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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「the gerogerigegege/mort douce live(1996)sound factory records」 2010年7月18日 微熱白書



 体をだるく蝕む冷房から、スイカの臭いがする気持ち悪さ。
 
 歌を一つ。

 夏至越えて山は腹切る滴れや道に嵩張る碧葉の血潮

 下の句が上の句にとって説明的になっていると大和歌はつまらないものだが、この歌もそのようになった感あり。うまい事、下の句で鮮やかな展開が見せられなかったと反省すべきだろう。

 心身の弱りが全的に衰弱しつつ収束にはならず延延続くのだから累積疲労は増すばかり、先日から摂氏27℃の微熱が始まり、体の節々が鈍重に痛む。弱りが、心身と、心中しようとでもしているようだ…弱りが無くなった時、自分も亡くなるだろう。もう、作文では井伏鱒二の、他愛無い、読後に何も残らぬ釣宿随筆、音楽ではレジデンツしか、体が受け付けなくなってしまった…摂生のため今宵は酒を止しているが、すると、意識が鮮明なためか日々の汚辱や屈辱、憎しみや嫉みといった汚穢の思いばかりが沸々する…否、酔っていようが同じことだった…。

 王道なきロック史低迷編。ゲロゲリゲゲゲという名前。日本。録音は1987~1988。ギターやベースの音を激しく歪ませたり電子ノイズの嵐、フリー演奏、雄叫びなどを織り交ぜたからといって、音楽として、荒みに至るわけではない、ということが反面教師的によく分かるCDであった。だからといって、何が足りないのか、どうすれば荒みに至るのか、説明責任などありはしない。ただし、似非荒みと本物の荒みの峻別という保身にふんぞり返って胡坐かくつもりもない。似非と真の交替劇など、幾らでもありうるだろうが、そんな、鵜の目鷹の目流行跋渉も、どうでもよいだろう。
 そういえば、2、3週間前の朝日新聞で、名前は忘れたが、あるバンドが、ステージで、演奏を挟みながら、コンビニ弁当を食べたりダンボールを積み上げたりする試み、というのを取り上げていた。その首謀者は、ライブに行って金払えば音楽が聴ける、と思われている前提を崩したかった、といった内容のことを言っていた。以前、小生も本ブログで似たような問題意識を述べたことがあったし、小生以前の先人においても、既に似たような発言ないしは試みはあっただろう。それを、今、実際に、なさっているようであった。それはそれで善行だと思われる。
 小生は10数年前、リモコンでの、エアコンのオン、オフや風量、温度設定によって微妙に変化するだろう音やエアコン自体の持続音を披露するライブ、というのを思い立ったことがある。エアコンの、サーサーフォーフォーいう音は心地好いし、風量や湿度設定を変えることでかすかなニュアンスが生まれたら面白そうだ、と思った次第。とある公共施設の一室がイベント用にかりられるようになっていて、応募しようとおもったが、気持ちが折れて、電話して呼び出し音一回で自分から切ってしまった。今でも後悔している。気持ちが折れたのは、このライブの内容についてではなくて、電話相手と交渉しなければならないことについて、であった。
 最近、ケージの本を読んでいると、半世紀前に、ケージは、「冷蔵庫の持続音は美しい」、と言っていた。インタビュアーは、「冷蔵庫が故障した時のガタピシ音が美しいのですか」、と確認を求めると、ケージは、「いや、冷蔵庫が正常に作動している時の持続音が美しい」、と言っていた…。既に先人が、自分と同じような感性を持ちえていた、ということだった…。
 そういうわけで既にケージが発想していたことではあるが、いずれ、機会があればエアコンライブしたいものだ…歴史的意義もさほど無いにしても、義務として、やっておかなければならないこともあるだろう、いや、機会など、自分が作らなければ一生来ないだろう…。

juntaro yamanouchi: bass, voice, noise, all sound
toshinori fukuda: drums
hironao komaki: guitar

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