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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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宴の終わりに…

今日、鑑定団で初めてその名と画業を知ったハイム・スーチンの絵が凄い…20世紀初頭か…心撃つ、ガチの画家である…圧死した兎の変死体、吊るされ、解体中の牛の遺体肉塊を執拗に描く…腐敗で血色が鈍くなると其の腐肉に、別途用意した鮮血を柄杓で注いでは絵筆を握るという常軌を逸した執拗なこだわり…あまりの腐臭に隣人が警察に通報する騒ぎまで興したという…あの時代のロシア特有の…折檻と暴行に押し込められた幼年時代からどろりと捻出するおぞましくも常に歪んだ人間観は真実そのものの祈りを静謐に、しかし禍禍しく明らかに露呈する…細君が実家に帰った隙を衝いて…タルコフスキーのサクリファイスをDVDで借りて視聴する、大雨の深夜…核状況下での問題意識の剥き出しと、それによる事物、感情、言葉への過敏が…抽象性にまで切り詰められた自然撮影で以て斬りつけられるようだ…風一つで皮膚が切れるような、痛風のような硬質の祈りの映画…2時間半を一挙に見通すのがきつくてあと一時間を残して、孤独のグルメに切り替える…吾郎、食い過ぎ。

築地の豊洲移転問題も其れなりに問題なのだろうが、此の国が目下抱える喫緊の設備問題はどう考えても福島原発の放射性汚染水垂れ流し問題だろう…結局、凍土壁では原発廻りをうまく遮水出来ない、と云う技術的不備が小さく報じられたまま、解決される事なく現状、放射性物質を、豊穣なる日本近海に垂れ流し続けているという…一体、これ以上の問題あるのか…だいたい誰が考えても凍土壁などと云う困難な技術で遮水壁が構築できるはずはなく(地下水は流れているのに水が簡単に凍るわけないだろう)、素人目にも単純にコンクリートか鉄板でぐるっと原発地下を囲めば済むものを…テレ朝の報道では、土木学会の元会長と云う人の言によれば…凍土壁による遮水というのはごく小さな範囲でしか技術的に可能ではなく、あんな広範囲で凍土壁を使うと云う事自体技術的ナンセンスであり、かつ、コンクリート壁で地中を囲む工法の方が、凍土壁よりも、はるかに技術的に簡便で、高い効果が実証されており、更に工期も短く費用も十分の一で済む、と云う…それなのに東電がわざわざ凍土壁に固執したのは、凍土壁だと「新規技術」という名目で国家から資金援助される、即ち税金が投入されるためだと云うのである…こんな馬鹿げた、あまりに愚かしすぎる理由で海を汚染し続ける東電と、それに結託する政府の大罪が殆どメディアで問われないという事態を隠蔽するようにして、些末な豊洲問題を事細かに荒立てているとしか思えない絶望的な状況ではないのか…政権批判に直結する汚染水問題批判は自粛し、国民への目くらましの餌として、東京ローカルの話に過ぎない些末な豊洲問題を殊更大事件であるかのように扱う大本営発表マスコミの腐敗…実際、何百億円も掛けて凍土壁設備に投資し、更に冷やし続けるためにランニングコストがかかり続けても効果はたいして見込めない此の凍土壁の無能と、税金と汚染水垂れ流しと云う、いずれじわじわと何らかの形で国家財政と生態系の悪化からしっぺ返しを食らう可能性のある大問題…凍土壁を作っちゃった今、失敗を認めて(意図的な悪意としか思えないが…)、今更やっぱりコンクリート壁にしますと方向転換するとなったら深刻な責任問題が生じるから最早誰も方向転換できないという絶望的な状況…まるで知らなければ済むみたいな昨今の時局には、己の無力も含めて煮えくり返る…

