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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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荒み茶会記 ~荒みの時代がやってきた~ 下書き、あるいは素描

 

荒み茶会 初座 席上揮毫 菜っ葉の掛軸に大字書「荒」 仄仄 書




拡大 画竜点睛としての缶バッチ「噛みマーク」(禁止記号の内側から噛み付く、小生の諸活動のシンボルにして家紋) 細君 製作




拡大 遊印「滅私滅公」 仄仄 篆刻

 雨ずれや夜長に恋し空の夢  (過ぎ去った梅雨に寄せて)

 過去にこのブログにコメントを寄せてくれた状況でいえば大抵エロ産業であったりロシアの銀行からの脅迫まがいな投資話だったりと当惑せざるを得ないものばかりであったが、最近、偶然、寄せられた複数のコメントを見ると、読むに堪える、それだけで有難いものだったので、この場をお借りして御礼申し上げます。 

 蕾ごと投身するはなぜに槿よ (桑田調)

 以下の文章は、いずれ、小生のHPの茶会記に収納される予定でありますが、こたびはその下書きです。しかし、この調子ではこの茶会記、書き終えるのに数か月かかるやもしれず、早くも憮然としております。過去に、たとえば小生の志向する文芸上の歴史的位置づけは、非業宣言にてまとめている。度々この王道なきロック史においても滲ませている荒みという美的概念であるが、この度、正式に世に問うためであるにも関わらず、極めて限られた客人をもてなす茶会という形式にこだわり、故に従来の、歴史に名を成す様々な宣言…ダダ宣言、未来派宣言、シュールリアリズム宣言、ネオ・ダダ宣言、等々とは有り様を異とするだろう…荒みは宣言にあらず、しいて云うならば「金字塔破壊宣言」である。生活の古層である。・・・中略・・・

 ともあれ、言葉は、魂の直接行動である。茶会記を書き進める。

 あはれ、おかし、幽玄、雅、侘び、寂び、しおり、軽み、でろり、エロ、グロ、・・・そして、今、「荒み」!!! 

 2012年7月14日 梅雨の終わり、「荒み」を標榜した茶会を旗揚げした。

 ・・・中略・・・

 
 挙句、酒の景を撫ぜるように愛でることからしか言の葉が生まれでることもない投げやりに即刻額づく場当たりで、祈りも無く。黄砂も落ち切ったほどやることの無い黄昏時の透明な琥珀の光を留める炎の水を嚥下すれば、何度でも云うがよく発酵して寧ろ爽やかな枯草の野趣溢るる苦みの追憶が万古不易たる余市の水割りで意識を軽く、凪の蒸し暑さに思いがけず割り込む涼風がカーテンをふわりと膨らますようにぐらつかせるしかないところまで、自ずと、自滅に近く追い込まれている。

 緑金の光芒が、先週の茶会で使った土嚢から溢れた砕石を持て余している、ありふれた真夏の光が照りつける埃っぽいコンクリート打ちっぱなしのベランダに闖入したかと思ったら、こちらの理解が追い付けそうにないほど闇雲に慌てふためいたカナブンがきりきり舞いでコンクリに激突、エアコンの排水パイプの口から薄気味悪く拡散する腐ったワカメ状の気持ち悪い領域に転げ込んだ途端カナブンさえも気持ち悪かったのかもんどりうった拍子に腹を見せて裏返った。コンクリート平面に仰向けになったものだから何の取っ掛かりも無く脚を余裕なくばたつかせるのみでその裏返りという危機からは自力では脱出出来ようもなく、しばらくばたばたしていたが体力の消耗に気づいたのか少しおとなしくなった。羽も広げられないから、カナブンにとっては絶体絶命なのだろう。このままだと脚は空を切るのみでどこにも移動できないから、餓死が待っている。じっと眺める小生。余裕と云うのが痛々しいほど擦り切れた切迫した状況がいきなり眼前に現出し、当惑しながらも、なんだか気だるいような面倒臭さも燻って、もぞもぞしているカナブンを指でピンと弾いてやる。瞬時に羽を広げて何事も無かったかのように飛び去る。早速洗濯物を干す小生。自分が指でピンとしなかったら、このカナブンはこの酷暑地獄のベランダで無意味に死んでいたのか、と思うと、やり切れない、解消しきれぬ空しみにどっと襲われる。死というものがある日突然訪れる、死が外在的でしかない生物と、常に死を意識している、死が内在的な人間。そういえば、ひっくり返ったらそれは死を意味する動物、というのは他にも居た、例えばゾウガメ。雄同士の決闘で、ひっくり返されたら、体の構造上そのまま元に戻ることが出来ず、ゾウガメは、餓死するしかないという。まことに他愛のない要因で死に至る生物たち、思うだにいたたまれぬ。遣る瀬無い。

