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 ロック史を体系的議論から解き放ちながら、サイケデリアの土着性とハードロックの非継承性を論ずる。主要1000タイトル、20年計画、週1回更新のプログ形式。
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「karlheinz stockhausen(1928~2007)/tierkreis, zodiac(1975)wer66592」 2009年12月20日 電子忌


 昨日土曜日、雪吹きすさぶ県北のとある荒れ地で、長らく懸案だった野点茶会第二回をついに決行。近々公開いたしますので乞うご期待。
年の瀬、もう今年は消化試合の態であり、やる気なく、このまま何事も無く、平穏無事に正月を迎えたいと、身を縮こまらせて暮らす日々。
 消化試合ということで、今年は、2009年9月27日にキャプテン・ビーフハートについて、ロック史においてまことに重要な事が書けたので、もう思い残す事は無い。よってしばらく寄り道ということで、最近はコンテンポラリーな音楽を続けて取り上げている。これとて全く下心が無いわけでもなく、最終的には、サイケデリアに聴かれる脱民族的白人性キチガイというものが、現代音楽側から観測できるのではないかという目論みがあってのことである。
 とりあえずシュニトケでも聴いとくか、と憂さ晴らしに思い立ち、数ヶ月ぶりに音楽量販店に足を運ぶ。以前に比べて現代音楽コーナーの棚がひどく狭くなったのは気のせいだろうか、種類も極端に減っていた。主に説け、もといシュニトケもありはしたが、最近の遺作しかなく、往年の、荒みに荒んだやかまし系の弦楽四重奏物が無くてどうしたものかと思っている矢先に目に飛び込んだシュトックハウゼンのコーナー、2007年12月5日、モーツァルトと同じ命日にに鬼籍に入られたことを今更ながら知って驚きのあまりシュトックハウゼン購入した。
 1975年のこの作品であるが、特にこの作品を以ってシュトックハウゼンの何たるかや、彼の作品群の中に占めるこの作品の位置付けや全ての音楽におけるシュトックハウゼンの位置付けを行おうとは思えない。まったく、つかみどころの無い、何をしたいのかさっぱり分からない作品である。ムージルの「特性のない男」という小説は、読むとわりに特徴や物語があったりしたことを思い出しながら、これはどうなのだろうと考える。ヴィトゲンシュタインに言われるまでも無く、言葉に出来ないものは言葉にすべきでないと思われるし、それを言えば音楽について何も言えなくなるが、そうした音楽への心配り以前に、何とも言い様の無い音楽がある。
 アコーディオンと管楽器が絡み、タンゴっぽいジャズ風味かもしれないが特にピアソラでもキース・ジャレットでもなく、そして、いわゆる現代音楽風という概念はこの王道なきロック史においては否定すべきであるがそうした現代音楽風でもない、無論ポップスでも民族風でもない、古典でもない、その全てが混ざったミクスチャー音楽でもない。そして特筆すべきは何もない。持て囃されがちな脱力系の緩め音楽の馬鹿馬鹿しさでもなく、本当に、やる気のない音楽であった。やる気の無い年末には相応しいがもどかしい、しかし薄気味悪さや出来損ないや謎に回収されもしない、いかんともし難い音楽。
 M1がそろそろ始まるようだ。繰り返しを煽る泥臭さが全く面白くない笑い飯を評価しないのは当然だとしても昨年、圧倒的に面白かったオードリーよりも、さほどでもないノンスタイルを高評価したことで、吉本系で占められた審査員らの笑いの評価能力への疑問が生じる破目になったM1であるが、今年はどうなることか。小生はナイツに期待している。かつてはナンチャンなども審査員に入れる配慮がなされていたが昨年は全員吉本系の審査員であって、このことがM1の説得力を欠けさせると、興業主は考えないのだろうか。たかがアメリカの国内リーグが、その優勝者をワールドチャンピオンなどといっている滑稽を見れば分かるだろう。出来れば坂上二郎やタモリが審査員に入っていれば言う事ないが(むしろ、出場して欲しい、R1とかで)、せめてウッチャンを入れるべき、と、本当はどうでもよいが、かように思う。ウッチャンの「内P」の功績を横取りしたかのようなダウンタウンの「リンカーン」、という主題についてはまたの機会に。

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