思えば先週は色々な事が重なりまくって混乱の極致であった…久々の荒み茶会を主催した日…其の詳細は今日は省くが…兎も角其の激しい茶の湯のほとぼりも冷めぬまま、街に飲みに繰り出す矢先、いつもはタクシーが屯している駅前ではタクシーが出払い、仕事帰りの工員と思しきが不穏な苛立ちを隠さず各所でうんこ座りで駅前に大勢点在している…人身事故で電車が止まり、復旧の目途が立たない状況…タクシー会社に電話してもやはり出払っているのか応答なし…交通が完全に遮断され、しかし居酒屋予約の時間が迫る緊迫状況で、一台の、客を降ろしたてで回送中のタクシーが眼前を通り過ぎるのを、日頃あり得ない捨て鉢な瞬発力で止め、乗る込む事に成功し、此の危機を切り抜ける…無事、居酒屋で予定通り会食するも、其の時、カープが25年ぶりにリーグ優勝を決める…解禁になる可能性があるCSのチケット入手のため細君は一足早く帰宅に走り、残りの面々で大人の落ち着いた店で飲む流れで…カープ優勝に沸き立つ民衆の怒号、巡り巡って怒りにまで嵩じた歓喜の絶叫が各所で炸裂、本通にぎゅうぎゅうに押しかけた民衆が、西に行く人々と東に行く人々で友愛のハイタッチをしながらすれ違う二匹の巨大な蛇のうねりとなって歓喜の雄叫びが地響きとなって夜空にまで震撼して腹に直接響く…甲高い歓喜の声が本通と云う笛の中で煮詰まって地響きのようなおどろおどろしい極低音を長々といつまでも轟かすのであった…一つの感情を共有して其れを行動で示す「革命的群衆」(C・ルフェーヴル)が顕現した現場を目の当たりにする…流川では各所で暴動寸前、日頃の生産社会体制の中で鬱屈していたものをドサクサに紛れて発散させる半裸で絶叫しまくる男どもが(カープが優勝したからといって彼らの惨めな隷従生活が終わる訳でもないのに。否、寧ろ、ガス抜き装置として体制に寄与するプロ野球を彼らが支持する事で、彼らから陰に陽に巧みに搾取する体制を強勢させ、搾取体制をより堅固なものにしているのに。)ケチャのように要となって各所で人だかりを作っては悪びれもせぬ不穏不逞を雄叫び、見境ない暴力寸前を頻発させ…民衆の自発的な一斉運動に何よりも根源的恐れを抱く警察車両が「秩序」を大義名分として出入り口を封鎖しにかかるライオットなプチ・アナーキーが出現していた。そんな稀有な、異常な事態を体験できた喜びをかみしめつつ目当てのお店でスコッチ、旨酒を舐めつつ今宵の交流の充実を深めんとしつつ、細君は無事帰宅できたかなと思って携帯を見ると十件以上もの着信と一通のメールが。「鍵忘れた。」茶会にしろ何にしろ、ここまでうまく行きすぎたのだ…しかし観念しきれず、動転した怒りもあってこっちに来るよう指示をした後、其の判断ミスに後悔冷めやらず…そして細君の携帯は、居酒屋でカープ優勝試合をワンセグでめいいっぱい確認したため電気の残量がほぼ無いから次の連絡は取れるかどうか分からない中、荒れに荒れた流川を女性が一人でやってくる危険は看過できず、…渋渋スコッチ一杯で引き揚げ…どうにかこうにかとある電停で何とか合流…今までうまく行きすぎていたから何かで少しくらいは台無しになるだろうと危惧していたがやはりトリックスターが出現したのは致し方ないし、むしろこれくらいで済んだのは勿怪の幸いであった。今宵を台無しにされた怒りを寛容の理性で包みつつ…大須賀町で飲み直そうとするがやはりカープ優勝で一斉に街に繰り出した人々でいっぱいで入れずこの日はお開き…何にせよ全て是無事で良かった。革命的群衆のあのエネルギーが少しでも政治に向けばいいのにな、と思う。

マツダの寮で殺人事件…数年前の、マツダの派遣労働者が待遇への不満と隷従的扱いへの憤懣が募って工場内で車を暴走させて数人殺傷した事件を思い起こすが…今の処、憶測を出ないが…被害者は年齢からいって恐らく工員見習い、といったところか…遺族の悲しみは察するに余りあるが…此の殺人事件に関係あるかどうかは分からないが…工場作業者間の人間関係というものも、案外、根深く陰湿なもので…パソコンやコピー機なんぞがしつらえられた小奇麗な事務所、あるいはオフィスでスーツ姿で働く人々の人間関係とはまた違った、肉体労働特有の打算が蠢く怨念というのは大方の人には想像できまい…高度に管理された工場の中で、己の肉体の動きそのものを換金する肉体労働者、作業者あるいは工員はそれゆえに1mmたりとも無駄な動きをさせられると財産を奪われたも同然のように暴力的不満が露わになるのである…山羊飼いが放牧中に一匹でも山羊を失ったら家畜所有者に、山羊飼いが子供であっても容赦なく責任追及されるのと同じように(アルプスの少女ハイジを参照あれ)…のっぴきならないことになる…よくありがちなのが…「あいつのミスのせいで残業が増え、土日も出勤させられた」「あいつは俺よりも楽な作業をしているのに俺と同じ賃金な上、あいつは俺の作業が自分よりも楽そうだとうそぶきやがった」といった憤懣のベクトルが、上司や管理者には向かず(怖いから)、身分が同レベルの同僚や目下の者に向かう…まことに男の陰険なねちこさが惨めに粘り出る、ともすれば工場の裏手で土下座要求も頻発する鬱屈した裏寒い怨念の坩堝なのである…ミス云々で云えば管理者からしたら、よほど人の能力に依存した作業でない限り、工法・工程上の不具合と捉えており、殊更其の個人を責める動機は無いのであるが…ロボットではなく人が担っている以上ある程度複雑ではある作業でも繰り返し毎日やり続けておれば、何かこう、大局が見られない、非常に狭量な主観的人間的理屈に隔離されるようになって、ある意味そうした人間性に矯正させられて、理性的な行き場を失ったどす黒い感情が煮詰まった挙句、思いがけない方向へ噴出することも多々あるのである…工場という処は…。

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HN:
仄々斎不吉
性別:
非公開
自己紹介:
 数寄の天下を獲らんがため号するは、仄々斎不吉。

 三千家(裏千家・表千家・武者小路千家)及び諸家茶道流派に例外無き教条点前に豪を煮やす一方、近代数寄者(益田鈍翁、高橋掃庵等)以上に見立ての幅が広がった現代茶会に更なる侘びの新風を吹き込むべく研鑽を積む。

 利休の、無産有産といった階級をも併せ飲む侘びの骨頂に根ざしながら、そうはいってもありがちなブルジョア金満足だけは厳に慎みたい労農茶人。

 草木に臥してなお風雅を愛でる仲間であるために、茶の湯だけでなく、路上観察、テレビ跋渉、音楽及び納豆評論、 30人31脚批判もこなす趣味人にして愛陶家。 猫舌。


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