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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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続き

此の年末はとんだ災難に襲われてしまい…なんと、尿管結石とインフルエンザのダブルパンチと云う…ただし、どちらも劇症ではなくマイルドな症状ではあったのは不幸中の幸いでもあるが…3~4日ほど、一日に一回のペースで腹痛に見舞われると云う事があって、其のレベルは巷で聞くような結石による疝痛、のた打ち回り嘔吐するほどの異次元の差し込むような激しい痛みではなく、下痢や便秘前の、腹の内部がよじれるような大腸系の痛みの延長にしては比較的苦しいものであった。実際、日々出てはいるものの少し便秘気味と云う事もあり、恐らく数日続いた腹痛は其の種のものだと今では思うが、最後の腹痛は少し毛色が違う感覚はあったものの、其れでも、自分の感覚としては、此れまでにも腹を下した時に経験した事のある腹痛の延長のようなレベルと認識していた。ただし、其の痛みの前日は快便だった事もあるから、たいして出す物は無いにも関わらずなんで腸がよじれるような腹痛があるのかな、と云う怪訝な思いも抱えていた。其の痛みを苦しんでいる時、私は布団の上で四つん這いになったり横倒しの海老のように丸まったりしてムウムウ呻吟していた訳だが、自分の背後の夫のそんな様子に全く気付く様子も無く自分のパソコン仕事に集中している細君の鈍感力に半ば涙目で感心しつつ(細君はいわゆる過集中というか、全体の状況を漠然と且つ正確に把握する事は苦手だが、何か一点に集中すると其れ以外の周囲の様子への知覚を一切遮断する傾向にある…)、ようやくの思いで「私、苦しんでるのですけど…」と声を掛けるのが精いっぱいだった。腹痛が続いている事もあり、病院に行った方が良いと云う事になり…しかしそうこうしている内に痛みは収まったので、病院で待っていても居心地は悪かった。適当に整腸剤でももらえたら御の字、と踏んでいたが、診察は次第に尋問のような態となり…結局、発熱も無ければ下痢や嘔吐もないので消化器系は考え難いと云う事で、CTが撮れる同系列の病院を紹介される…そして行った先の待合で、マスクも無しに激しく咳き込み続ける患者が居て…最終的には恐らく其の人経由でインフルエンザに罹患した訳だが其れは後の話で、其れとは別にCTの結果で云うと膀胱出口付近に結石が写っていたと云う顛末であった。此の程度ならしばらくしたら自然排泄されますよと事もなげに医者には云われるが明らかに右腎が肥大しているしこんな石本当に尿道を通るのか一抹の不安は尽きぬが出す薬も無いと云うから自然に任せる事にする。其れから一顛末あったがそろそろ宿題に着手すべき…結論を云うと今は元気です。

確か、日本兵のガッツが戦後の占領政策において日本人に敬意を齎し格別の配慮を招いたとする右派の論理について。連合軍の前線の兵士が末期の皇軍について何らかの情緒を思う事はあるだろうが…云うまでもない事だが戦争に勝った連合軍首脳が、戦時の作戦や戦後の占領政策を計画する時に、そうした情緒的な事に其の計画が左右される筈はない。重要な決定事項に関して彼らが重視するのは徹頭徹尾金と武力による政治函数である。占領された日本人が侮辱的な政策に我慢ならず再度本土決戦の構えを見せたからとて、そんな日本人の武力を恐れるGHQではないだろう。いくらガッツがあったからとて竹やり程度の武器しかないのはGHQも分かっているし、そもそも銃後の国民総出でガッツある抵抗など最早出来ない事は日本側の首脳こそよく痛感している事実であり、だからこそ本土決戦を断念して敗戦を選択したのではなかったか。尚且つ米軍には原爆さえもあるのだから、GHQが日本のガッツを恐れる理由は皆無である。従って、日本兵のガッツが戦後の占領政策に及ぼした影響はゼロとみてよい。其れなのにGHQがそこそこ紳士的な占領政策を進めたのは、単純に彼らがソ連ではなくアメリカだからで、啓蒙思想をアイデンティティとしている国だからに過ぎない(無論、労働運動や共産主義に対してはGHQは不公正な強権を発動するなど、例外は多々あるが)。

以上をまとめると、戦後体制の基礎を作ったのは占領下での憲法であり、其の憲法は形式的にはどうあれ占領下のものなのだからGHQの主権の下に作られたのだから、戦後体制による豊かさと平和の基礎は、第一義的に、其の当時の主権者であるGHQによるものである。尚且つ、GHQの政策に往時の皇軍のガッツの残像が情緒的に影響するかと云うと、情緒で戦争していた皇軍と違って、連合軍は金と武力の算数で戦争し政治をするのだから、此れも皆無である。従って、戦時の日本兵のガッツは戦後の平和で豊かな社会の基礎的条件を構成しない。戦後生き残った日本人が可能な正当な人生としては、ほとんど戦果の見込めない無駄で無謀な作戦に尊い命を惜しげも無くつぎ込んだ挙句犬死させてしまったと云う、およそ償い難い悔恨を胸に、二度とそうした事を繰り返さぬよう政治的に生きる事である。こうした痛烈な反省の念においてなら、日本兵のガッツが戦後の平和に貢献していると云える。しかし、右派の論理における、日本兵による戦後平和への貢献云々と云う言説には、個人の命の尊さを基礎とした真摯な反省は微塵もない。彼らの言説は、犬死させたと反省すべき痛烈な事実を無かった事にして、日本兵のガッツを、戦後復興と云う誰もが喜ぶ歴史的事実に根拠も無く短絡する事で戦争を美学で偽装した挙句、日本国が戦争に負けたと云う事実さえも隠蔽しようとして己を保身しているに過ぎない。自己自身において自己が確立できないから自己を国家にまで肥大的に一体化させて虚勢を張る右派特有の、国家の所業を全て美化する事で己の惨めさを慰める陳腐な保身に過ぎない。無論、往時の日本兵で通底していたであろう、家族を守るために戦わねばならぬと云う心情は慮るべきものである。ただし、そうした個別の心情が、日清日露から続く、戦争を惹起した政治情勢からみた場合、必ずしも正当性を得るとは限らない、極めて素朴に過ぎる程度のものではあろうとの推察は加えておきたい。

来年正月早々には、注文した「総員玉砕せよ」がウチに届く予定…読み返すつもりはないが…戦争の現実が次々と無かった事にされそうな世の流れだから、保管しておくために…。

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