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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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秋晴れの拍子木、そして三鬼から津山へ遡る…警鐘「社会全体主義」

一体どういう事情なのか何処からともなくしかし執拗に甲高く、永遠に垂れ続ける滴のタイミングで拍子木みたいな音が間断なく鳴り続けてイラツキが嵩じる…来週の秋祭りの前触れなのかそれにしては日曜の昼日中、久方ぶりの爽快なる秋晴れを渡る涼風にいちいち筋を通すようにして拍子木が鳴り続けており…気が狂いそうになる…このまま鳴り続けていたら本当に気が狂う処だったがふと、止んでくれてよかったがまたぞろいつ鳴り出すか分かったものではない拍子木の音に怯える日々が始まったのか…どこぞで詩吟の練習に打ち込んでいるのはまだ我慢できるが拍子木が何時間も鳴り続けるのにはあてどない殺意がささくれ立っても致し方あるまい…雨の夜は俳諧三昧ではあった…崇拝して止まぬ蕪村は常に座右にあれどおいそれと開く訳にはいかぬから蕪村の篤い魂を素人俳人正岡子規(子規は「俳」の何たるかも分かっていないが、そこが軽薄に浮き足立つ御一新の世人にウケたのだろう。しかるに子規に蕪村を語る資格はないと小生、断ずるのみ)を飛ばして直に受け継ぐ金子兜太と西東三鬼の句集を跋渉する…金子先生は今も御健在のはず、去年の俳句大賞的なものの煌びやかな審査員席で堂々鼻糞をほじる所業さえも雄渾にして雅致あり、かような兜太先生と同格なのは、自民党宣伝部国策放送課全体主義係のNHKのインタビューでとぼけた面構えしながら不遜にも鼻糞をほじって止まなかった、今は亡き水木しげる先生だけであろう…兜太先生の句業を今さら小生が回顧するまでもないので、少し縁のあった西東三鬼について感慨を新しくする夜でもあって…と云うのは去年の今頃津山に旅行した折、津山城跡にて三鬼の記念碑と遭遇し(誠に小さな…)、津山の郷土資料館に西東三鬼関連の自筆書簡などが展示されていたのを目の当たりにして…三鬼が津山出身であった事を初めて知りつつ、その時の津山探訪の成果も経験として新しかったから、三鬼の句風の真髄を改めて津山の風土と関連させる事が出来たのだった…三鬼と云えば人口に膾炙する句、

露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す 三鬼

があるが、戦前から、鄙の風流を嫌って都会の荒みを句で吐く新風を世に問いながら治安維持法下で苦渋を強いられた後の戦後はカトリックの洗礼を受けている…

脳天に霰を溜めて耶蘇名ルカ 三鬼
わが天使なりやおののく寒雀 三鬼

と、ここで、図らずも、怠けていた津山旅のまとめを一年遅れでする事になるが…簡単に箇条書きすると、旅行の成果として修学した津山とは…
・江戸時代の、長崎、江戸、大阪に並ぶ洋学の要衝地にして、後世重要となる洋学者、蘭学者を多数輩出。解体新書を上梓した杉田玄白、前野良沢といった蘭学者人脈ともつながり、人体解剖や西洋医学の知見を独自に蓄積していた。また、医学用語だけでなく、物理、化学の基礎となる用語も津山の学者が創案しており、明治以降の西洋自然科学の吸収を効率よく進めるのに格段の寄与があった(温度、圧力、等々)。
・キリスト者のとある個人が独力で現代のノアの方舟よろしく、物凄い量と種類の生物標本、剥製を蒐集…畸形児のホルマリン漬けや、果ては館長自らの脳までも展示する常軌を逸した気概の博物学精神。
・山中の地で稲作に不向きのゆえか、肉牛畜産が盛ん…干し肉が旨し(塩辛い)。キリスト教(肉文化)との相乗効果か。
・コーヒーの飲用も、西洋の図面を参照しつつドリップ装置を日本で逸早く自作して進める好奇心…
・肉、(人体)解剖、(肉牛)解体、洋学(蘭学)、自然科学、キリスト教、博物学…すべてが混然と関連しつつ…現在では、およそ日本一般とは異質さが際立つそうした肉肉した濃厚なる風土や歴史を、濃厚なる味噌ダレと内臓(ホルモン)でまとめ上げた「津山ホルモンうどん」として昇華、表現し、B級グルメ町おこしに励む。

こうした津山の要素と全体に、西東三鬼と云う希代の俳人を加えても全く違和感はないだろう…文芸作品を、作者の郷土の風土だけで説明できるとする傲慢は慎みたいとは云え…例えば兜太の句風が、皮を剥ぐ前の、まだ獣臭がぷんぷんたる、毛むくじゃらの肉の塊を丸ごと放り出すのに対して、三鬼の句風は、やはりキリスト的洋学的畜産的解剖解体なのか、肉の切断面と血の滴りを鮮烈に見せつける鋭利さがあるのであった。

