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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「the mothers/fillmore east-june 1971(1971)rcd10512」 2009年8月23日 残暑


 通勤中に門前を通る神社の境内には楠木の巨木が幾棟!も栄え、太枝が道路にまで張り出している。先週末、枝の下を通ると、蝉の骸がそちこちに転がっていた。

 腹すり合わせ組み伏して落つ夫婦蝉

 仰向けで道に焼かれる叫び蝉

 来るべき因幡伯耆旅行のウオーミングアップという位置付けで、広島市中小企業会館にて催された大骨董市・棚卸市に出かける。本気を出すまい、根付とか古伊万里の蕎麦猪口で安いのがあれば二、三お助けしようという程度の心構えで行くも、やはり品々の気に押され、本気を出さざるを得ず、しかし本気を出したくないなぜなら今日は己のしがない金力を使う覚悟が無いから、という思いの板挟みになる。終わってみれば、無残やな兜の下のきりぎりす(奥の細道)、ざんばら髪に傷だらけの落武者のごとき心境であった。何度行っても恐るべし骨董市。特筆すべきは、天目形の器形で、高台脇に高麗の粉引きあるいは刷毛目のごとき白泥を見せるように、本物の黄瀬戸釉を上掛けしている、さらに拙い蟹の絵付けまで施しているという空前絶後に珍しい茶碗に遭遇したことで、しかも桐箱がついてないから思いのほか安く、速攻でお助けした。繰り返すが、物凄い珍品である。県内外で戦った、地方の骨董市蚤の市での小生の戦歴についての詳細はいずれ日本焼物紀行に掲載したい。
 ちなみに、骨董市で奮戦した後、噂の猫カフェに行きました。その一部始終は来週、別の御方がレポートするでしょう。

 さて、マザーズのフィルモアイーストでのライヴ版である。とはいってもザッパであるから随所でオーヴァーダビングしているゆえ、正確な意味でのライヴ版ではない。タートル・マザーズ期の傑作というに留まらず、ロック史上の最重要作品である。というのは、このアルバムの比較的はじめの方の数小節、サイケデリアの高純度を維持しながら形振り構わぬ変拍子で、どこまでもブルースに留まりながら西洋音階を駆け上がるプログレッシヴな展開を見せる野卑極まりないハードロックのイデアが一瞬だけ聴かれるからである。こうした音楽をハードロックとして継承すべきが、ザッパでさえも一瞬でしか成しえなかった荒技だからか、ロックの王道として継承される事は無かった。半世紀近くたった今、心あるロック継承者諸兄の、薄暗いライヴハウスでの地道の中に、微かな希望を見出すしかないのだろう。

Frank Zappa:Guitar, Dialog
Mark Volman:Lead Vocals, Dialog
Howard Kaylan:Lead Vocals, Dialog
Ian Underwood:Winds, Keyboard, Volcals
Aynsley Dunmar:Drums
Jim Pons:Bass, Vocals, Dialog
Bob Harris:2nd Keyboard, Vocals
Don Preston:Mini-Moog

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