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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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結果と考察、今後の予定

うかうかしているともう年の瀬の足音が軍靴のように脅迫的に聞こえてくる…それも単なる比喩ではなく抜け道の無い現実感を以て…最早…恐れていた事が現実になった以上…未来への不安や恐れは無限であるがゆえに無限に増殖するが…其の不安や恐れが確実な現実になってしまった以上は…目の前の現実はあくまでも有限であるゆえに、有限なる現実に対して有限なる人生において有限なる対策を実行するしかない…悪夢が現実になったと云う意味で、2016年は歴史上決定的なる年となるだろう…其れは、二つの出来事に由来するが…今後は此の二つの出来事が現実的に相乗し合って事態の分かり易い劣悪化は免れないので、其れに対処するための有限なる生き様が有限に問われてくる。

①改憲勢力が衆参合わせて三分の二以上の議席を占めた事。
此れについては過去に何度も書いて来たが…憲法改正が現実味を帯びて来たと云っても最終的には国民投票があるのだから安心、と云う訳ではない…其の安心感は、後述するがトランプに対する最近の無根拠な楽観論と同じく、根拠のない、現実から目を背けた希望的観測に過ぎない。単純な計算であるが、国会議員が三分の二以上改憲派と云う事は、選挙制度や実際の得票数云々の問題はあれども少なくとも有権者の半数以上は改憲勢力に票を投じたと云う既成事実を意味するからである。従って、国民投票においても改憲優勢になる可能性は高いと判断せざるを得ない。最早、現実から目を背けた甘ったるい希望的観測は、今後は一切通用しないどころか、そうした甘ったるい希望的観測でうかうかしているのに付け込んで権力は確実に抜け目なく次の一手を実現して来る、と云う事を、もういい加減に肝に銘じなければなるまい。有限なる現実に対処するにはまずそうした心構えを必須とするだろう…何度も書いて来た事だが改憲派の大勢を占める自民党安部は行く先々で立憲主義を否定する言辞を公言して憚らず…しかるに立憲主義とは国民が所有する主権を委託された国家権力を、国民の基本的人権を保護する観点から制限するものである。権力を制限する最高法規が即ち憲法であり、国家運営は此の憲法にもとづいて行われるのが立憲主義である…総理安部は此の立憲主義を明確に否定し、憲法が権力を縛るものだというのはもう古い、憲法とは国の未来や理想を語るものだ、と云う意味不明な事を云っている。意味不明ではあるが…自民党の憲法改正草案(以下、草案と示す)を参考に解釈すると、意味不明では済まされない事態が見えてくるだろう。草案では、まず西洋由来の絶対不可侵的天賦人権説を否定し、我が国の歴史と文化を踏まえて、行きすぎた基本的人権は否定すべきだとしている。現在の基本的人権は行きすぎた個人主義を助長するから駄目だと云っている。絶対不変の基本的人権に制限を加える理由として日本の歴史や文化を挙げているが、確かに此の国では戦後に日本国憲法が施行される以前の数千年間はずっと基本的人権は保障されなかったという歴史や文化はある。従って、此の国の歴史、文化を重視して人権に制限を加えると云う事は、即ち近代国家の成果を否定し、基本的人権の無い過去の封建制に価値を置くことで、基本的人権は否定することを表明しているに等しい。総理安部が云う、国の未来や理想、あるいは草案が根拠とする此の国の歴史や文化と云うのは、主権者国民が一人一人別々に考える事であり、即ち思想・信条の自由や表現の自由に属する類の事であって、そもそも憲法で規定する事ではないし、仮に憲法で其れを規定すれば個人の思想、信条の自由を否定する事である。多様であるべき思想や信条の中から、国家権力が承認する思想・信条のみを取り出して正当性を与え、此の一種類の思想・信条に基づいて憲法を作る事は明確なる思想・信条・表現・言論の自由を抹殺する事に等しい。草案ではそうした事を堂々とやろうとしている。此の総理はそんな事も分からないのか、否、明確に意図して云っているのであろう…無論、あの総理が語る未来や理想と云うのは、基本的人権が保障されず自ら立脚しえなかった此の国の過去の歴史と文化に根差した、未来永劫基本的人権を抹殺した国家主義的自民党=経団連独裁政権の樹立を意味している。憲法審査会では口先では自民党は三大原則(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義)は堅持しつつ…と云う前置きを忘れないが、彼らの草案では真っ先に基本的人権は否定され、其れによって国民主権も否定している。

