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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「blues magoos/psychedelic lollipop(1966) repuk1049」 2009年5月1日 頭痛


 見なければよいのにテレヴィのニュースなぞつらつら見ていると、時に、航空自衛隊やレスキュー隊の候補生の選抜のための訓練、の模様が流される。半年ほど前に、航空自衛隊の新人訓練、つい先日に自衛隊から選抜された者らのレスキュー隊の訓練、がニュースの合い間の特集として放送された。訓練や試験というと聴こえはよいが、端的にそれは世界中の軍隊特有のしごきであり、せんべいをばりばり齧るたるんだお茶の間の衆目には耐え難い暴力映像であろう。例えば航空自衛隊の新人へのしごきでは、新人の中にいる一人の女性に焦点が当てられるのだが、新人らの部屋の布団が同一に整っていないのを理由に、先輩と称する国権を笠に着た犬どもが、部屋の新人の私物を全て野外に放り出して、犬どもが望む同一の有り様になるまで片付けと放り出しを繰り返したり、入室と敬礼と大声での号令を何度もやらす、といった胸糞悪い不条理の強制である。新人の女性は涙を堪えながら泣いたりして、すると新人の班長に、犬の一人が、あいつどうにかしろよ、みたいな醜く見下した表情で見やったりする。まったく、実際のところ、犬に対して失礼なほど、真性の人間の醜さの炸裂映像である。苛烈で即物的なしごき映像からスタジオに切り替わるも、小奇麗で非生活的なスタジオの空気に解消されようも無く、それでも好意的発言で場を和まそうとするニュースキャスターの苦しいコメント。
 あるいは自衛隊から選抜されたレスキュー隊のしごきでは、直接的な肉体へのしごきもさることながら、新人らの脱いだ靴の紐が揃ってないことを理由に、連帯責任でまた肉体酷使が罰として与えられたりする。その間の、犬どもの怒鳴りや罵りは航空自衛隊と変わるところは無い。犬どもはいっそ無言で、しごかれたがっている保守的新人犬をしごけば、新人犬の忍耐力増強という犬どもの目的に叶うだろうに、罵詈雑言やお前のためにやってるみたいな事を浅知恵に任せて言うために、それが、権力の犬たる由縁である。
 外敵侵入に対して専守防衛する自衛隊や災害現場でのレスキュー隊が任務を成し遂げるには権力への絶対服従と同一行動が必須であり、従って絶対服従と同一行動を叩き込むしごきは必要であり、しごきは暴力であるなどと騒ぎ立てるのは現場を知らぬリベラル小市民のきれいごとに過ぎぬといわれると確かにその通りである。
 ただ、もしそうであるならば、小市民なりに、私たちは、権力に許されたしごきとそうしたしごきに盲従するしか能が無くそしてしごきを再生産する自衛隊やレスキュー隊の助けを、断固として拒否しなければならない。命がけのきれいごとを守らなければならない時が来るであろう。最早この概念に何の希望も抱けない民主主義、であるが、民主主義を守るため、私は、災害や事故で死にそうになっても、レスキュー隊の助けを拒まなければならないし、出来るだけ頑張るがいよいよとなれば従容として死を選ばなければならないのか。外敵侵入に際しては市民による統率無きゲリラ戦しかないだろう、ただ、核に対しては無力であるし、国民国家が私利私欲で乱立する現状況に対しては、やはり盲腸炎のように暴力汚物と共に痛みに耐えながら生きていかないといけないのか、悩ましい。国家権力による暴力を受け入れるか、市民個人らによる野放図な暴力を受け入れるか、の選択の前提を疑う議論も現在はあり、なんにしても退屈である。なんにしても民主主義は元来命がけのものである。私たちは、権力を笠に着て正義を行なおうとする軍隊や警察などという人種を絶対に信用してはならない。
 現在のアメリカや戦前の日の本のように、貧困に耐えかねて入隊するといった事情が少ないにも関わらず、わざわざ、しごきといじめの現場である軍隊とその下部組織に入ろうとする、今に始まった事でもないのだろう、保守的な若い連中を軽蔑することから始めなければならない。

 さて、ブルースマグースである。アメリカ。サイケデリックという単語をアルバムに使用した最初期のバンドと言われていることで時として一般のロック史に顔を出すバンドである。まだ10代の、年端も行かぬ者らの音は、ガレージというよりもサイケポップ的な、比較的おとなしめながらも、主としてキーボードを気弱に鳴らすことでサイケの音色に近づく。しかしながら捨て鉢でひねこびた攻撃的楽曲もあり、サイケデリアの根暗な北そ笑みの面目躍如もあり、油断は禁物である。退屈さを厭わぬ、いかにもサイケっぽい冗長なインプロもやってみる素直。取り立てて演奏が激しいとか野蛮だとか上手であるとかいう特徴は無く、凡百のバンドの一つかもしれないが、安易なフラワーに流される事なく、衆に恃まぬ、バンドという単位のみが奏でうる心優しい楽曲の素養には、英国の彼らの影響があるのもこの際致し方ない。英国の彼らとは、その内の一人が暗殺され、その彼に声も姿もそっくりなその彼の息子が日の本の車の宣伝に出たりしている叙勲バンドである。

ralph scala:keyboard
ronnie gilbert:bass
emil "peppy"thielhelm:rhythm guitar
dennis lapore:guitar
john finnegan:drums

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