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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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酩酊編

 リビアのガダフィ大佐が拘束後殺された地はリビアの地中海沿岸の都市シルトであったようだ。シルトといえば、ジュリアン・グラックの「シルトの岸辺」を思い出す…ちょっと本棚見に行けば分かることではあるがそれすらも面倒なので当てずっぽうに記すが、どこぞの文学全集にM・ブランショの「アミナダブ」と一緒に収録されていた茫洋小説である…グラック氏が高校教師を定年退職後に書いた小説らしい…横山大観らの朦朧体とは異なる…こんなことはどうでもよい…もう、既に酔いは深まっています。室内で、午前1時20分。
 勤労後の疲労困憊、心身共ににっちもさっちも行かぬどん詰まりの果てに度が過ぎた飲酒止められず最近の人間ドッグでは過去最悪の結果を更新しつつ秋深まるにつれ酒はウヰスキーから日本酒へときっちり移行、備前五大老を揃えし今となっては新入りの備前徳利を育てるがためという浅ましい背景もあって備前徳利にしきりに酒を湛えては粉引高坏盃に注ぐ。就寝前の貴重で希少なる時間すらも速攻の就寝ゆえに読書にあてがえない困難である今となっては、わずか十五分の電車通勤時間しか時間がない…通勤電車…生ぬるい心情的にはアウシュビッツ‐ビルケナウへの護送列車にすら等しくなっている、精神が絶望的に切り立った地獄の15分…泣き言がましいが事実ではある。それゆえか、その瞬刻を読書時間に当てると、腰痛なんかの緩和治療に使われる針治療のように鋭く的確に小生の心にあらゆる重要な書物がピンポイントで劈き入ってくる。口腔で酒を巡らせるようにして執拗に味わっていると酩酊によりそれすらも瞬時に忘却、口腔に酒を含んでいる事すら忘れた結果、なんかの拍子に不意に酒が喉を落下、自律神経すら正確に判断できず気道に酒が入りかけてゴッホゴホむせぶ。今週襲われた激甚なる鬱状況について語ろうと思ったがそれすらもどうでもよくなってきた時間という時間…出まかせに、十一世紀ペルシャの詩人オマル・ハイヤームの、妙にいさぎよい厭世四行詩(ルバイヤート)を三つ刻む…こういうのを滑稽と云いたい。苦み走った…何の悟りも無い…

幾山川を越えて来たこの旅路ではあった。
どこの地平の果てまでもめぐりめぐった。
だが、向こうから誰一人来るのに会わず、
道はただ行く道、帰る旅人は、見なかった。

もともと無理やりつれ出された世界なんだ、
生きてなやみのほかに得るところあったか?
今は、何のために来たり住みそして去るのやら
わかりもしないで、しぶしぶ世を去るのだ!

酒をのめ、マハムードの栄華はこれ。
琴をきけ、ダヴィデの歌の調べはこれ。
さきのこと、過ぎたことは、みな忘れよう。
今さえたのしければよい―人生の目的はそれ。

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