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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「tom ze/nave maria(1984)som livre-02412」 2009年10月4日 白雨中秋

 
 今年二月に浅間山小規模噴火、そして10月、桜島が噴煙を上げる。次はどこだ?ご近所の火山に注意しよう。次は誰だ、それはあなたかもしれない、私かもしれない。  最近の坂東英二の仕事は目を見張るものがある。恐らく多くの人が思っているだろう。借金でも抱えているのだろうか。もう70歳近いと思われるが、この頃になって体を張ったロケが多くなったように思われる。川の中で半身漬かりながら、アユのつかみ取りを半日ぐらいやっていた。雨上がり後の増水した川だからアユがなかなか捕まらず、でも掴めないと番組が終わらないという状況で、延々と川で奮闘する坂東英二。ゆで卵好きというキャラクター化もうまくいったようで、兎に角好きな食べ物は何か、ということを明確にする事は、日の本の庶民の人気を得るのに必須のようだ。夜中に、ファミレスで延々と食い続ける企画でも、途中で眠くなって、眠気のままに横になって眠る寝顔が、老いと赤子の同一化のような可愛さの次元に至っており、よかった。ドラえもんのどら焼、コンポコの油揚げ、筋肉マンの牛丼、ハクション大魔王のハンバーグ、そして坂東英二のゆで卵。これからも、坂東英二のロケは見逃せない。
 今夜は、小生の回転寿司放浪記を書こうと思ったが長くなりそうなので先を急ぐ。(回転寿司で店員に直接注文する客への怒りおよび批判)

 うろ覚えだが、トン・ゼーと発音するのかトム・ゼーと発音するのか。トン・ゼーだった気がする。トン・ゼーにしよう。ブラジル。60年代末期から70年代初期までの、ブラジルサイケデリア運動であるトロピカリズモへの参加としてカエターノ・ベローゾやジルベルト・ジル、ムタンチスなどとも活動を共にした御仁である。死への狭間に近い極貧や収容所などの極限の最悪状況から血の滲むような傑作が生まれることもあるし、一方で、働く必要無くただ財産や税を湯水のごとく使いながらの金満円満の生活しながら手慰みに鼻歌混じりに功名心とは無縁に物にした結果が傑作になることもある、いかがわしくも残酷な芸能の世界であるが、前者後者とも例に事欠かぬ。歴史上、後者が多いようにも思われるが、ブラジル産ボッサ・ノヴァもその好例であろう。首都の高層高級アパートメントの一室に住まうブラジルのボンボンが戯れにギター爪弾いた産物とその発見がボッサ・ノヴァと一般的に言われる由縁である。 以前にも書いたが、ジャズという大きい音楽の衛星のようにしてボッサ・ノヴァが生まれ、一方、ロックという大きい音楽の衛星のようにしてレゲエが生まれたのだが、ボッサ・ノヴァ衛星はブルジョア、レゲエ衛星はゲットーあるいはストリート生まれという差異が興味深い。この差異は、それぞれの衛星の主星の行く末に起因するのかもしれない。ジャズは、もう、どう転んでもゲットーを歌う音楽ではなくなった、そうではない、と反論する活動もあるかもしれないが、聴こえてくるのは、ジャズという既定の雰囲気に安住した品行方正ばかりだ、いや、ジャズはバンドでもあるかもしれぬがどちらかというと個人奏者の力量が物言う世界、そういった芸で世の迎合大衆の流れを押し留めるべく異議の声を大にするのが難しくなったのかもしれない、一方ロックはバンド音楽であり、資本好みの所以かもしれぬが系統的変遷にまとめられたキャラクター化を逆手に取れば、声を大にするのも可能でもあったから、辛うじて、反体制という大義名分を、幼稚ながらも音声(おんじょう)できた結果かもしれなかった。
 トン・ゼーの認知度がどの程度か分からぬが、中々の才人である。ブラジルのヴァン・ダイク・パークス、あるいはブラジルのピーター・ゲイブリエルといったところか。ボッサ・ノヴァのみならず、当時流行のワールドミュージックという思考において、インドやらアフロやら南米各地の種々のエスニック音楽を取りまとめた凝った陽気アレンジで、一聴すると人懐っこい歌曲であるが、脅迫的に絡むキーボードやアコーディオンらの不協和音の苦味も効かすし、細部に反骨を宿らす周到さはさすがである。そして時に、きっちりとボッサ調の憂鬱もわきまえており、他方でチャカポカと人を馬鹿にしたような音も鳴っており、忙しくも楽しい。老いてなお盛んのようで、現在でも自作楽器を投入して珍妙音楽の独断場を設ける人である。ブラジルといえば、カエターノ・ベローゾやセルジオ・メンデスだけでなく、トン・ゼーも聴いておきたい。
 tom ze :arrangement & lead vocal, acoustic guitar & percussion
 lauro lellis :drums & percussion reinaldo barriga :guitar
 milton belmudes :guitar cavaquinho & percussion
  oswaldinho do acordeao :accorodion
 charles furlan :bass cavaquinho & keyboards
 sergio sa :keyboards silvia maria :vocals
 eliana estevao :vocals and many others

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