 不意に、カブトムシについて思い出す。スーパーやホームセンターの一角で、旬の野菜や果物のように山積みにされて売られているカブトムシのことを。つまらん合成樹脂製の透明容器に、臭いの拡散防止のためか爪楊枝の直径ほどの空気穴が申し訳程度に一つ開けられ、その中に敷き詰められた小汚いオガ屑にまみれた固形燃料のような餌に最早見向きもせぬほど疲弊しきって時に腹を見せてひっくり返っている囚われの、売り物のカブトムシの姿を。本来夜行性なのに、スーパーやホームセンターが容赦なく陰を殲滅する厚かましい消費の光に被曝されてゆっくり眠るのもままならぬ無神経な境遇で身売りの時を待つカブトムシの惨めな姿を。日の本の昆虫の王、カブトムシへの劣悪な扱いや、そもそもカブトムシは早朝の照葉樹林で自分で捕ってくるべきものだろう、といった懐古趣味的小言がルサンチマンにあたろうが何だろうがそんなことはどうでもよい。買う奴が居るから売る業者も現れて、済度し難いみじめの売買によってみじめを流通させているどうしようもない惨めな状況に、魂のはらわたが煮えくり返る。パックで売られたカブトムシは、どうせ、マックで無礼と無神経とタフな生活力とを混同させたママ友会合を驀進させる連中が、ひたすら耳障りな奇声を上げ続けバタバタひっきりなしに複数で走り回る、後ろ髪をジャンボ尾崎風に伸ばした手の付けられん子供に、欲しがりもせぬのに無意味に買い与えられるのだろう、という無根拠な偏見もどす黒く芽生え、心は、鮫肌のように無性にささくれ立つ。みじめな売買がみじめさをより一層度し難いものに培養する。頼むからスーパーやなんかでカブトムシを売らんでくれ、と、怒りの拳を左で握りしめながら、思う。

 今年の正月、実家から車で帰る途中、対向車線を走ってくるバイクがすれ違った瞬間、全身逆立つような嫌悪感と寒気に襲われた。大型二輪を運転する、父親と思しき男が、後部座席に、5歳にも満たぬような子供を乗せているのであるが、その子供、上半身をがっくんがっくんさせてほとんど気を失っているようで、父親の服を掴んでいるその手も、あまり力が入っていなさそうで、時速60㎞ほどで走っているそのバイクからいつ振り落とされ、後続車や対向車にいつ轢き殺されてもおかしくない状況であったのだ。無論、他ならぬ小生がその子供を轢き殺していた可能性だってある。一瞬の事ではあったが、ぞっとした。家に帰ってテレヴィでニュースなどチェックしたが特にそうした報道は無かったのでその子供は無事だったと信じたい。それにしても、あの男は一体何なのだろう。ちゃんと自分で体が振り落とされぬよう支えることが出来ぬような幼い子供を、なにゆえバイクに乗っけて猛スピードで前方車と対向車の隙間を縫うようにしてぐいぐい小賢しく走ったりするのだろう。これも偏見だが、こんな安全の何たるかも知らないような人間が、国民づらして、例えば原発の安全性、あるいはオスプレイの安全性、に疑問を呈しているのかと思うと、一体どこから批判していよいやら途方に暮れるほど、心底、胸糞悪くなってくる。

・・・続く・・・

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