満天に不幸きらめく降誕祭 三鬼
百舌に顔切られて今日が始まるか 三鬼

ところで先週、あるいは過去にも、目下此の国で胎動している新しい政治傾向として、社会ファシズム、新社会主義、ソーシャルネットワークファシズム、といった新語を思いつくまま当てて来たがこの際用語の統一を宣言したいと思う。即ち、今後は、「社会全体主義」、とする。過去の小生の論考に詳細を明記しているのでここで繰り返さないが、小生としてはファシズム(ファシスト中心の西洋型全体主義)と全体主義(天皇制を不在の中心とした、中心なき日本型ファシズム)を峻別する立場ゆえ、上記のように固定する次第。それにしてもシリア、イラク、イエメン、スーダン…連日のように数十人~数百人が虐殺やテロや空爆で殺され…最早手が付けられない状況且つ、国益に妄執する常任理事国の拒否権による国連の機能不全が目に余り過ぎる…満天どころかこの地に不幸が満ち過ぎている…日の丸飯を一人食して一句…

白飯の頂腫れる梅の☆
ねぶり出す血膨れのダニ碗に捧ぐ

話は変わるが…権威や制度は、常に根源=虚無をごまかす。ごまかしているのがばれるのが不安で仕方がないから、理屈でごまかし、表現でごまかし、価値でごまかし、それでもうまくいかなければ覚悟者を武力で脅し、果ては封殺してまでも、ごまかす。もううんざりだ。もう我慢ならない。

民族差別宗教差別女性差別拷問肯定人権否定など幾らトランプが失態を重ねても相手のヒラリーが何と云うか…舌鋒鋭い、と云う表現から真逆の、情勢に対してどうにも暢気で鈍い、ふわふわした言葉しか吐けないから何とも歯がゆい…オバマ氏なら文字通り舌鋒鋭くトランプの難点を論理的に切り出して批判の俎上に載せられるものを…耄碌中なのか頭の回転が鈍いヒラリーは、この事を一言云えば十分批判になるのに其の肝心の一言が出せない愚昧さよ…在日米軍の費用にしたってトランプはいまだに駐留費用を同盟国が一銭も払っていないかのように発言するが、事実は日本は在日米軍に7割払っているのに、ヒラリーは其の事実を一言で端的になぜか云わず、トランプが大統領になれば安全保障は滅茶苦茶、と云った、概観的な結論だけを云って、その間の論理が欠如し、トランプの、単純にいまだに間違っている事実認識すら公の場で指摘できないのだから、候補者の発言を自分で調べる努力はしない多くのアメリカ人は、日本は在日米軍に一銭も払っていないと勘違いしたままなのだから結局トランプに票が行くではないか…恐らく此度のトランプの女性蔑視発言にしたって、次の討論会では、どうせヒラリーは、トランプは大統領になる資格がない、などと概観的な結論を暢気に余裕たっぷりにのたまうだけで、「彼が女性蔑視発言をした事」と云うただ其の事実さえもきちんと明確に指摘する発言が出来ないのだから、絶好のチャンスを無に帰するだろう…一方トランプにしてみれば、彼がゲス発言すればするほど、大統領候補という立場での発言ゆえに、其の内容如何を問わず、発言自体が肯定と否定の意見を生むわけで…即ち、幾ら否定の文脈で報道されようとも、視聴者には肯定と否定の判断が委ねられる以上、大衆の大半がゲスな欲望の捌け口を求めているのだから…結果としてゲス発言への肯定を生むきっかけになるわけで…結局いつの間にかゲス発言が肯定される市民権を得るのである…此れがファシスト現象の仕組みなのである…トランプは此度はしおらしく反省した言を弄しているが内心ではペロリと舌を出して、己の所業の効果が陰に陽に胎動しているのを味わっているに違いない…現時点での世論調査など関係ない、トランプがゲス発言すればするほどゲスの支持を潜在的に広げるだろう(移民問題への苦慮は一概に何かは云えないが…)…いざ投票となったらファシストはもう勝つだけなのである…現時点ではそのように対応と覚悟を決めるしかないが、結果として取り越し苦労に終われば良いではないか。世論調査でトランプ支持が低くなったからといって、安心は全くできない、危機的状況なのである。ニュースでヒラリーの発言が省略されているからヒラリーの言が言葉足らずに聴こえるのか、とも云われそうだが小生は、ニュースで切り取られる以前の、討論会での実際の発言を調べた結果から、かような危惧を抱いている。

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HN:
仄々斎不吉
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非公開
自己紹介:
 数寄の天下を獲らんがため号するは、仄々斎不吉。

 三千家(裏千家・表千家・武者小路千家)及び諸家茶道流派に例外無き教条点前に豪を煮やす一方、近代数寄者(益田鈍翁、高橋掃庵等)以上に見立ての幅が広がった現代茶会に更なる侘びの新風を吹き込むべく研鑽を積む。

 利休の、無産有産といった階級をも併せ飲む侘びの骨頂に根ざしながら、そうはいってもありがちなブルジョア金満足だけは厳に慎みたい労農茶人。

 草木に臥してなお風雅を愛でる仲間であるために、茶の湯だけでなく、路上観察、テレビ跋渉、音楽及び納豆評論、 30人31脚批判もこなす趣味人にして愛陶家。 猫舌。


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