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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「ヒカシュー/ヒカシュー+2(1980, 1989)toct-10049」



地元に何百年と伝わる神楽や能などは爆撃や誤爆で破壊されたらすっきりするだろうと、心の苛立ちが括目する。無気力編はヒカシュー。狂言師のような深イイ声の真面目が残酷なグロテスクを突拍子もなく飄々と謳い上げる哄笑の根底的なフザケ、一抹の毒、…災害報道でさんざん見せつけられる上にこんな約束事にいちいち欺瞞を指摘する馬鹿正直なども端から無言の嘲弄の戒めに雁字搦めだから表面上無批判に事が垂れ流される真面目くさった嘘くさい顰め顔(女子アナ、評論家)に比べ…場違いな不謹慎にこそ真実に護衛されない剥き出しの誠を感ずる。テレ東で引っ張り蛸の希代の漫画家蛭子さんしかり…人間や生き物が未来永劫いくらでも繰り出す、裸の王様=理屈とは関係ないピンピンに生きのいい電子音の、楽しげな死の音がこの上なく快い。人の気に障る不敵な面構えの同じ顔の男たちが横一列で影の無い真正面から、両腕を丸めてぶんぶん調子に乗りながらこんな事を歌いながら不連続的に非情にも迫ってくるだろう…。不逞テクノポップの苦み走った精華だ。

「幼虫の危機」

たのしいな 幼虫が死ぬなんて
たのしいな 昆虫も死ぬなんて

たのしいな 動物が死ぬなんて
たのしいな 人間も死ぬなんて

宗教や思想や芸術がのたまうあらゆる種類の人生訓の大筋はもううんざりするほどよく分かった。皆同じことを主張しているに過ぎない。要するに生存を無自覚に信奉する人間や生き物がわんさか繰り出す理屈に執着せずに、降り掛かる火の粉を命がけで振り払って死を覚悟して楽しく動くのが徳、ということだと。中島敦の「悟浄出世」や「悟浄歎異」を一読すればもう、事足りるだろう。西遊記を見事に翻案して近代の意識を表出した佳作である。ドストエフスキーの長編を読むまでも無い事だ。芸術の価値が人生の無価値と等しいならばオンの字だろう。外界での客観的な無価値認定だろうと、内発的な価値の湧出の無さだろうと、どちらでも同じことだ。

プレゼン上手が売りの少壮社会学者どもは社会を科学する学者たりえていない。彼らは、彼らが分析、解釈していると思い込んでいる社会現象の一部に過ぎない。

はしりの時雨…暗雲垂れ込めて、いつもは室内の蓄熱が酷くて暑ぼったいこの賃貸物件でさえも涼しく感じると、心境も展望の無い落胆へと無暗に落ち込むとはいえ、青空が明け透けなほどの真夏であっても憔悴した気落ちは深まるばかりなのであって、いつだって低調である。そんな最中にあって、ある企みを立案中であったところ、大勢に影響ない程度であるが一部予定がままならぬ止むを得ない事情が起こり、むしろほっとしている…それ自体は純然と残念な事ではあったけれども、その事とは別に、計画などというものがスムーズにうまくいく事などどうかしている、うまくいく方が気味悪くて恐ろしい、肝心な処で取り返しのつかぬ悲惨事の前兆のようで恐ろしい、ならば事前に、ままならぬ事が小出しにでも起きていた方がまだまし、しかし事前の小出しがむしろ「うまくいっている」形ならばそれはそれで最終局面で全てがおかしくなる悲惨事への予兆なのかしらん、と、ずんずん疑心暗鬼が跳梁跋扈する。斉天大聖孫悟空を見習って屈託無く生きていきたい。

今、現在の、あられもない欲望は衷心から、正直な商売をしている郷土料理系居酒屋でとことん飲むこと…牛すじ煮込み、湯豆腐、地魚の刺身盛り合わせ、焼き鳥盛り合わせと郷土の鮓などを迷いなく注文してからまず生ビールをジョッキ三杯ぐいぐい、あらかた飲み食いしてほとぼりが冷めた後、静かに…烏賊の沖漬けと共に日本酒(純米吟醸)、冷やで行きたいところだが老いによる悪酔いしやすさを顧みて、熱燗…。

作詞:巻上公一
作曲:巻上公一、山下康、海琳正道

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