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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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顕彰 高畑和夫

鴉やかましく…居座った電線から賀ー賀ー切迫感なく、喉の運動とばかりに無駄に喚き続け…風は薄ら寒く煽るが日差しに優しさが加わって気付けばオープン戦…先発福井3回無失点、二番手のルーキー岡田も堂の入ったストレート中心の配球で危な気なく巨人打線を打ちとって…今の処は天敵菅野から3点先取…エルドレッドの先制ソロホームランが効いて…いずれにせよのんびりした沖縄でのデイゲームでは何やらアフロなポリリズムが応援席からドロドロ流れ続けており…開幕間近だと云うのに大瀬羅が肘に違和感を覚えてドクターチェック中…そして小生は膝に違和感を覚えて足萎えの危機勃発…2/7付けの長文記事を胡坐をかいて集中執筆したのが祟ったのか…少なくとも其の時点が発端となって左膝に痛みを覚えており左膝をかばって今度は右膝も痛いと云う悪循環…関節部分が激痛ほどではないが何とはなしに痛む…しかし歩けない程ではない、寧ろ歩いた方が膝周りの筋骨が温まってホグレ、痛みが緩和されて気持ちいいくらいで…素人の浅知恵の報いなのか…体重と体力維持のため日々の仕事の隙間を縫って自転車で近所の長大な昇り坂をこぎ切る、と云う運動(此れを一回すると200~300g痩せると云うデータを自分で取った。心臓と肺がハーハー云う適度な有酸素運動の気持ちよさを知る)に数年前から励んだために過度に膝関節に負荷が掛かって骨と骨のクッションの軟骨が磨り減ってしまったのかという懸念に怯え…そう思うと何か、関節の隙間にガラス片が差し込まれ、歩く拍子に其れがズキンと割れるような嫌な痛みに刹那襲われたり、膝の筋骨がガチっと噛み合わず心許無いようなこともあったが一旦自転車操業を止め、ゆっくり歩くと言う地道な運動に心を込めて取り組んだり蒲団の上で体重を掛けずに膝回りの運動をしているといわゆる軟骨磨耗による関節痛と言うよりも関節周りの、骨と筋肉を結ぶ筋を痛めた感じに思えて…軟骨磨耗なら歩く度にツォンツォン痛かろうが、小生の場合、歩くと寧ろ痛みは緩和されている気がするから、従って、逃れがたい老いによる肉体の衰えと気温低下と慢性的な運動不足によって筋肉がガチガチに固まっているために膝回りの筋に集中的に過度な負荷が掛かり、其の筋を断続的に痛めてしまった、その事が、2/7の長時間の執筆胡坐によって決定的に顕在化された、という見立てではあるが…だからと言って、歩けない事はないが漠然と存在する膝の痛みは未だに消失していない現実から云えば、整形外科の意見を仰ぐのも一つの手なのだろうか、しかし上記の状況からして、其の程度でまだ若いのに大袈裟にも病院まで来て…と云わんばかりの顔で運動しろと云われるのがオチのような気もして逡巡、いずれにしても体力への自信喪失は一旦は精神の覇気を一挙に失墜させる…しかし一度喪失してしまえば精神の方はまた持ち直すのだろうが、見える景色は別物。悪い予感がして窓を開けると強風に煽られて物干し竿から洗濯物が落下…ベランダの、小汚い埃砂まみれになって…不貞腐れて再度洗濯機に放り込む…細君は実家に帰る。

そんな訳で今回は今までやり残していた、あまり考えなくても出来る事をこなすだけにする…其れは、小生が尊敬して止まぬ男、「高畑和夫」の言行録を簡易ながらまとめて、顕彰する事である。写真撮って切り張りしただけで終わる仕事だから此の場を借りて済ませたいと思って…云わずと知れた、F先生のあまたある作品群の中でも異色のキャラクター構成を見せてくれた傑作「エスパー魔美」の主要人物である。時局対応に向けて此れからやらねばならん事が山積する中、まずは此れを手始めにしたく…。それはそうとアニヲタやラノベ業界では「中二病」と云うものがあるらしいが…魔美も高畑も中学二年生である。中二病などと吹聴して其のキャラに甘えて引き篭もる幼稚な暇があったら、高畑氏の言行録を心に刻んで猛省されたい。

まずは此れ。説明は要らないだろうが…この簡潔極まりない、迷いのない現状肯定がかっこいい。男、かくあるべし。
 
魔美「高畑さん!あなた少しおなかが出てるんじゃない!?」
高畑「でてる。」

人間の何たるかを、人間どうしの関係の何たるかを肝で知っている高畑の真骨頂。魔美のみならず小生も…泣いた。男、かくあるべし。
 
魔美「じゃ、高畑さんは犯人はあたしじゃないと?」
高畑「あたりまえだろ!」
魔美「あらゆるしょうこが不利なのに?それでもあたしをしんじてくれるの!?」
高畑「理くつじゃないんだよ、人をしんじるってことは。」

