ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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枇杷随想…
桃や梨、柿など、旬の果物は生気に満ちていずれも旨いが…数年前から、初夏の風物詩、枇杷の魅力にのめり込む…井戸茶碗などを評するのに兎角枇杷色が持て囃されるのもむべなるかな…その昔…茶席で枇杷を出されたある茶人が、後日自害したと云う逸話も、嘘か真か、あるそうな…枇杷と云うのは指を少々汁で濡らしながら薄皮を剝いてしゃぶりつくしかないがために…どうあっても行儀よく頂けない事に我慢ならず、切腹、と云う仕儀…恐らく「茶道」に成り果てた江戸時代あたりの話なのかな、と思いつつ…意地悪な亭主への怨念なのか、あるいは枇杷そのものへの遣る瀬無さなのか、あるいは斯様な事態に至った己の運の尽きを悟ったが上での無念なのか、いずれにしても常軌を逸した心情は推し量り難く…其れはさておき此の器…黄色粉引片付き皿は…北海道産の作家のもの…轆轤の勢いを殺さない手際の良さが伝わる作行きにて、高台もびしっと決まり、ごく自然に亀の形に歪ませ、片口の作りにも迷いが無い様は相当の手練れとお見受けしつつ…何よりも感服したのが、黄色に発色した粉引手と云う新提案…普通の粉引は白泥をさっと塗りたくり、其のままの色で焼き上がるが…まるで黄瀬戸の油揚げ手を思わせる滋味深い発色をする泥土を北海道の山野にて自ら発見したとの由…多分、鉄分が多い土で還元気味で焼成するのかなと推測するが…萩焼風の貫入まで入り表情豊か…そして何よりも、枇杷がよく映える。
此の土日は生口島近辺を漫遊…暢気な話だが、今後の遊びの方向性について会談の機会を設けるのを口実に、野点三昧…抹茶よりも煎茶への興が沸いて来ているこの頃だから、此れで一旦一区切りし、次は煎茶に挑戦したいが…まずは急須探しから。
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