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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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般若の仮面が取れたら、うろたえた人間の真顔があった修羅の道

精神状態は極めて悪い…今や、市場原理や国家原理や生命原理との戦いと云うよりも、宇宙との戦いと云うおよそ勝ち目のない戦いにステージが変化しているが…もう金輪際捨て去ったと思っていた世俗の幸せが、いざ目の前の、手を伸ばせばすぐ届く処にぶら下げられると云う新手の攻撃を受けて、其のダメージが此れまでになく回復しがたい深甚な損傷を私の精神の基礎構造に与えている…少々の困難を与えてもへこたれない私の信念を見て取った宇宙が、策を転じて一種陰湿な懐柔工作を仕掛けるとまんまと引っかかった私の俗な悟りの浅薄さが露呈する訳だが…要するに世俗の幸せと云う餌が眼前にぶら下げられた途端、つい其れを掴もうとしてのこのこと外に出た途端、慇懃無礼に其れは取り上げられ夢幻と化した事が、まんまと引っかかった私への実に効果的な嘲弄ともなったから、要するに「バーカ、こんなちんけな罠に引っかかってやんの、てめぇみたいな人間の屑に世俗の幸せが与えられる訳ないだろ、社会の底辺でおとなしく搾取されてろ、そしてさっさと死ね」と罵倒されたも同然であった事が、ありきたりな安手の嘲笑であっても其の内容を辞書的に受容しただけで心的損傷が直截でもあると同時に、結局手前勝手に悟り顔していたっていざ捨てたものが再度現れると餌に飢えていた家畜みたいに喜色満面で動揺する貧相な悟りでしかなかった事への惨めな自覚による心的損傷を受けて、云わば二重の意味での損傷だったがどちらかと云うと後者の方が深刻である。いずれにせよ二重の意味での貧相な自己の露見は、これまで辛うじて自分を支えていた精神構造の基礎部分をぐしゃぐしゃに瓦解させており…最早見るもの聞くもの全てに怯える手の付けられない衰弱が過敏な臆病を発現し、かつてはねのけたはずの、陳腐な無数の理屈に改めて間断なく攻撃を受ける始末…世界中からコンピューターウイルスの攻撃に24時間さらされているような…世俗の幸せと云うのも、結局は市場原理と国家原理で構成された生命原理を材料としているのだが…生命原理から根本から免れる事が、自分が生命であるゆえに困難だからこそ、此の種の懐柔工作が効いたと云う事なのだろう…そして、此れほどまでに精神状態が陰陰滅滅であっても数か月前に予約したクルージングランチはキャンセルする訳にはいかないからおめおめと乗船する…ぐちゃぐちゃに陰惨なる自分の精神に比して華やかなおフランス料理に舌鼓を打つにつれて、世間様に顔向けできない後ろめたさなどと云った、典型的に全体主義的な卑屈な思考に囚われていたのが、ワインに合う合う料理のおかげで鷹揚な気分で穏やかな海の広がりを眺める優雅な時を過ごす…しかし精神の弱り目は其れくらいで直るはずもなく…操舵室見学と云うオプションもあって、参加すると…国際通信旗の数々が棚に整理されていたり、女の人が航海士として先方の海の広がりを凛々しく注視しながら操舵しているのを見るにつけ…こんな風に、海と空に洗われるような職業生活が送れたらどんなに毎日が惨めな苦悩に汚される事なく爽快で素直な裏表無い毎日が過ごせるだろうか、と思い立ち、すがるようにしてさもしくもバアーと船乗りにどうすればなれるか調べたりして…国立の短大に二年寮生活しなければならず、年齢制限は無いからよしんば受験に受かって卒業できたとして、果たして船会社が、自分みたいに馬齢を重ねた、腐った生クリームみたいな顔をした無能な人間を雇うだろうか、二年の寮生活に加えて、仮に船会社に就職できたとしても夜勤の無い近場のフェリーや昼間の呑気なクルージングに乗り組めるとは限らず、数日か数週間、あるいは数年も航海しなければならないかもしれないのだから、其の間、家人はどうする、現実を見ろ、と気が付き…もはや、どのみち、人生の裏街道で初志貫徹するしかないのだ、ならばせめて卑屈に過ごして精神をこじらせるのではなく胸張って溌溂と野心を生きるしかないのだという八方塞がりが唯一の進む道であると改めて思い返された次第…志自体の理論的暗雲も底流としてありながら、人生において、私が志を成さんとすればするほど自分の最愛の人の心と体を確実に蝕んでいく、だからと云って志を止めたら私が死ぬ、いや、恐らく安穏と生きると云う意味で死ぬ、其れでも構わないし寧ろその方が推奨されるしそうすればみんなが幸せになるのは分かっている此の世で、其れでも志を止められない掻きむしられるような苦悩が自分をして鬼畜を生きる覚醒をもたらしたのだが、此の、呪いのように深甚なる鬼畜の所業を生きる上で…自分の顔を特殊な鏡に映せば般若の顔をしているに違いないと思い込んでいた…やり場のない怒りと悲しみが慟哭もできず同居して凍り付いた鬼の形相…そんな鬼畜になりおおせたと勘違いしたのが、足元を掬われた元凶だ…鬼畜気取りで志をもてあそんだ性根の至らなさだから、結局鬼畜の苦悩に耐え切れず、いざ眼前に、こんな般若的苦悩を全て矛盾なくきれいさっぱり解決してくれる世俗の幸せが現れたから、すかさず此れに幻惑された挙句に世俗の幸せの不可能性を思い知らされて今更にうろたえた無様を自他に晒したのであった…つまり、般若など所詮は仮面にすぎぬ…人間が鬼の仮面をかぶるのだ…仮面の中身は、いつでも、状況を消化できぬ人間の真顔…此れが現実だ…こうして化けの皮が剥がされた此度の顛末を、活かすも殺すも自分次第と云う無の境地の振り出しに舞い戻る狼狽の嵐が収まらぬ修羅の道を進むしか…。

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