此れは確か「サマードッグ」という、人間の身勝手さを告発した切ない話…故あって野犬に襲われて半死状態の人に自分の血をテレポーテーションで輸血したために貧血の魔美共々山小屋に逃げ込んだものの、野犬(元飼い犬。避暑地の別荘で愛玩されていたが夏が過ぎたために、都会で飼えない其の飼い主たちが山に捨てた犬が野犬化)たちの突入は時間の問題、此のままでは二人とも食い殺されるので魔美が最後の力を振り絞って高畑だけでもテレポーテーションで移動させようとする処で高畑は魔美から仁丹(説明は要るまい)を取り上げ、野犬の群れの中に討って出るのであった…男、かくあるべし。
 
高畑「まあ見ててよ。生まれてはじめてぼくは死にものぐるいになるぞ。」

白眉「学園暗黒地帯」赤太郎VS高畑…此の話について述べると本当にきりがないから詳論は省くが…今時局において最早他人事ではない、切実に困難な政治状況における生き様…男、かくあるべし。
 
魔美「そんなにしてまで…なぜ、たたかわなくちゃいけないの?」
高畑「言論の自由のためさ。力ずくで他人の口をふさごうとするなんて、ぜったいにゆるせない!!」

重要なので補足として、此の後、言論の自由を守るために己の身の危険もかえりみない高畑の行動が理解できない魔美が、父の佐倉十郎氏と対話する処も抜粋…うまく写真が撮れていない箇所は文字で補った。冷静に考えると、ヌードのポーズをとるの中二の娘が、それを描く父親と言論の自由について対話すると云う、常軌を逸した場面ではあるが其処にはあえて目をつぶって頂きたい。
 
十郎「ゲンロンのジユウ?ほんとに大じなものかって?ずいぶんあたりまえのこときくんだな。」
十郎「なぜって?そう…たとえば昔の日本にはそれがなかった。その結果があの悲惨な戦争だ。軍や政府は、自分らの方針に反対する者を片っ端からおしつぶした。逮捕、ごう問、時には死刑。」
十郎「一億の国民は目かくしされたまま、戦争の渦にまきこまれていったんだ。だれでも、どんな意見でもしゃべれる自由…これは民主主義の基本なんだよ。」
魔美「じゃ、ときにはそれをまもるために、命をかけることもあるわけね。」
十郎「必要ならね。」

ここでまず発見し、疑問を持たなければならないのは、十郎氏の発言では、色々と主義主張を腹蔵しているので其れを自由に発現させるために言論の自由を欲している民衆、と云う存在と、そうした民衆を抑圧する体制、と云う二つの存在が、互いに独立に存在している、と言う前提である。民衆を抑圧する体制というのはよくあることとして、此処で持つべき疑問とは、果たして「言論の自由」を心底欲している民衆というのは存在するのか、存在するとして其の人たちが本当に多数派を形成しうるのか、「言論の自由」を欲している人間はごく少数に過ぎず、そうした人間は民主的多数派としての権能を有する「民衆」を形成しえないのではないのか、ということである。

そもそも言論の自由を欲するまでに、己の中に、政治や体制や自然、宗教等々についての己の主義主張を樹立しえている人間が果たしてどの程度存在するのか。云ってしまえばとりわけ此の国においてはそんな人間はごく限られた少数なのではないのか。「民衆」は、何かしら現状に対して反対の意見を持つ少数者を妬み嫉みや憎悪などの独特の封建的嗅覚で嗅ぎつけては率先してそうした少数者をいわゆる村八分にしたり、元より反対者弾圧を本能とする政治権力に率先して売り渡したりて嘲笑的に悦に入り、更にはそうした体制順応する自分ら大衆を肯定してくれる地元のファシズム扇動家(在郷軍人など)の入れ知恵に付け上がっては全体主義傾向の主体となっていったのではないのか…といった相互依存関係があったのではないか。其処では体制が発端とも民衆が発端とも云えないような、民衆と体制が入り混じって政治的且つ心理的力学の有象無象が働いた結果が、小生が事あるごとに鮮明にしたがる、日本における純正全体主義の姿なのではないか。小生が「荒み宣言」で書いた「大衆という実存」なのではなかろうか…

ともあれ、日本=純正全体主義を説き明かす前に、まずは、イタリアのファシストとドイツのナチズム、そして日本の純正全体主義の三態には決定的に差異があると云う仮説の下に、それぞれの歴史的政治的実態を説き明かさなければならない…

