ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
矢立を磨く…
長引く歯の治療…長年の歯磨きの怠りが祟っての此のザマだから致し方ないので、じっくり腰を据えて取り掛かっているとは云え…今回はさすがににっちもさっちもいかぬ重症と云うよりか、王手飛車取りみたいな、治療しても地獄、しなくても地獄と云う袋小路で…気落ちする憔悴は将来不安を確実にして落剝の色は濃く…病状と治療と其の経緯は紆余曲折を極めて説明する気力もなく気が滅入るばかり…ただ…物を嚙むと痛む、しかも神経を抜いたのに、と云う…食べる喜びが地味にしかし着実に阻害され心身の衰弱ひいては人生の楽しみさえも見通せない絶望感…酒飲むしかないのか。異常に品ぞろえが良い古本市に行く…そうした場所ではなるべく余計な好奇心の感度を高めない事が必要…読まなければならない本を大量に抱えて一向に進んでいないのだから…それで、気軽に知識を得られるブルーバックス百円を三冊を手早く購入後…本以外に戦前の葉書などがあるのは分かるが…なぜか茶道具や刀身具、刀の鍔などが文庫本と連続的に陳列してあるところで、矢立が気になる…江戸時代の携帯用筆記用具…筆入れと墨ツボが一体化した物で、煙管入れと根付のセットと並んで、江戸の庶民の工芸が花開く日用品…10本くらい箱に投げてあるものの中からよさげなのを探す…ほとんど真っ黒の真鍮製の矢立…しかし、かすかに見える彫金の冴えを見逃さず…家に帰ってあの手この手で清掃に取り掛かる…ネットで、酢に漬けるとよいとあったから試したが得体のしれぬ黒い汚れは落ちず…逆に漬け過ぎて真鍮の一部がまだらの赤銅色になってより一層小汚くはなったが…結局、真鍮ブラシで地道に磨くと真鍮らしい金属光沢が蘇った…水辺の蒲、その上から水辺の餌めがけて垂直に突っ込む水鳥を描く、切れ味が迷いなく素晴らしい彫金も蘇る…あとは、中が墨と錆で真っ黒だから、其の固着をどうやって落とすか、辛抱強く取り掛かるつもりだ。因みに、墨ツボの中を綿棒でほじくると、糞汚い真っ黒な綿が出てきた。綿に墨液を含ませて液漏れを防いでいたと見える…江戸時代の人の工夫がうかがえる。
PR
この記事へのコメント