夏バテによる安静…

国家と資本の結託祭り、オリンピックいよいよ開幕…開会式の創意に毀誉褒貶のようだが、既に左様なものに目くじら立てる関心もなく…ただ、各国選手入場の延々たるミニマル場面が酒の肴として楽しめる事が意外な発見だった…世界の国からこんにちは、様々な国名と人柄、民族を漫然と眺めながら酔いを深める…思えば招致決定から元宮様竹田氏へのフランス当局の告発から始まり極めつけはナチスの所業を笑いのネタにするに至ってひたすら不祥事の火消しに追われるようだったが…そうして迎えた開会式の初っ端が江戸の火消しとは…最早いくら糊塗しても此の国の本質的燠火を源泉とする愚劣な炎上はごまかせないのに…これまた本質を直視し得ない愚劣の本質からちろちろと燃えいずる未練がましい虚栄心が無意識に働いた結果、江戸の火消しなる演出にしがみ付いたと思われ心底情けなく…良くも悪くも開会式の演出結果が細部に至る全てにおいて今の日本の惨状を如実に表現してしまっている事は、主催者の表現力や努力のせいではなく、およそ表現なるものを大規模に展開すればするほど表現主体の本質がさらけ出される、一種の中心極限定理の結果に過ぎないのだろう…困った時のイマジン頼みには改めて反吐を催すし、オーエヌ＋介助者の松井と云うお馴染みの三人組の出現には、いまだに昭和にしがみ付く発想の貧困に失望するより先に、絶望的な情けなさのやり場もない失笑を禁じえなかった。なお、失笑と云っても其れは後遺症を負った長嶋氏の身体的状況を揶揄するものではないが…其れは兎も角オリンピック開会式では近年の長嶋氏の公式スタイルである、ポケットに手を入れて後遺症を見せないようにする事は許されなかったようだが…ポケットに手を入れる事が長嶋氏を以てしても禁じられたのは、五輪への尊崇が強要されたからなのか、天皇への尊崇なのか不明。其れにしても富士山を想起させる聖火台…富士山を噴火させちゃいかんだろ…此の国のそんな基本的な憂慮への配慮さえもない、破綻に破綻を重ねた開会式…感染拡大初期の頃、あからさまに政権の不手際を国威発揚によってごまかすブルーインパルスの私的運用もあったが、いざオリンピック本番では飛行自体は成功させたものの生憎の曇り空のため五色の輪っか雲が鮮明に見えず６４年の栄光再来や国威発揚のシンボルには至らぬ不発ぶりに加えて、大会期間中に台風直撃と云う呪われ具合…いや、もう、此の事について語るのは止めよう…オリンピックから離れるため、我が家の鉢植えの植え替えを敢行…灼熱のベランダでの作業は思ったより手間取り…少々気分が悪くなって夏バテ気味…極めつけの小山田氏のゲスぶりの露見は…アンジャッシュの渡部氏の事案と相似なのだろう…クールでそつのない芸風をこなす意識の暗部には…嗜虐的な攻撃性や極端な支配欲と一体化した性欲などの、彼らがスマートに乗りこなす世間の波風からしたら到底受け入れられない非常識な欲望がとぐろを巻いているらしく…無論、ゲスぶりは小山田氏の方が済度し難い鬼畜ぶりだが…其れにしても夕刻には、もうヒグラシが哀調を帯びて微かに聞こえ始め…夏の盛りに、もう其の終わりが味わい深く忍び寄る…

次回は８月１５日です。