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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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天上大風…

風立ちぬで三菱内燃機の役員室や黒川主任の玄関先に掲げられていた扁額の書、天上大風の出典はどこなのだろうとしつこく心に残っていたが…たまたま立ち寄った小さな書道展で、良寛さん由来である事が分かり、村の子らが揚げる凧用に揮毫したらしく…滋養が臓腑に染み渡るように腑に落ちる…長年の気がかりからようやく解放的な気分…遠からず近からずの親戚から、庭に生ったスダチを30個ほどいただき…お世話になったあの方この方におすそ分けしても残ったスダチの大半をドレッシングに使い、香りの清新に背筋が立ち…更なる残りは焼酎に絞ろうと欲深く物色…あまり主張が強いのはよくなかろうと考え芋は避け、あまり立ち入った事が無い麦焼酎のコーナー…目に留まったのは蕪村と名乗る麦焼酎だが…名前に騙されてはいけない、成分や製法等に軽薄さが否めない、蕪村とは名ばかりだったから、蕪村を己が精神の一部として尊敬してやまぬだけに、安易に蕪村を名乗る酒会社に反感と嫌悪のみを抱いた(飲んでみたらおいしいのかもしれないが)…唐突に、若い奴が思いつきで始めたばかりのやっつけ仕事ばかりで音がうるさいだけの下らない居酒屋での不快感を思い出し…元々焼酎は舌に馴染まぬのもある…結局、黒麹全量仕込常圧蒸留と云うこだわりらしき高千穂なる麦焼酎を選ぶ…すると、香り馥郁たる其れはスダチなぞを絞るには惜しい、其れ自身のみで十分完成している本格麦焼酎だと思ったが、だからこそスダチの風味も存分に生かしてくれる懐の深さを酒自体が湛えているのは望外の喜びであった…愛用の飴釉蕎麦猪口(表に茗荷絵の掻き落とし、内側の釉のムラがうっすら白滝が落ちるようで、まだ見ぬ高千穂峡を想起させつつ)スダチ半個絞り、高千穂を半分注いで、同量の炭酸を投入…折しも冷気を備えた初秋の天上大風、闇夜の中を右へ左へ大暴れする大凧を夢想しながら、こってり煮込まれた牛筋をつまみつつ、スダチをまとった高千穂を嚥下すると酔いの深みが目線よりも上に来て頭を沈め、次はスダチを入れずに真率に味わいたいと思う。

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