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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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演習問題…そして芙蓉の花

ままならぬ激しいイラつきが嵩じ…久しぶりに演習問題でも解こうとしたけれども気分が乗らない季節の変わり目…さくらももこさんの訃報を受け、本棚の隅にあった漫画をこっそり読んでみる…こっそり、と云うのは、細君がさくらももこ先生にコンプレックスを抱いているから、家ではちびまる子ちゃんを視聴する事が憚られる状況を踏まえての事であり…細君の感性や人生における有り様はさくらももこさんに似ている事を自分でもよく気付いているから同族嫌悪と云うものなのか其れを他人から指摘されると激しい拒否反応を示しながらリボン系のギャグ漫画では孤高だった岡田あーみんの「お父さんは心配性」を躍起になって推すと云う事があって、致し方なくちびまる子ちゃんと疎遠にはなっていたものの小生自身はそうしたコンプレックスとは無縁であるから連載開始から割と楽しんでいたから(近所の友人の姉貴が購買するりぼんの盗み読み)、此度の訃報には仰天を禁じ得ず…あんな能天気な漫画を描いているからてっきり長生きするもんだと根拠も無く思い込んでいた処へ、容赦ない死が訪れたものだから…命の成り行きと云うのは分からぬものである…そして、内心ではさくらももこさんと人間性が類似していると自負している細君も今回の事で自分も早死にするのでは、と云う恐慌に襲われて心を乱している様子…時の薬が効くのを待つしかないのだろう…ちびまる子ちゃんは其の前身である「うちは貧乏」のハードコア路線は直接的過ぎてキツすぎて笑えなかったし、そして後年になると安易なヒューマニズムものが幅を効かせて些か鼻白むものがあったが…高校時代のエッセイ漫画を読むと、暢気でかわいい女子的世界にヌッと亀裂を覗かせる男子の実存とも云うべき男子のイモぶり、ゴリラぶりが相変わらず活写されて秀逸であったが、其の中での一節に「ふようの花を見るとなんでだろ、泣きたいみたいな切ない気分になる、小さい頃から…」とあって、己が八月に亡くなるのを幼い頃から予感していたような感じに、遣る瀬無い因果を思った。少女マンガにしろNHKの朝ドラにしろ人畜無害な男にしか生存権を認められていない様子で要はファッショなのだが、さくらももこ先生は基本的には、人畜無害では有りえない、其のありのままの顔が馬鹿馬鹿しい程気持ちが悪い男子の実存と対峙して描き続ける事で如何ともし難いおかしみを滲ませる事に成功し、通例の少女漫画界とは一線を画する表現者としての誠実さであった。後年になると人畜無害な、女子的に望ましい男子を登場させるヒューマニズムで誤魔化す事が多かったのが珠に疵であったが…。親友のたまちゃんよりも先に亡くなってしまったのかな…御冥福をお祈りします…。

世情をにぎわす個別の事件についても云いたい事は山ほどあるが煎じ詰めると全て同じ性質の事件に思えてならず…恐らく九月中には此の世界の出来事を全て説明する理論が完成し、十月中には推敲が済むはずだから、其の理論を以て個別の事件を演習問題として解くだけだから今日は演習問題はしない…其れはそうと、災害時でも東京五輪でも矢鱈とボランティア頼みで、戦時下での自発性の強制を相変わらず繰り返しているようだが…自覚的なスーパーボランティアは兎も角として、殆ど学徒動員の態で学生にボランティア勧誘するのは如何なものか…ボランティアと云えば聞こえはよいが態のいいタダ働きなのだから…危険が伴う人命救助のみならず、浸水家屋の泥出しでも避難所の運営でも五輪の下働きや警備でも、どうして自衛隊にやらせないのか。有事ならしょうがないが、有事ではないのだからこうした突発的な国家的体力仕事は全て自衛隊を動員すればいいと思う。動員しようがしまいが彼らには税金で給与は払われているのだし、五輪で人手が足りないならば皇居にたったの二週間、二個師団ほどテント設営させて五輪の手伝いをすればよいではないか。

其れにしても…意識の高いセレクトショップにいいツラ構えのこけしがあって、思わず手が伸びそうになったのを我慢するのがやっとであった…こけしはまずい…一個入手してしまうと多分芋づる式にどんどん増やしてしまう…ただ増えるのならば、飽きたら処分すればいいだけの話だが、曲がりなりにも人の顔がついているものは呪われそうでおいそれとゴミとして捨てられず、特別な供養などを要するから、荷が重いのは確かなのだ…しかし、あのこけしのツラ構えと来たら…其れに、蛸を被ったこけしとか…創意で小生の気を引いてくる事甚だし…こけしだけは、集める訳にはいかないのである…。

最近、大阪で乱立しつつある南インド系のスパイスカレーのムーブメントを早速大手食品会社が嗅ぎ付け、レトルトに仕立てたものを食す…小麦粉と油まみれの従来のカレーとは隔絶して、スパイスの組み立てと具材との関係のみを真摯に考察した此の種のカレーは実に後味爽やかで、胃にもたれず、すっきり爽快である…

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