その事が顕著なのはこれまた何度も書いて来たが憲法21条、表現、結社の自由の条文に、草案では、公益及び公の秩序を害するものに関しては制限すると云う但し書きが加えられた事である。何度も書いたが、公益及び公の秩序を害するものは何か、其れは政治権力が如何様にも「解釈」可能である。たとえ現政権が、政権を批判する事自体は公益および公の秩序を害するに当たらない、と「解釈」しても、次の政権は、政権批判は公益及び公の秩序を害する事に該当する、と「解釈」できる、そういう条文なのである。実際に安保法制で憲法解釈を変えてきたのは自民党である。従って、解釈次第で幾らでも言論弾圧できる此の条文を草案に加えた自民党は、言論の自由を抹殺する目的があると云う解釈のみが唯一絶対である。隣国中国ではそれこそ、まさに公益及び公の秩序を害する、と云う理由で、人権派の弁護士や書店主を次々合法的に拉致、拘束しているではないか。憲法審査会では自民党は、彼らの草案の条文をそのまま提起する事はない、と、一定の譲歩を示しているが、この事を以て当然ながら安心してはいけない。一方で此の草案を破棄する事はないとも、野党に対して明言しているのである。いやいやまさか、いくらなんでもそんなひどいことはしないでしょ、などという、根拠のない、甘い見通しは最早通用しない。あの憲法草案の存在と云う、明確な根拠が存在する以上は、自民党は、本気で言論、表現の自由を抹消するつもりだと現時点では認識すべきである。表現の自由は基本的人権のみならず国民主権の根本中の根本、本丸である。しかし現実は…上記のように、三分の二を取られた事から、外堀、内堀は埋められ…野戦に打って出るしかない…此の現実に対してなすべき事は…とにかく21条改正が具体的に自民党案で国会内で議論され始めた時には、国会前か街頭に出るしかない。国会で21条の自民党案が可決される時までおとなしく待っているわけにはいかないだろう…そもそも…まずはっきりさせておくべき事だが…基本的人権の正当性に、根拠はない。根拠がないからこそ、天賦人権(神が与えた人権)と云っているのである。根拠のない人権に正当性を与えるのは何か、其れは即ち、人間である。人間が人間であろうとする根拠のない意志によって人権は存立し、即ち人権は人間そのものと云ってもよい…しかし意志を保持し続けるには人間はあまりに脆弱である…自分の意志を捨てて少数の権力者の奴隷あるいは家畜あるいは愛玩犬になるほうが安心だと云う流れもまた人間の偽らざる姿である…自分の意志を捨て、あるいは諦めて、経済や効率といった目先の理屈に流れる方がどれだけ楽な事か…根拠のない意志を保持し続ける不安から逃れるようにして、国家とか企業といった承認済みの根拠ありげな制度に積極的に自分丸ごと取り込まれる事を自らの意志だと言い張る政治的被虐趣味に溺れる事で根拠なき自分に耐えられない軟弱で臆病な自分への不安を隠蔽してくれる保守思想に溺れる方がどれだけ楽な事か…こうしてみると保守思想と云うのは一見盤石なように見えるが虚勢に過ぎず、根源的に根拠のない自分に対する自信の無さを隠蔽するがために国家とか民族とか祖先とか伝統とかの虚ろな理屈にすり寄る貧相な思想であるのが分かる…虚ろな理屈を守るのに精いっぱいだから、少しでも攻撃されたら過剰に反応して来る、弱い犬ほどよく吠えると云う虚勢である…其の目先の理屈は、確かに多様な意見や多様な生命を尊重しなくてよいので効率的ではあるが、所詮目先の効率化に過ぎず…長いスパンで見たら結局は単一の性質しかない種の存続は変化に弱く、自然と滅びやすいだろう…其の相克を十分理解しつつ…絶えず人民の個々人がその都度意志を更新させ蘇らせないと人権は立脚しえない…壊れ物ゆえに絶えざる意志の生成を要求するのが人権である…

と…一気呵成に書いて来たが此処に来て息切れ…対策として街に出ようではあまりに心許ないのでもっと書かないといけないが…②は当然、トランプ政権誕生と云う現象は何だったのか、そして①と②の相乗効果によってこれから現実としてどうなるのか、これから現実としてどうすべきか、であるが…今日は…従来まで書いて来た事を手を替え品を替えて改めて書きすぎて疲れたので、続きは来週12/4です。ぎっくり腰はだいたい治り、生活には支障のない通常の腰痛レベルに戻りました。根本的な運動の必要性を痛感…カストロが亡くなったとは…20世紀最後の革命家の死去に際し…御冥福をお祈りします。飲める人かどうか分かりませぬが、冥土のゲバラとラム酒でも酌み交わしているといいな…キューバ名産の葉巻を吸いながら。

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