ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「ruben & the jets/cruising with ruben & the jets(1965?1968?) rykodisc rcd10063」 2009年5月10日 初夏
私企業に身売りして得た銭で以って購入したオンキョウのミニコンポFR-155GXは、一ヵ月後には音を再生しなくなり、その後度々修理に出すがすぐ壊れる、小生、特に音質にこだわるオーディオマニアではない、ほどほどの音を出してくれたらよいのに、音楽再生装置の存在意義である、音を再生するという根本機能に欠けており、最近では、楽曲によって一部コーラスが出ない、ベースが出ないといった不具合に悩まされていた。なぜこの不具合が分かるかというと、小生がハイスクールに通っていた頃親に買ってもらった日立製作所のCDラジカセで、二重にCDの音をチェックしているからである。ただ、このCDラジカセも、楽曲によって出ない音があったりするし、いかんせん音が悪すぎる。従って、この2種の再生装置の、出せない音が合致した場合、小生はそのCDが出せる真の音が分からずじまいになる。
こうした劣悪な音環境を打破すべく、ついに新しく音再生装置をこのほど購入。オンキョウは最悪だったが、今度はケンウッドのミニコンポにした。小生は、繰り返すがオーディオマニアではない、無論できれば良い音で聴きたいが、どんな音質で聴くかよりも、どんな音楽を聴くかに重点を置いて出資しているので、まあそこそこの音質であればよいと思っている。今は書画骨董の類に身銭を注入しているので、書画骨董界と同じく趣味の業叢深く険しいオーディオ界に足を踏み入れる金銭的時間的余裕は皆無である。
それにしても、このたびのケンウッド、割り合い廉価だったにも関わらず前のオンキョウよりも格段に音は良い。(ケンウッドは26000円、オンキョウには45000円払った!)あとは耐久性の問題であるが、何となく具合がよさそうである。前のオンキョウは、思えば買ってすぐに、動作に不可解な前兆が見られた!さすがはケンウッド、と手放しで褒め称えられる日がいつか来る事を願います。せめて7年は音再生機能を保持して欲しい。
さて、ルーベン&ザ ジェッツである。マザーズ オブ インベンションが、ルーベン&ザ ジェッツの名前で作製したアルバムである。名前からも分かるように、ハイスクールダンスパーティバンドの1950年代風の初期ロックンロール、ドゥーワップ音楽である。よってその内容は、自ずとザッパ&マザーズのルーツを掘り下げるものとなるであろう。好き嫌いが別れるであろう、ドゥーワップをマザーズ流に曲解した臭いげっぷの連続のような低音コーラスと耳に優しくない高音コーラスは既に健在であるが、楽曲は専らダンパ用であるからして、古き良き50年代の範疇、映画「アメリカン グラフィティ」に収録されていても不自然は無い作品である。中には、大きくアレンジを変奏、複雑化してマザーズのファーストアルバム「フリークアウト!」に取り入れられている楽曲もあるため、このアルバムは、ファーストが達成した音楽の検証に役立つ。ルーベン&ザ ジェッツという、他愛無いダンパ音楽が、如何様にマザーズが成した珍妙玄妙ロック、取り分けてサイケデリアの金字塔へと変態したか、をリスナーに聴かす為に、あえてザッパが発表したのがルーベン&~であるため、ザッパの自信推し量るべし。
ただ、ファーストとの関係は考えなくても、当然、このアルバム単独で十分楽しめる。後年のロックのように演奏技術の凄みだとかを前面に出さぬ、演奏が楽曲に従属する歌謡曲の伝統の中で、いまだ静かに、しかし確かに牙剥きながら揺籃睡眠するロックの赤子水子を、丹念に聴く事が出来る。それは結局、資本と大衆を安住の外には決して出さぬ危機意識のない歌謡曲あるいはポップスに収まりようもない、ブルースという嘆きと怒りの音楽を根底に持つロックンロールであるからして、権力や人を安心させないロックの誕生の必然を物語るザッパ&マザーズのしたたかな戦略であった。反権力闘争も結局は権力活性化と結託した同じ穴のムジナだというのは単なる言葉上の連想ゲームに過ぎない。ブルースという、言葉あらざる音楽は、音楽であるからして、それを奏する者聴く者にとって、独立的に反権力となる現実である。50年代のロック周辺音楽については、またしっかり考察したい。
なお、メモのため、昭和歌謡サイケ、という考え方を記憶までに。
ray collins :lead vocals
frank zappa :low grumbles, oo-wah and lead guitar
roy estrada :high weazlings, dwaedy-doop&electric bass
jimmy carl black and/or arthur dyer tripp Ⅲ :lewd pulsating rhythm
ian underwood or don preston :redundant piano triplets
motorhead sherwood :baritone sax &tambourine
bunk gardner & ian underwood :tenor and alto saxs
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