狭への執着は溶解し、事情はどうあれ、社会悪による結果であったとしても其れへの義憤は飽くまで事後的な動機として、兎も角も飛び込み自殺を成し遂げた者への、有意味の領域で称揚するでもこき下ろすでもない、無意味な敬意が芽生えるのであった。
夏の終わりに思う事は…老いのせいなのか今年はレモンサワーなるものに触手をのばしてしまったが…此の飲料…唐揚げとか焼き鳥などの脂っこいオカズにはスッキリして後味よろしく合うが…腹を満たした後、だらだら酒を飲み続けるため豆やチーズなどをつまむには何か調子が狂って、要するにツマミには合わない事が判明しレモンサワーとは縁を切る事になった。先週はテレビでまた風立ちぬを鑑賞してしまい、したたか感動した訳だが…そうすると自ずと庵野監督の事に思いを馳せ…思えば旧劇場版はゼーレの思惑やサードインパクト云々と見かけ上は色々あったにしろ結局は全てシンジの主観の閉域内部に終始し、其の外部に逸脱する事は無く気持ち悪いという捨て台詞を残して終わった訳だが…新劇場版破においてシンジが主観の閉域から抜け出して他者の存在を目指す=綾波を愛する段階に達し…其の事がニアサードインパクトを起こし…其れはゲンドウの思惑のようでもあったようだが…Qにおいて一旦他者との交流が開かれても他者との交流において自分の思い通りにいく訳ではない挫折を経験させた後に、シンエヴァにおいては、他者の思いを自らの意志で受け入れた上で他者に対して行動していくと云う、要するに人間の凡庸な社会的成長を無駄に壮大なドラマ仕掛けによって足掛け30年もかけて描いた、そして其の事は取りも直さず庵野氏が30代から30年もかけて60代になって所謂大人に達した軌跡でもあり、此の程度の成長に60代にならないと達する事ができなかったのかと云うバカらしさもありつつ、逆に30年もかけて此の凡庸な成長を成長できたのはやはり非凡な才能なのかとも思いつつ…もう一回くらいは映画館でシンエヴァを見たかったと云うのがこの夏のささやかな心残りである。他者を受容できないため、人間の意識を全て一体化させるため生物全体主義を目指したゲンドウ…其の手段のため生物を含む物理法則自体を破壊させる、そして其の核心的方法が自分と其の妻の分身の如きシンジと綾波との愛の成就という事で、愛と生殖と全体主義の表裏一体性を説く事も納得いったし、生物全体主義への抵抗として、人間よりもその他の生き物の種の存続に心を配るカヲル君ーカジ・リョウジのラインの設定もそつがなく思えたし、ニアサーによって部分的に物理法則が破壊された世界を元の物理世界に戻そうと、まるで除染のように奮闘するミサトと其の国際組織ヴィレ(意志?)と云う設定も含めて、だいたい其の内容は微に入り細に渡り説明責任を果たしていたように思えたから再度鑑賞する気持ちが失せたが…其れでもまだよく分からなかった処があるのかもしれないから。

次回は9月26日です。

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