まず以って注視したいのは、イタリアのファシストは、当然対外戦争による政権の弱体化もあろうが、少なくとも国内発のリベラル左派によるパルチザンによって、即ちイタリア国民自身によって打倒されていると言う歴史的事実であろう。日独は結局外国の武力によってでしか、それらの体制を打倒できなかった事も合わせて重要である、今時局を生き抜く上で第二次大戦を教訓にするならば。

無論、此の3国それぞれ状況が違うのでそれらをいちいち勘案しなければならないのであるが…。上記のような違いが日独伊である以上、近現代や未来の独裁制や全体主義を十把一絡げにファシズム、ファッショ、ファシストで片付けるのはおかしいばかりか、歴史の様態を見え難くさせるだろう。要するに、過去にも書いたが独裁制と全体主義は違う、と言う峻別は必要だと考えている。掻い摘むと独裁制は、其の中心に権力が極限まで集中すると独裁者のみ自由でその他一切の多数者が抑圧されると言う極限が作り出された途端、唯一人の独裁者vsその他多数派という構図が形成され、独裁者は孤立無援となってその他多数派によって圧潰されると言う政治動力学で記述されるだろう。此の反転現象は独裁者の強度(体制設計の緻密、独裁者の資質…)が多数派よりも相対的に弱まった時にも起こるだろう。(実際には、独裁者は、そうならないように巧みに近臣に気を使う、即ち権力を分散委譲することで保身を図る…)

其れに対して、純正全体主義の権力には原理的には中心がない。あったとしても見かけのカラクリが誠に巧妙であり…此の場合は多数派が一つの思想を主体的に樹立する、あるいは無思想、あるいは抑圧への過敏を磨耗させた封建的諦念と言う状況だから矛盾も抑圧も多数派内部には存在せず、矛盾や抑圧は有思想の少数者が受け持ちつつ、多数派から排除されて済まされるから、多数派は外圧がない限りは磐石な政治静力学、政治晶析学で記述される。独裁制のような、権力の集中による爆縮、超新星爆発のような体制崩壊が自力では起こらない。(笙野頼子の小説「水晶内制度」という事か)上記の独裁制は、どちらかと言うと古代~近世のアジアの専制君主の像に近いが…実際には、これらの、独裁制と純正全体主義の解明には、「体制」「制度」といった複合概念が要する…左派への「反動」といった側面もあるし…「資本」の問題も…実態は複雑怪奇ながら…ざっくりした青写真はこうだ。

イタリア ファシスト…権力の中心としての独裁者(以下、中心と略す)の強度が比較的弱い。体制的にわきの甘い独裁制に近いか。従って多数派による巻き返しが可能だったのか。

ドイツ ナチズム…中心の強度も強く、其の強度の高い中心が核となって民衆=多数者が主体的に一つの思想を樹立するに及んで主体的に共有が進み全体化が進む…従って一旦体制が固まるとどうしようもない。独裁全体主義、あるいは主体的全体主義か。

日本 純正全体主義…民衆と峻別される特異な中心としての主体的独裁者は皆無。主体的な意志を持った中心は空っぽ。天皇制、統帥と輔弼と言う帝国憲法のカラクリ…多数派と対立しうる独裁者=意志者不在で、多数派の中にも意志や主体が不在のまま各個人のその場凌ぎの本能的保身が駆動力となって全体が均一化した、全体主義傾向に資する行動に対してだけは主体的な純正全体主義。言論の自由が無くても誰も困っていない民衆という実存。自発的な言論封殺…「自粛」

こうしてみると小生個人の、イタリアファシストに関する不勉強が露わになって…勉強しなければなるまい。更に云うならば共産主義型全体主義や文革も考察対象にせねば…。書きすぎて肘が痛くなってきた。デヴィッド・ボウイ…ベルリンの壁の向こう側にもロックを届けたあなたと云う人は…。それはさておき、小生とて、「民衆と云う実存」と云う規定に拘泥する気はない…此れは本当に絶望的な概念規定であり、絶望的だからこそ超克を要請されるから実存ではあるが、あと半年、参院選挙までに民衆レベルで超克出来るかと云うと不可能であるからだ…ならどうするか、方法論も念頭にはあるが今日は割愛する。当面、小生がやらねばならないことは…①今時局における全体主義の補完傾向を、かつての軍国主義分析を参照に改めて洗い出して現状分析し、歴史的政治的要因と、其の対策を明白にした理論を打ち立てる…更には、②全体主義扇動家が繰り出す、リベラルを罵倒するためのよくある文句(「そんなに嫌なら日本から出て行け」といった類)に対して簡潔に的を射た回答を出して相手を突き崩すための、ストリートや広場で使えるQ&A集を作成する。イワシの甘露煮を電子レンジしたら爆裂…其の後始末で、楽しみにしていた真田丸を半分見そびれる…毎度楽しく視聴しています。

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