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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「…」

つまらぬことを追記。下線部。
向かいの家、いつも小生が車庫入れするたびに窓際の介護用ベッドから痩せた手を伸ばしてカーテンを少し開けて厳しい監視の目を突き刺してきていた老婆が、ここ数か月前から気配を消している…しかるべき施設に入ったのか…歯切れ悪く悪状況はだらだらと、収束への道筋が決定的な見て見ぬふりとしくじりと踏ん張り処で逃げ出し踏み外す臆病と蒙昧と気遅れによって逸した今となっては迷い水さながらに苦しく彷徨うしかない動悸の日日はそれでもしぶとく続く…加えて、予め恐れていた内憂もまたついに勃発というか再発、のっぴきならぬ状況に、鬱屈とくさくさ感で汚れきった雑巾のようなざらついた溜息を長く大きく吐くし、しかし息が何だか苦しく、酸素が足りない錯覚もまた間断ない…目の前の解決能力の無さがずぼらに開陳、仕組みについての理解に時間を割く事への反射的嫌悪…保険とか…契約書とか、一文も読むに堪えない…気持ちが悪い…いぎたなく高騰するやつれた殺伐の低姿勢…旨い回転寿司屋があった…その回転寿司屋は、旨かったのだ…開店当初から、悪く云えばそつのないシステムを整えた今時な風情だがそれでも細かな工夫がたとえばネタが乾かぬよう一つ一つの、握り寿司が鎮座してかしこまる皿には透明樹脂の覆いを被せ、握る職人は皆、唾液等が掛らぬよう機能的な樹脂製マスクで顎から口にかけて鼠返しのように巧みに覆い、ネタも近隣の港から、価格に見合った選りすぐりの珍味や定番ものを取りそろえ、サイドメニューにも心配り、冷えた寿司ばかりで腹が冷えるだろう客を気遣うあったかいウドンのヴァラエティも富ませ…カウンター席に二席おきに小さな間仕切りを設けるなどのプライバシーへの配慮…金曜日の夜だった…ヅケや煮蛤など、ネタにひと手間かける下拵えを重視する江戸前は別として昨今ではたいていでは生魚の切り身を酢飯と一体させる握り寿司の形式ではなかなか新たな仕事を加えるのは難しかろうが十年前くらいから勃発したいわゆる炙り物、あの、ガスバーナーで上からネタを炙るという、雄山激怒の代物では案外素人にとっては工夫のしどころが多く各店で切磋琢磨しているようであるがこの寿司屋でも今や回転寿司屋の重鎮たる炙り物の日日の革新も怠らず、21世紀に入って日本人の食生活を激変させたといっても過言ではないアボガド使いも巧みである…ところが…金曜日の夜だった…先週は心の無余裕の荒みに任せて近所の韓国焼肉屋に飛び込み体育会系市井のファシストの座談を小耳に挟む内に心身を害したゆえに(肉は絶品)今週は寿司でも、という成り行きであって、いつもならこの時間帯は客が少ないはずが、その時はたまたまなのか混雑していた…店の前で一刻も待てない性分の小生は「出ようか」と見切りつけると細君が「少しくらい待っても」というから待つ…つぶさに店員の仕事ぶりを観察…うまく仕事が回っていない、客が去った後にも関わらず食い散らされた皿がそのまま幾棟もの聳えたち、片付けが間に合っていず、客をいつまでも待たせている状況…ようやく着席…うーん、回転しているネタが、以前に比べて、何だか少ないな…そして、かつて見た事のある悲惨な光景が、ここでも似たような形で繰り広げられていたのである…テーブル席にわんさか陣取って子らがコンベアの上に乗り出すように食い意地剥き出しに首を伸ばすいぎたないファミリーが、間髪いれずあちこちのファミリーが、職人に直接無茶苦茶な数を注文している…注文するならせいぜい一回につき二つくらいが風情ってものだろう、それを、一時に10以上も注文するなんてざら…馬鹿かこいつら、と憤怒がこみ上げる…カウンター席でも、老若男女が口頭もしくは書いて注文しまくる…その対応に手いっぱいの職人らはコンベアに寿司を流す暇がなくなり、コンベアに流れていないから食欲で殺気立った客は直接職人に注文しまくる、という、回転寿司屋の悪循環が起こっていた…そう、小生がかつて足しげく通っていたあの、いまは潰れて無い激マズ回転寿司屋…その末期症状が、この、比較的新しい、そこそこ旨い寿司屋でも発病していたのである…(この激マズ屋、潰れてから店舗がつけ麺屋になったが小生は気に入っていたもののその魚介系のさっぱりまろやかなスープがいまいち流行らなくて潰れ、昨日、博多系濃厚豚骨ラーメン屋になるという、荒みの転生が繰り広げられている)

 あああ、そうだったのか…最初から激マズ寿司なんてなかったんだ…初めは、店は、旨い寿司を素早く気持ちよく客に提供しようと、あの手この手で工夫して精進していたんだ…それが…大衆が、回転している寿司を食うという回転寿司屋での最低限の作法を我が物顔に侮辱し尽くした挙句、大衆の、食って食って食いまくり、注文して注文して注文しまくる無分別で節操のない、食欲と無神経、自分は安全な場所に居ながら立場の弱い他人をかけずり回らせて無自覚に悦に入る厚顔無恥によって、文字通り食い潰され、耐えきれなくなって店はだんだん激マズ寿司への下り坂をゆっくりと、そしてある瞬間から急激に転がり落ちていったんだ、劣悪な客の対応で仕事ぶりも荒んでいってそのうちネタも不味くなり気配りも衰え、そしてついに激マズ寿司になった店はついに傲慢な下劣客からも見放され(小生は見放さない)、食い潰され、店自体も経営的に潰されていったんだ…店側も悪いのかもしれない、回転寿司にも関わらず、「お気軽にご注文ください」と表示しているのだから…だからといって、回転寿司屋に入ったら郷に入らば郷に従え、まずは回転している寿司を食うべきではないか、それを、店の好意に卑しく付け入り回転しているのは一顧だにせず何様のつもりなのか店員への直接注文を嫌がらせのように大量に発注する悪魔の、人間の所業…小生「御勘定お願いします」と店員に告げて帰り際、二人の熟年男が来店、見たことあるな、と小生思っていると、息の上がった店員が「汁物のご注文はいかがでしょうか」と云い終えぬ内に、「酒や!」とがなり飛ばす…いきなり日本酒では寿司の旨味も分かるまい、そんな事に頓着するレベルではない荒んだ客層が常連…そして、別のファミリー客が、「おあいそっ」と店員に告げる…回転寿司の作法もわきまえぬ輩が江戸っ子気取りの粋自慢ですか…あきれ果てものも言えぬ…ああ、駄目なのか、この店も、客に食い潰されてしまうのか…この店は、しかし、ネタは、まだ、旨かった。しかし、そこそこ旨い、比較的新しいこの店でも、ついに、かような、荒んだ凋落の兆しの不吉が垣間見え、心底いたたまれぬ気持になったと同時に、明確なる怒りがやり場無く、己を徒につんざくのみで、まことにやり切れない、苦々しい家路であった…。身近なファシズム状況と国家論を書く予定だったが以上のような緊急事態だったゆえご容赦。兎に角切り立って、余裕の無い生活。少しずつ、生活を立て直さなければ…


綾も錦も君ありてこそ 和宮

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